- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309029641
感想・レビュー・書評
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父の再婚相手の連れ子の「弟」は、ブラジャーが好きだった。
「普通じゃない」家庭で育ってきた主人公。
それゆえ人よりも物事を深く考えられるところはあるのに、いろいろな人がいるという多様性を理解していて大人ぶっているのに、それでも男の子のこととか理解できていないことが多くて、心が幼くて、自分なりの正義を胸に、むきだしの感情のままに突き進んでいく。
良くも悪くも高校生らしかった。
あれ、これで終わるの?と思うような読後感だった。もっと深く読んでみたかったな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
父親が再婚して出来た弟は、ブラジャーが好きな男の子だった。
ある時、ちぐさは弟の晴彦がブラジャーをつけている所を見てしまう。
これだけ聞くとLGBTの話なのかな〜と思うけど、そうではなくブラジャーのデザインとかレース使いに魅せられた思春期男子と、それにとまどいながらも理解したいと歩みよる姉のお話。
晴彦が自分が好きな物にとても正直で、その姿がカッコ良かった
多様性っていう風潮がある時代とはいえ、実際に自分の弟がブラジャーつけてたらちょっと衝撃かな、、(^_^;)
でも大切な存在なら、やっぱりその気持ちを尊重してあげたいし大切にしてあげたいとは思う。
ちょっとちぐさの強引さには引いてしまうとこが多々あったけど、ぶつかり合いながらも分かり合っていく2人が良かった。
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すごく良かった。
みんなの“好き”が自由であってほしいなって思う。
周りからみたら奇妙な受け入れ難い“好き”もあるけれど、
人にはそれぞれ、胸ふくらます“好き”があって、
それは夢や安心をくれたり、
傍からみたらコブとか重荷に見えても、
それを支える肩紐付けて、
堂々と胸を張っていれたらなって。
好きなものは好きっていうその姿が、
素敵なら「素敵」と言えたらいいし、
多様性に柔軟でなきゃ!とか、
理解して受け入れなきゃ!とかじゃなくて、
よくわからないならわからないで、
別に無理することなく、
ただ、その人の“好き”が好きのまま、そこに在れたらいいなって。
世界はそんな世界になってほしい。
そんな風に思いました。-
refrain∮さん、こんにちは。はじめまして。
すてきなレビューですね!
すぐに読みたいに登録してしまいました。
近くの図書館に...refrain∮さん、こんにちは。はじめまして。
すてきなレビューですね!
すぐに読みたいに登録してしまいました。
近くの図書館に置いてあるのをカーリルで確認したので、折りを見て借りに行こうと思っています。
ひとりひとりの「好き」が尊重され、大切にされる世界になってほしいし、していきたいですね。
突然のコメント失礼しました。
2021/09/27 -
5552さん、はじめまして。
コメントありがとうございます!嬉しいです♪
なんだか最近、“多様性”〜的なことが多くて、「受け入れなきゃ」と...5552さん、はじめまして。
コメントありがとうございます!嬉しいです♪
なんだか最近、“多様性”〜的なことが多くて、「受け入れなきゃ」とか「理解を示さなきゃ」みたいなあり方に何かしらの違和感があったのかもしれません。
この作品を読んで、すーっと気持ちが落ち着いて、より自然で心地よい世界が開けた気持ちがしました。
読みやすくとても素敵な作品なので、
気になってくれた方には是非読んでみてほしいです♪2021/09/28
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タイトルからは想像できなかった、素敵な本。
父親の再婚で、母親と弟ができた高校一年のちぐさ。
弟がブラジャーをつけているところを見てしまう。
表紙の絵が弟をよく表していると思う。
中性的で神経質で、ブラジャーをつけることやブラジャーその物を好きでいるところ、まだ中学生なのにどこか達観している雰囲気。
