きみがくれたぼくの星空

  • 河出書房新社
3.55
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本棚登録 : 77
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309204611

感想・レビュー・書評

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  • 大量の本を処分した引越し時にも、とうとう捨てられなかった一冊。描かれている心の姿が美しすぎて。いつか原文で読んでみたいとも思う。

  • 冒頭に語られる老いた主人公目線のあらゆる物事のやるせなさは興味深かった。先生と呼ばれてきた権威やプライドのある主人公が、よく知らない人から”おじいちゃん”一括りに呼ばれることにイライラしていることとか。

    エレナの人間的な素晴らしさというものが主人公から語られていたが、そんなエレナからの最後の手紙が神(キリスト教圏)への信仰の勧めで辟易した。文化の違いは結構だが、愛というテーマで書かれている本書において、自身から湧き上がる愛が神に所以しているという帰結にどうしてもガッカリ感が拭えなかった。

    主人公があまり好きになれなかった。。。

  • これ、どこで見つけたんだったかな?誰かの書評集だったとは思うけど…。それはさておき、帯に寄せられた絶賛の声に負けることない、感動的な物語。本作でもそうだけど、やっぱり手紙って、鉄板のキラーアイテムですわな。『それ、反則』とも思うけど、しっかりした使い方さえされていれば、抵抗なく感動に身を委ねられる、というメリットは大きい。ここでも嫌味たらしさはなく、高揚感に貢献してくれてます。

  • 皮肉屋の老人の話かと思っていたら・・
    なんとも素敵な恋のお話で
    いいな~~

  • 老人介護施設に入所している皮肉屋な元物理学者のトンマーゾの目を通して描かれる物語。

    皮肉屋で頑固者のおじいさんが、介護施設の職員、同室の人々に対する心の中での悪態にちょっとドキリとさせられつつも、ある意味爽快。
    私事ながら、先日自分の母も介護付きマンションに入居したところだったので、冒頭はちょっと自戒させられた部分が多かったです。

    人間誰しもがいずれは年老いて身体も動かなくなるのだけど、皆が皆、好好爺になるかというと、やはり違うのだろうなと。
    でも個人的にはこのぐらいトンマーゾぐらいシニカルなモノの考え方をしている方が、反骨精神的なエネルギーを感じられて好感が持てます。

    中盤以降は、同じ介護施設に入居している70代の女性とのラブストーリー。いや、これをラブストーリーとか恋愛とか簡単に言い切ってしまえばいいのかどうか悩みますが、肉体が老いさらばえ思うように動けないからこそ、より精神的なつながりが濃くなるような気がしました。

    愛するものをすべて見送り終えた二人が短い期間でも寄り添うことが出来たのはやはり幸せだったのでしょうね。
    ラブストーリー部分よりも、老人の精神的な事、考え、人生の幕の引き方などをいろいろと考えさせられた一冊です。

  • 頑固な老人ペレツが老人入所施設で出会う人間を通して、恋をし、考え、人生を思い返す、
    彼が眠りにつくまでの物語。
    介護施設に入れられる側の感情、視点を知ることができ、また主人公ペレツがとても人間らしくて身近に感じられたので一気に読んでしまいました。
    人生、老いること、とても考えさせられる一冊です。

  • 老人ホームに入っている80歳の半身不随の男性の日記で話が始まる。
    作者は、心理学者で老人ホームを経営しているからなのか、ホームの様子が、老人から見た日々の生活が事細かに書かれている。今までの人生への思いや郷愁。後半は70台の女性との恋愛。そして死。
    究極の恋愛小説って書いてあるけれど評もあるけれど、簡単に括れる様な軽い小説でない。

    ああ、なんだか心が震える。
    人は皆年を取り、若かりし頃を想い、やがて死んでいく。
    すごくいい本だった。

  • 恋愛ものとしてよりも、年をとるということへの、多くの示唆に富んだ話として、興味深く読んだ。

  • 子供を幼くして亡くし、妻に先立たれ天涯孤独になってしまった老物理学者のトンマーゾは、脳梗塞で半身不随になり今や老人ホームで天井の節穴を見つめる日々。
    皮肉屋で人嫌いの彼は自由の利かなくなった体を自嘲したり、周囲の老人や介護者、見舞い客に心の中で悪態を付いたりして心を閉ざしてしまう。
    そんな中、心臓の病を抱える知的な老女エレナに出会い、徐々に惹かれあうようになり、かつては自殺まで考えたトンマーゾは生きていく意欲をエレナに見出す。
    終盤にあるトンマーゾからエレナに宛てた手紙には思わずウルウルと。いやぁ通勤中じゃなくて良かった(笑)

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