すべての、白いものたちの

  • 河出書房新社
4.02
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309207605

感想・レビュー・書評

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  • 白いもの
    おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり、つき、こめ…
    すべての、白いものたちには物語がある
    美しい文章で書かれた65の物語



    私が思い浮かべる白いもの…?
    白いもの…?
    白いもの…?

    あっ!

    下のチビのパンツ!
    パンツが小さくなったから新しいの買うことに
    白のブリーフはどう?と笑いながら息子に言ってみると「履けるか!お前が履いとけ!」と怒られた…w

    結局、ポケモン柄、グレーにネイビーと全てボクサータイプを購入
    私が小さい頃はパンツは白のブリーフと決まっていた時代!
    今の子どもは白は履かないのか!?
    ブリーフは履かないのか!?

    買った中で一番気に入ったのは緑色のパンツみたい(〃∇〃)

    昨日も「みどりのパンツ〜♪みどりのパンツ〜♪」と歌いながら緑色パンツを履いて走り回る息子の姿が!w


    あれ?
    白いものの話はどこへやら…^^;

    • おびのりさん
      みんみん、素材は選びましょう。
      みんみん、素材は選びましょう。
      2024/01/18
    • yukimisakeさん
      息子ちゃん可愛い…笑。
      僕は今日グレーのパンツですって、いらん情報笑
      白は毛布!暖かいぬくぬく毛布…

      毛布!

      眠たい!!(≧∇≦)
      息子ちゃん可愛い…笑。
      僕は今日グレーのパンツですって、いらん情報笑
      白は毛布!暖かいぬくぬく毛布…

      毛布!

      眠たい!!(≧∇≦)
      2024/01/19
    • 1Q84O1さん
      ユッキーさん、脱ぎなさい!
      今すぐ脱ぎなさい!
      グレーのパンツを!
      そして、履きなさい!
      ブリーフを!
      もちろん白!
      ユッキーさん、脱ぎなさい!
      今すぐ脱ぎなさい!
      グレーのパンツを!
      そして、履きなさい!
      ブリーフを!
      もちろん白!
      2024/01/19
  • 紙好きにはたまらない装丁の本でした。
    表紙のモノクロ写真。産着の白さが放つ哀しみ。(読むと分かるのだが…)
    見返しも前と後ろでは紙が違う。本扉の前に挟まれた小さな紙、本文も何種類もの紙に綴られている。純白に何らかの別の色がほんの少し混じった感じの白。オフホワイト。その色合いも手触りも違う、さまざまな表情を持った白い紙たち。
    紙を撫でながら読んだ。

    「白いものについて書こうと決めた」から始まるこの話。おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり…白いものを取り上げながら、その白に別の色がほんの少し混じるようにハン・ガンの想いが混じり、哀しみが漂う。

    あとがきを読んで納得した。
    「私の母語で白い色を表す言葉に『ハヤン(まっしろな)』と『ヒン(しろい)』がある。清潔な白「ハヤン」とは違い「ヒン」は、生と死の哀しみをこもごもたたえた色。私が書きたかったのは「ヒン」についての本だった。」とあった。

    すべての白いものたちの中に、祈りを求めているように感じた。

  • 韓国語を学んでいた頃、ああ韓国のひとはなんて詩や言葉や色への関心が高いのだろう!かつては日本人もそうだったのだろうか?と強く感じたことを思い出しながら読了しました。
    まさにこの作品は詩と短いエッセイで構成されているような、しかも装丁まで徹底した作りになってて出版側の拘りが伝わってきます。
    著者がワルシャワとソウルで育んだ想いを一冊にしたこの作品、韓国の風土や文化を齧ったことのある人にはより深く理解出来るように思います。

  • 白いものたちについて。詩のような。
    この世とあの世のあわい。破壊と再建。ワルシャワとソウル。祈りの本。

    「白く笑う」という表現が印象的だった。
    何度も読みたいとおもう本。

  • 『すべての、白いものたちの』読了。
    雪が降り続く連休に読んだ。詩的な内面描写に引き込まれた。
    生まれて2時間で死んだ姉と、戦争で廃墟となり再生した都市を重ねていく。
    無かったことには出来ない記憶をいつの間にか継承し身体に魂が宿っていくのかもしれない。死んだ人を思う色の話でした。
    「しなないで しなないでおねがい。」が何度もあった。母親が死んだ姉に発した言葉に魂が宿り、私へと受け継がれていった。
    生と死の寂しさが白いものに宿る。そこで彼らは何をみてきたんだろうな…なんとなく、そっと、そばに寄り添ってくれているような気がする。どうか、生きてと。