苦手なタイプかもしれないと思いつつ読み進めていたら、予想を裏切る一冊となった。
LGBTや多様性の話ではなく、つぎはぎ姉弟と家族の話。
そこがまたよかった。
主人公は姉だけど、弟の本。
両親の離婚を自分の罪と感じ、償うように生きている。
父親の姿を自分に投影させる母親を刺激しないように。
大人びたような言動はここからくるのだろう。
姉弟が最後にお互い言いたいことをぶつけ、
弟は父親に言いたいことをぶつけるのが清々しい。
友達の話をしない弟を陰キャラ扱いする姉に言った弟のセリフが印象的だった。
「べつに、見せてることがすべてじゃないだろ。見えてるものが、すべてでもない......」(183P) -
親の再婚で兄弟になった少年が、ブラジャーに美を見出すブラジャー男子だった。
LGBTという訳ではなく、単純にブラジャーを美しいと思い身に付けたいと思っている少年と姉の物語です。
主人公と付き合っている彼氏が、ブラジャーを付けている彼女の弟に危惧を抱くのはとても自然だけれども、そこを否定されてしまうのは男として少々辛いかも。
そこまでブラジャーの事ばかり書いている訳ではないし、題名から感じるコミカルさはさほどありません。多様性を取り込んだ小説という事も言えますがそこまで切実でもないです。
意外と普通の小説だったりします。 -
「理解あるように振る舞うのが良い人の必須条件なんだよ。タヨウセイってやつを大事にできないやつは良い人失格なの」
女性はブラジャーをつけて、男性がつけるものではない。確かにこれって誰が決めた当たり前なの?
人は当たり前がちょっとズレてる人がいると〝おかしい人〟とレッテルを貼ってしまい距離を置く
誰にも流されず好きなものを大事にする優しくて強い晴彦と、ちぐさがお互いを尊重し大事にしていける関係になっていくところが素敵でした
私がちぐさだったらやっぱり戸惑ってしまうし周りに隠したくなるかもしれないけど、
晴彦がタヨウセイについて優しく教えてくれた気がします -
自分の気持ちを殺してしまいがちな人に、自分の好きを諦めてしまいそうな人に読んでほしい本だと思った。
自分の主張をはっきり言うと、ぶつかって、傷ついて、辛い結末になることもあるかもしれない。それでもぶつかり合うことが必要なときがたくさんある。
主人公の高校生ちぐさや、ちぐさの義弟で中学生の晴彦を初め、いろんな登場人物のまっすぐな主張が心にささる。
お前だよ、お前。黙って気を遣って何も言わないで一人で傷ついて擦り切れかけてるお前に言ってんだよ、と言われたような気がした。
ブラザース・ブラジャーというタイトルと、義弟がブラジャーをつけているのに出くわして、ってあらすじを読むと、今よく取り上げられるLGBT系の話かな?と思われそうだけど、作中で晴彦がそんなんじゃないと否定しているように、そういう話じゃない。意識としては根幹で関係していると思うけど、なんていうかちょっと違う。
晴彦にとっての「ブラジャー」は私たちの中でいくらでも他のものに置き換えられる。私たちの「好きなもの」に。他人に否定されてしまいがちな「好き」を、自分を、自分で否定しなくていい。
この本は、ちぐさと晴彦が自分の全部を震わせてそう伝えてくれていると私は感じた。
大人はもちろん、ティーンや大学生にも読んでほしいと思えた。読みやすい文体で、すーっと一気に読めてしまうので。
装丁もとても綺麗。あとブラジャーの描写が素晴らしくて、ブラジャーって、いいな。と思えた。
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著書を読むのは「ペーパー・リリイ」に続いて二作目。
前作に続いて本作も大満足!!
もうね、佐原さんの言葉がいちいち刺さる。
親の再婚で出来た義理の弟・晴彦がブラジャーを着けていた。頭に浮かぶ「LGBT 」の言葉。
義弟の晴彦や年上の彼氏、クラスメイト。
会話に違和感や嫌悪感を感じても、上手く取り繕ってごまかしてその場をやり過ごす「よき理解者」の私。
その場限りの関係ならそれでいいかもしれない。
でも、そうじゃないなら小さなささくれが積もり積もって…。って、私にも身に覚えがある。
作中では、結果としてそれがスッキリ。
自分の正直な思いをぶつけ合えるってすごく健やかで羨ましくなりました。
『好きな気持ちを大事にして生きていく』
自分も自分の大切な人もそうやって生きていけたらいいなぁ♪