動物たちが教えてくれた「良い生き物」になる方法

  • 河出書房新社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309253992

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに惹かれて読んだ本。
    『動物たちが教えてくれた「良い生き物」になる方法』、原題はHOW To BE A GOOD CREATURE - A Memoir in Thirteen Animals
    謙虚さ、優しさに満ちていて、本当にいい感じだった。この本を読んでいて、思い出したこと。魚は「心」がないということが言われていたが、それは今では間違いだということになっている。何でも人間の視点で物事をみてしまうと、このように人間以外の生き物に対して、「劣れるものたち」という意識を持ってしまいかねない。動物たちのすごい能力は身近にいるイヌ、ネコでも照明済み。この著者のように、生き物たちは私たちが「良い生き物」になるための大切な、尊い存在だという意識で接していきたい。私の場合、モノを言わぬ「植物」達もそういった「良き生き物」になるための大切な存在になる。

  • サイ・モンゴメリーはテンプル・グランディンの本しか読んでいなかったが、それがとても良かったし、この本のタイトルも気に入ったので読んでみた。
    動物と暮らすと、愛情の幅が広がるのを感じ、彼らの心の曇りのなさに驚かされることが度々あるが、著者が書いているのもまさにそういうことだった。
    動物と暮らすとお金がかかる。自由に旅行にも行けないし、一日も世話を休むことができない。
    それがイヤだから、飼わないと言う人の言い分はもっともだし、無責任に飼う人は最低だ、そんなんなら最初から飼うなと思ってはいるのだが、動物と暮らすことで得られる素晴らしさは何にもかえ難く、それをどうしたら分かってもらえるだろうと常々考えていた。この本を読むと分かってもらえるかもしれない。
    動物たちと心が繋がる経験をすると、人はもっと「良い生き物」になれる。

    「人間の家族とは対照的に、クリストファーとわたしの関係では、おたがいの違いはなんの問題も生じなかった。クリストファーは豚で、わたしはありのままの彼を愛した。犬なのにモリーを愛したのではなく、犬だからこそ愛したのと、ちょうど同じように。そして、すぐにそうとわかったのだが、クリストファーもまた、偉大な寛容さで、わたしがしがない人間であることを受け入れ、許していたのだろう。」(P53)
    「これまでにサーバーが教えてきれたなかでいちばん重要なのは、たとえどれほど絶望的に思えてもつぎに何が起こるのかはだれも知らない、ということだ。すぐそこの角を曲がれば、すばらしい出来事が待っているかもしれないのだ。」(P165)

    著者の考えや行動に全面的に賛成というわけではない。虐待されたり、障害を持った犬を飼いたいというのは立派だが、犬種にこだわるのは理解できないし、安楽死についても、本当にそれしか選択肢はなったのか?とは思う。
    しかし、巻末の推薦図書リストの『ケープコッドの海辺に暮らして』(ヘンリー・ベストン著)の言葉には完全に同意する。
    「わたしたちはもっと賢い、おそらくはもっと神秘的な概念を必要としている‥‥なぜなら、動物を人間の物差しで測るべきではないのだから。わたしたちの世界よりももっと古く、完璧な世界で、わたしたちが失ってしまった、あるいは最初から与えられなかったすばらしい感覚を与えられた彼らは、完成された完璧な存在として生き、わたしたちにはけっして聞こえない声に従って生きている。彼らは人間とは異なる存在であり、劣る存在ではない。彼らは別の世界の住人で、人間とともに生命と時間の網にからめとられている、すばらしく苦悩に満ちた大地の囚人仲間なのだ。」(P181)
    哺乳類が人間の良きパートナーになることは知っていたが、タコの知性と愛情にも驚かされた。タランチュラが人に馴れることにも。
    タコの本も読んでみたい。

  • タイトルと表紙に釣られて購入。
    内容はちょっと物足りなかったかな。

  • 動物の持つ心について、しっかりとそのありようを感じられた。
    題と内容に差はある気がする。著者の気持ちはある程度想像できる。ただ、私は良い生き物になるヒントは得られなかった。実感として、そこまでの気持ちは得られなかった。

  • 今回も、タコの章がとてもよかった。
    エミューの章では、こんな鳥たちも、この度の森林火災で犠牲になってしまったのだろうか、と残念で悲しくなる。

    どんな生き物も、意味とか信念とか展望とかというよりもただ生きることに懸命で、それが迫ってくる。教えてくれるなあ。

    「良い生き物」になろうよ、ニンゲンよ。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50176436

  • ふむ

  • ネイチャーライターのサイ・モンゴメリーがこれまでに出会った動物たちとのやり取りを綴った本。内容はもちろん良かったが、最後に挙げられている参考書の中にとても響いた言葉があった。ヘンリー・ベストン著作の紹介で、彼が述べた言葉『動物を人間の物差しで測るべきではない。わたしたちの世界よりももっと古く、完璧な世界で、わたしたちが失ってしまった、あるいは最初から与えられなかったすばらしい感覚を与えられた彼らは、完成された完璧な存在として生き、わたしたちにはけっして聞こえない声に従って生きている。彼らは人間とは異なる存在であり、劣る存在ではない。』そうだよなあと思った。

  • 動物学者が、これまでの人生で関わってきた動物、主に飼育してきた、との交流を通じて生きる喜びを得てきた伝記。著者はタコの生態を記した書物で全米ベストセラー作家になったらしい。

  • 夫の本棚から拝借。動物とのコミュニケーションに関して天賦の才を垣間見れる。また精神性について感じられる本。

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著者プロフィール

ナチュラリスト、作家。大人向け、子供向けのノンフィクション20冊を執筆、高い評価を受けている。大人向けの『幸福の豚──クリストファー・ホグウッドの贈り物』(バジリコ)は全米ベストセラーに。オウムの保護活動を取り上げたKakapo Rescueで良質の子供向けノンフィクションに贈られる「ロバート・F・サイバート知識の本賞」を受賞。人食いトラの問題に迫ったSpell of the Tigerは彼女の仕事ぶりを追ったナショナル・ジオグラフィックTVの同名ドキュメンタリー番組の着想を与えた。アマゾンでの冒険をまとめたJourney of the Pink Dolphinsは「ラプソディーのような」(パブリッシャーズ・ウィークリー)、「心を奪われる」(ブックリスト)、「相手を知ろうとする真摯さがある」(ニューヨーカー)と評され、the London Times Travel Book Awardの最終選考に残った。その他、アメリカの動物愛護団体「全米人道協会(HSUS)」およびニューイングランド書店協会の特別功労賞、3つの名誉学位など、数々の栄誉に浴している。
現在、ボーダーコリーのサリー、放し飼いのメンドリの群れ、そして夫で作家のハワード・マンスフィールドと共にニューハンプシャー州で暮らしている。

「2017年 『愛しのオクトパス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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