- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309273488
作品紹介・あらすじ
陸前高田市気仙町出身の写真家による、震災の前と後の写真八十点と、あの日をめぐるエッセイで構成されたドキュメント。
感想・レビュー・書評
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写真家が地元を撮影した写真集で一番いい写真だと感じた。
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今年見た読んだ写真集のベストワンになると思う。★を10つけたい・・。
東日本大震災前になにげなく撮った故郷の写真がとても綺麗で瑞々しい。
記憶の助けにするつもりなく取り留めなく撮られた写真の意味合いが、震災で大きく変化しました。
震災前の写真の間に故郷に戻る道中の心情エッセイを挿入し、到着した故郷の被災した姿を大きく見開きでレイアウト。ドラマチックな製本ですが、冷静な写真が声高に語ることを牽制しているように見えました。なんて素敵なブックなんだろうとあとがきを見たら、荒木経惟さんの『センチメンタルな旅 冬の旅』の鈴木成一さんが関わったようです。どうりで。。。
写真に言葉は必要。行間の挟み方の手段のうちひとつなんだ、写真は。そう思えました。 -
東日本大震災とそれに伴う津波の被害、そして原発事故の影響。自分にとって、今までそれはメディアからの情報でしかなかった。
多くの人たちがこの大災害に直面し、それに自らの人生を重ね合わせざるを得ない状況に置かれた。それらの人たちには、それぞれの語り尽くせない思いがあったはずだ。
この写真集には、それらの人たちの中の一人の思いが記録されている。毎日の生活が、一瞬にして別世界のことであったかのように思えてしまう現実の姿が記録されている。
その記録は、ともすれば「東日本大震災」という言葉によって、情報化され、歴史の一部となってしまうことへの抗い、人が毎日生きて生活しているという現実の重みを思い出させてくれる。 -
カテゴリ:図書館企画展示
2014年度第6回図書館企画展示
「命 -共に生きる-」
開催期間:2015年3月9日(月) ~2015年4月7日(火)【終了しました】
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース -
美しい表紙。
最後まで読み終わり、また最初に戻って前半の写真を見ると、胸がしめつけられる思いです。 -
最初は字だけを無心に追った。焦り、葛藤、戸惑い、苛立ち。読み終えた後、写真をゆっくりとみた。心を抉られる様にただ苦しくて仕方なかった。見慣れた穏やかな風景。ずっと変わらないで続くと思っていた故郷の崩壊。「僕には、自分の記憶を助けるために写真を撮るという習慣がない」そう言っていた畠山さんの写真が今、記憶を確かめる写真として、存在している。それは、畠山さんの言う通り、人が写真を撮る第一の理由なのだと思う。
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読み終えることのできない本というのがある。これもそれだ。
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ページを開くとほんわりとした田舎の風景写真が続く。故郷に駆けつけるまでの文章は苦しい。故郷の危機に迂回しながらたどり着く。
レイアウトが急に変わる。津波による凄惨な光景が拡がる。
愛する家族、知り合い、自分を包んでくれた故郷の風土、そんな大切なもの一切合財が目の前から消えた。行き場のない悔しさ、悲しさ、辛さがドキドキと胸に迫る。
しかし、記憶(写真)に遺されたなにげない素直な日常風景の写真は消えない。