世界鉄道史---血と鉄と金の世界変革

  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309225630

作品紹介・あらすじ

鉄道がいかに「人々の生き方」を根底から変化させ、あらゆる変革を促していったか-起源から現代までの全世界の鉄道史を網羅した決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 書きかけ

    鉄道好き、歴史好きの私には実に楽しかった。本書は、http://naokis.doorblog.jp/archives/51764884.html『新しい世界史へ』の著者 羽田正氏が言うところの「横につながる世界史」(一つのテーマで世界的視野で俯瞰する世界史)であり、有名なところでは『砂糖の世界史』がある。本書の扱う範囲は、1825年のスティーブンソンが始めた鉄道の商業ビジネスから現代までに至る。

    副題は、Blood, Iron,& Goldとなっている。まずBloodについて、文字通り人命のことであり、鉄道建設では万単位の命を落とした。インドの最初の鉄道、パナマ横断鉄道、そして日本が建設した泰緬鉄道の死者数は壮絶である。そこまで人々を鉄道建設に駆り立てたものはなんだろうか?

    鉄道はこれまでの馬による輸送と比べ、圧倒的な輸送力を誇った。鉄道がもたらしたものは、戦争のあり方を変え、国家統合を促し、そして経済的野心を満たしたことだった。第一次世界大戦があそこまで拡大してしまったのは、鉄道が兵站を担ったからである。泰緬鉄道の建設もまた、兵站目的であった。

    鉄道が普及した19世紀、ヨーロッパ社会の国境は現代とは異なっていた。ベルギーは1830

    標準化



    動機:
     国家統合(ロシア、カナダ、イタリア、ベルギー)
     軍事的→第一次世界大戦へ
     経済的野望(アメリカ)
    不正(アメリカ大陸横断鉄道)
    資源輸送(キューバ(砂糖)、ブラジル(ゴム)、中米(バナナ)、鉱物(南アフリカ))
    鉄道建設(インド、パナマ横断、アフリカ)




    軍事目的、国家統合、経済的野心が人命を上回ったということか。経済成長の負の側面。 http://t.co/eogRdHI3
    posted at 14:52:00
    【読書】『世界鉄道史』第一世界大戦まで、大量高速輸送は鉄道が独占していた。この成功が蒸気機関からディーゼル機関、電気機関への乗り換えを遅らせた。典型的なイノベーションのジレンマにより、第二次大戦後、自動車・航空機に敗北することになった。 http://t.co/eogRdHI3
    posted at 14:47:04
    【読書】『世界鉄道史』 大陸横断鉄道を手掛けた起業家の一人に、後に大学を創設者となるスタンフォードがいる。彼は鉄道建設における公金を騙し取って財を成した。19世紀の米国(いや世紀、国問わず)起業家は誰も彼もいかがわしい経歴を持っている。 http://t.co/eogRdHI3


    2012.03.10 読書開始

    <目次>
    まえがき
    第1章 世界初の鉄道
    第2章 ヨーロッパが走りだす
    第3章 英国の影響
    第4章 アメリカ式
    第5章 つながるヨーロッパ
    第6章 アメリカを横断して・・・
    第7章 そして別の大陸へも
    第8章 鉄道の侵入
    第9章 鉄道革命
    第10章 つねに改善
    第11章 変わりゆく列車
    第12章 衰えるとも倒れず
    第13章 鉄道の再生
    謝辞
    訳者あとがき
    図版出典
    参考文献
    原注

    <メモ>
    動機:
     国家統合(ロシア、カナダ、イタリア、ベルギー)
     軍事的→第一次世界大戦へ
     経済的野望(アメリカ)
    不正(アメリカ大陸横断鉄道)
    資源輸送(キューバ(砂糖)、ブラジル(ゴム)、中米(バナナ)、鉱物(南アフリカ))
    鉄道建設(インド、パナマ横断、アフリカ)

  • テーマ史

  • 世界各地、ヨーロッパから日本、アフリカや南米まで、世界の鉄道網の成立の歴史を網羅していて、わかりやすい一冊です
    鉄道の歴史に興味がある人はぜひご一読を

  • 世界の鉄道史、主に欧米ですが、記述した本。
    鉄道のはじめから、主に第一次世界大戦ぐらいまでをメインに記載しています。

    技術的な側面というよりも、鉄道が社会にどのような影響を与えたかを示しています。

    やはり、様々な苦難を乗り越えて鉄道を敷設していく物語は読んでいて読み応えがあります。アルプス越え、アメリカの大陸横断、パナマ地峡、そしてアフリカ。

    分厚い本ですが、内容的にはまだ足りなーいと思ってしまうような広範囲にわたるテーマです。

  • 英国で誕生した鉄道が世界各国津々浦々まで拡がっていく様に、その国の事情だったり、個性が表れていてとてもおもろい。

    標準軌を採用せず、国を超えた鉄道網を築こうとしなかったロシア、
    分裂した国をひとつにまとめようとしたドイツ、
    自由放任主義を貫いた結果、同じ区間を複数の路線が競合するという無駄(とは一概に言えんのかも)を生じたイギリスとか。

    鉄道で街と街が物理的に繋がりだしたときの感動ってどんなもんやったろうと妄想するととても楽しい。

  • 欧米のみならず、インド、南米、中国、日本などのマイナーな地域についても記載があり、なかなか内容も正確で、網羅性という点で非常に貴重な書物であると感じる。
    それぞれの地域で鉄道が導入された背景、その社会的、経済的な影響が深く掘り下げられていて、鉄道にそれほど興味のない人でも楽しめる内容になっている。

  • アメリカの南北戦争でなぜ北部が買ったのか。ヨーロッパでドイツが急激な発展を遂げたのか。こうした歴史の背景を鉄道という観点から読み解く本。
    鉄道を建設することによって人や物の移動が可能になったというのは教科書に書かれた内容だが、当時鉄道の建設費が数年で回収できるという状況であったことは驚く。それほど鉄道というものは利用され、国を発展させることに役立ったのである。そんな鉄道が作った歴史上の裏話を世界から集めたという本とも言える。
    鉄道ファンでなくても、歴史に興味のある方にはお勧め。

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