    2021.1.12(1回目)

  • 大好きな作家さんが大好きだというので興味をひかれました。
    読んで良かったです。今が冬なのも、幸運でした。

    静かで柔らかな文章が描き出す、凛と冷たい空気。
    「霜」で佇む固いものたちも、「天の川」の星雲も、「白木蓮」の炎も忘れがたい。
    張りつめたものを壊してしまわないようにじっと息をひそめて読み進んだのに、最後には溢れてしまって、その時想いは散り散りのようでも羽ばたくようでもありました。

  • 「白いものについて書こうと決めた。春。そのとき私が最初にやったのは、目録を作ることだった。
    おくるみ うぶぎ しお ゆき こおり」

    本をひらいて飛び込んできたこの文字列を見ただけで、赤ん坊の儚さと愛しさ、運命的な予感に心がざわざわして、白いものたちの世界に一気に引き込まれてしまった。著者の本は『ギリシャ語の時間』に続き2冊目。改訂版を出すにあたり書き加えられた「作家の言葉」がまた素晴らしい。斎藤真理子さんの翻訳もうつくしくて好き。

  • 色を失う冬に、喪失の季節に、打ちひしがれる時に、読むと決めていた本。

    この本を必要とする時期が来て、数行読んで思ったのは、この本を信頼して本当に良かったということ。芯からの寂しさと、髄まで沁みた悲しみを持った人の言葉に出会えたことに、心を打たれた。

    理解など要らない、分かってもらわなくていい、気休めなんて煩わしい、どんな慰めも励ましも届かない孤独に、なんて響く文章なのだろう。

    「不在」という圧倒的な存在が、「不在」という質量の重みが、「白」というテーマで見事に表現されており、この静謐な筆致に嗚咽が出るほど何度も胸が押しつぶされた。

    ハングルで白い色を表す言葉の、「ハヤン」(まっしろな)と「ヒン」(しろい)。綿あめのようにひたすら清潔な白「ハヤン」とは違い、「ヒン」は、生と死の寂しさをこもごもたたえた色だそうだ。

    喪失を、不在を、何かでごまかしたり埋めようとは思わない。この白さを、生きる限り、至る所で見つけ、吸い込む。

  • 斉藤真理子さんの翻訳が本当にとても素晴らしいです。

    『産着』
    消えゆく小さな命にささやき続けた言葉が頭から離れない。淡々としたごく短い文章にこんなにも胸を抉られるとは。
    著者には産まれてすぐに亡くなってしまった姉がいる。きっと、姉の分までより良く生きなければ、という重圧を抱えていたのだろう。
    この作品を書くために、著者は姉の死と徹底的に向き合った。自ら白い小さな産着を手作りし母親の壮絶な過去を追体験し、
    姉になり変わって現世を見つめ直す…
    そうすることで、姉は自分の心の中に生きていて共生していると思えるようになったのではないか。

    学校から帰るとその日出会った白いものについて話してくれた、と巻末に、娘さんについて書かれていました。白一色の世界にほんのり温かい色が添えられたようで、じーんとしました。

  • 「生は誰に対しても好意的ではない。それを知りつつ歩むとき、私に降りかかってくるのはみぞれ。額を、眉を、頬をやさしく濡らすのはみぞれ。」

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著者プロフィール

著者:ハン・ガン
1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。
1993年、季刊『文学と社会』に詩を発表し、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し作家としてデビューする。2005年、中編「蒙古斑」で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作を含む3つの中編小説をまとめた『菜食主義者』で2016年にア
ジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞する。邦訳に『菜食主義者』(きむ ふな訳)、『少年が来る』(井手俊作訳)、『そっと 静かに』(古川綾子訳、以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳、晶文社)、『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出書房新社)、『回復する人間』(斎藤真理子訳、白水社)などがある。

「2022年 『引き出しに夕方をしまっておいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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