さようなら、もんじゅ君---高速増殖炉がかたる原発のホントのおはなし

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309245867

作品紹介・あらすじ

はやくおしごとやめたいよ…。ツイッターで大人気!8万人がフォローするJAEA非公式キャラ・もんじゅ君のせつない物語。こどもからおとなまで原発のホントがわかる。

感想・レビュー・書評

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  • 今の日本に生きる者として、こういうことを知っておくのは大事だと思いました。

  • 原発や高速増殖炉のしくみ、日本のエネルギー政策の変遷、なぜ日本が核燃料サイクル計画をやめられないのか、などなど。
    知りたい人には入門編になるし、いくらか勉強してきた人にも整理になります。
    ぜんぶの漢字にルビがふってあるし、もんじゅ君がやさしい言葉でおしえてくれるから小学生でもわかります。

    第6章の「2050年のもんじゅ君の夢」は、胸が熱くあって泣きそうになりました。

  • 日本人なら必読の一冊。原発周辺のことをやわらかく赤裸々に語るもんじゅ君。早く引退できますように。

  • 高速増殖炉の原理や特徴、歴史、プルサーマルの内容などわかっているつもりをわかったと言える内容だった。特にナトリウム配管の板厚については非常にわかりやすかった。

  • 高速増殖炉の仕組みや問題点が良くわかった。ずっと以前から言われているけれど、なかなか先に進まない話。いつまで無駄金(それも税金)をつぎ込むのか…。日本って国は、本当にダメな仕組みしか作らないんだな。時代劇の悪代官みたいな輩が普通に政治家やってるからそうなるんだよな。そんな人たちを選ぶ国民が多いことにも悲しくなるよ。

  • 原子力発電のこと、わかりやすく書かれています。
    特に、夢の高速増殖原型炉は、いつまでも叶わない夢であることも。

  • イラストが可愛くひらがなも多いため、小中学生でも読みやすそう。原発、もんじゅなどから再生可能エネルギーや配送電ロスを減らすことに予算を割り振ったとして、実際に効果として表れるほどのものが作れるのかはよく分からない。また、再生可能エネルギーをベース電源として利用した場合の、需要と供給のバランスの取り方(ピーク時の不足や余る場合)についても特に書かれていないので、難しそうなのではないかという思いは払拭できず。

  • もんじゅ君の自虐的独白である。福井県にある現在修理中(というか実用的に利用されたことがない)の高速増殖炉であるもんじゅ号について解説を行っている。要は高速増殖炉を使用することは環境影響的に考えても、科学的にも経済的にも全く合理性を欠いているにも関わらず、サンクコストをサンクコストとして処理できないために、何とかして使おうとしているということである。

  • 「原発どうする?」「原発どうなの?」
    と思っている日本中の大人も子どもも読んでほしい1冊。
    原発のしくみから日本でのなりたち、そしてなぜ日本でこれだけ原発が増えたかを、高速増殖炉の「もんじゅ君」がじぶんのこととしてとってもわかりやすく解説してくれます。
    なによりもんじゅ君の人柄(炉柄?)がイイ!
    こんなにかわいく健気な炉に「ぼくはやくお仕事やめたいよ・・・」と言われると、もんじゅ君のためにもがんばって脱原発しないと、と思ってしまいます。
    ほのぼのとした口調ながらも、原発、そして核燃サイクル計画の無謀さを暴露して、そのうえ最後では2050年原発が廃炉になった世界を描いている、すぐれた内容の本です。
    一家に一冊、学校の図書室にも置いてほしいですね。

  • 電気を発生させるには「タービン」を回す
    タービンを回す方法に水蒸気を使うのが「火力発電」「原子力発電」

    火力発電は石油・石炭などを燃やす
    原子力発電は核分裂を起こす

    原発;中性子はゆっくり、冷却材は水、燃料はウラン235
    高速増殖炉;高速中性子、冷却材はナトリウム、燃料はプルトニウム239、発電しながらプルトニウム239を増やす
    ------
    ウランを使って普通の原子力発電をする→使用済核燃料が排出される
    使用済核燃料からプルトニウムを取り出して加工しMOX燃料を作る
    MOX燃料を使って高速増殖炉で発電する→使用済核燃料が排出される
    ------
    資源のない日本にとって、使えば使うほど燃料を「増殖」させることのできる高速増殖炉は夢の原子炉だ!!

    原発は冷却材が沸騰して泡ができると核分裂反応は起こりにくくなる
    高速増殖炉は冷却材が沸騰して泡ができると核分裂反応が加速される

    高速増殖炉の実験炉は1946年に開始→2012年現在、まだ実用化されていない、毎年200億円の予算が使われている
    高速増殖炉を停止;アメリカは1977年、ドイツは1991年、イギリスは1994年、フランスは2010年


    MOX燃料を作ることもうまくいっていない
    ゴミである使用済核燃料からMOX燃料を作る、、、のだけれど、この時にもたくさんの放射性廃棄物が出る
    高速増殖炉が動かないから、普通の原子力発電で無理やりMOX燃料を使用している=プルサーマル計画

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