- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309206851
感想・レビュー・書評
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見せしめ、コレクション、科学や芸術、崇拝の対象……。あらゆる文化や社会で、なぜ人々は生首に魅せられ、首を切断したがるのか? 驚愕のエピソード満載の異色歴史ノンフィクション!
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期待している内容とちがった。当然?処刑の歴史、だと思っていたらあれ?という感じ。
大戦中のアメリカ兵がいかにケダモノだったかということはよくわかった。いまもそうだけれどね。
頭蓋骨コレクターのマッドぶりはなかなかなものだとちょっと感動。 -
人は切り落とされた首に何を見出してきたのか。戦利品として、美術品として、科学の探求の道具として、見せしめとして、あるいは畏敬の対象として。命をなくした「首」に投影されてきた様々なものの歴史を概観しながら、人の死の瞬間はいつなのか、魂はどこに宿るのかという問いかけも発する。ヒトとモノの境界はどこか、文明と野蛮の境界、生と死の境界、日常と非日常の境界とは何か……そういったものを否応もなく突きつけられ、とてもおもしろかった。
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首を切る民族が野蛮なのか。それとも頭蓋を集める文明人が野蛮なのか。首切りにまつわる歴史についてこれでもかというほど情報量が多い。まさか本物の首を集めた博物館が存在するとは思わなかった。というか、首切りの歴史はまったく古くなく、また遠い遥か彼方の土地で行われていることでもない。テロ組織がネット上に斬首の様子をアップしてそれが世界中に広がった。はっきりいって、身近だ。読めば読むほど自分も首を切られて死ぬかもしれない、と想像してしまうほどだ。
印象に残ったのは19、20世紀。戦地で敵兵の首を落とし、それを持ち帰ってプレゼントするということも行われていた。しかも、それが太平洋戦争中の日本兵の首というのだから心底驚いた。相手は日本兵を人間だと思ってない。そう、ジャップだったのだ。いちおう、戦争でも敵兵に対して尊厳を損なわないようにする、という条約があったようだけど、カタチだけだったようだ。(そんな条約あったこと自体びっくり)
斬首は非人道的な行為。しかし、頭蓋は人を惹きつける。この本をとった私ももれなく野蛮な人間なのだろう。興味本位で選んだけど、言葉にできない人間の罪深さというものを感じた。そして、それが例外なく自分にもあることが分かった。ごめん、私は誰かの首を切り落とすなんてできない。でも首を見ようとしてこの本をとった。
「原罪」って、こういうことなんかな。 -
主にヨーロッパ人が、やらかした首切りに関しての歴史や、人は何故かその体よりも首に注目してしまうということ。
植民地時代の首のコレクションの話やギロチンなどの歴史。
第二次世界大戦中に頭蓋骨が土産物にされてたって話がこんなところでソースがつくことになろうとは。
昔、人類の不思議展には行ったなあって時点で私も人を野蛮だとは言えない。
彼らが中国系の罪人、おそらく政治犯って聞かされた後々の後味の悪さ。
何故惹きつけられるのか。
頭部が全てではないが最も人、個人たらしめている箇所になるから?
医学生たちですら頭部の解剖はその残酷さに恐れおののいたりするそうだし。
傲慢な白人がどう見られていたのかを解き明かしていたり、医学、科学の歴史でもあったり。 -
まあ普通かな
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首切りの歴史
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死刑執行人関連書籍を求めて読みました。「首切りの歴史」というどんぴしゃなタイトルで、死刑執行人はもちろん、戦時中の話や首切り族、斬られた首のその後まで幅広く書かれていておもしろかったです。
処刑人の資料として読みましたが、むしろ後半の章の「斬首されたヒトはどのくらい意識があるのか?」の話が一番おもしろかったです。意識があるとすれば、少なくとも七秒。激痛の七秒はきっととても永いのでしょう……ぞっとしました。
ギロチンで首を斬られて、そのほやほやの首に話しかけたり叩いたりする実験が書かれてますが、不思議な気持ちになりました。確かに、首と胴が切り離されたら、どうなるんでしょう。想像がつくような、つかないような……それで前述の「七秒」を読んだので、なおさら釈然としないです。斬られた首は、ヒトか、モノか。この章だけでもときどき読み返したくなる一冊です。
そういえば「切り離された首と胴は、ほとんど首にしかスポットライトが当たらない」というのは、指摘されて初めて気づいたことでした。 -
【請求記号】3890:494
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首って興味深いよな…と軽い気持ちで図書館で借りる。
首に関するエピソードが豊富だった。
また博物館において「首」の展示が難しいことを知った。博物館等で展示物をどう見せたいのか、どうして展示するのかその点を考えていくことが学芸員にとって重要と気づかされた。