- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309206813
感想・レビュー・書評
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文学
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辛すぎて途中でやめたくなったが、この辛さから早く抜け出したくて半日で読んでしまった、いや読めてしまったのは、自分たちの日常に起きている、良く知っている出来事が描かれていたためかもしれない。
「すべてはコントロールされている」(128ページ)この1行が目に入った時は本当に悪い夢を見ているかと思った。この物語は私たちの未来の姿を描いている。 -
ミステリー作品かどうか関係なく面白い。精緻に組み立てられたストーリーが素晴らしい。
チェルノブイリ原発事故、人身売買等最初から最後まで暗いトーンではあるが、事故後の人々の暮らしなどは取材を元に描かれており貴重に思う。
翻訳本にありがちな読みにくさはなく、苦手な人にもおすすめ。 -
ウクライナの原発の街で暮らし、チェルノブイリ原発事故以前の豊かな生活と事故後の悲惨な生活を、ツフリッヒ、ゾーン、デュッセルドルフという3つの箇所で同時に絶妙に展開し、どうなっていくのかワクワクしながら読むことができました!
チェルノブイリ原発事故直後に発せられた「すべてはコントロールされている」。どこかで聞いたことのあるようなフレーズですが… -
福島の原発事故をきっかけに執筆された作品。
チェルノブイリ原発事故で被害にあった女性の回顧シーン、誰も信じられないウクライナの社会・警察、チェルノブイルザの東欧女性の人身売買…
3つ4つの物語がバラバラに進むようでいて徐々に連関を持ち始め、気づいたら飛ぶように次頁を繰っていた。
ミステリといってもこういう、社会の暗部を背景にしたミステリもあるんだな。
非常に面白かった! -
何を読んで、買おうと思ったのか忘れた。
チェルノブイリ原発事故の後、ゾーンと呼ばれる立入制限区域で済む母親。
その娘は、留学と称し風俗斡旋組織に連れ去られてしまう。
二つの、趣が違う事件が展開されてゆくのだけれど、根っこにあるものは変わらない。
見えない驚異は時間を超えて多くの人を蝕む。
それはチェルノブイリに関する人だけではなく、もっともっと沢山の人を巻き込んでいる大きな流れがあるんだと分かった。
小説ではあるけれど、よく描かれ過ぎている。 -
チェルノブイリ原発の立入禁止区域に住む女性ヴァレンティナは、行方不明の娘を待ち続ける。戦争と原発の暗い記憶を描く人間ミステリー。ドイツ語圏の推理作家協会賞最終候補。