クロス

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 123
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309028774

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は色々な物を壊していた。
    女装に目覚める前も、マナになってからも。
    不倫相手も、マナとして主人公を愛してくれているように見えるタケオも、振る舞いが自然に残酷だった。
    これからどうなっていくんだろう。

  • 異才の文藝賞作家・山下紘加が放つ、異性装者のアイデンティティと愛を巡る物語『クロス』。 - ニュース | Rooftop
    https://rooftop.cc/news/2020/04/17063000.php

    クロス :山下 紘加|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309028774/

  • 若くして結婚した主人公は、「男っぽい関係」に所属することで「男である自分」を確かめていた。
    そんな彼に青天の霹靂をもたらしたのは、不倫相手。生活にも性にもだらしない彼女が、酔った勢いで彼に化粧を施した。
    新たに、「かわいい」という評価軸が彼に与えられる。
    主人公は女装に依存していき、やがて"本当の自分"を理解してくれると思えるような男と出会う。
    そうして今度は、男から下される評価に依存するようになる。
    自分が何者であるのか。迷子になった彼が選んだ道は、たとえ妻との関係が冷え込もうと、男に手酷く捨てられようと、女装を止めないことだった・・・。
    彼はまとう。服を、自分を。

  • 空虚な小説だと思った。
    登場人物全員勝ち組で、キレイだけど中身が空っぽのキャラクターばかりだった。
    そんな中でも主人公の「女装」という趣味だけが実存なんだと思った。

    自分は女装子に対して未だに「気持ち悪い」と感じてしまう所がある。ポリティカルな部分では差別しないように気をつけているが、個人的にはやっぱり「キモい」と感じてしまう。

    この小説だと、主人公が社会面でも容姿面でも恵まれているところが更に嫌悪感を掻き立てた。

    なので後半、社会的に落ちぶれていくシーンは「いい気味だ!」と思いながら読んでたが、個人的にはもっと落ちぶれて欲しかった。

    妻から離婚され、会社はクビになり、実家からも縁を切られる…、みたいにどんどん破滅していく姿を期待しながら読んでいたんですけど、流石にそこまでいく展開にならかったのが残念だ。

    この小説は松浦理恵子のようなフェミニズム小説なのかな?と思った。(…といいつつ松浦理恵子を読んだ事がない私。)
    仮にフェミニズム小説であるとしたら、全然埒外の自分が読んでも、そこそこ楽しめた。
    という事は、面白い小説なのかもしれない。

  • 女装趣味の妻帯者が、女装している自分を好きだという男と不倫して、あまつさえ嫁に女装バレを自分からしていき……。
    男でも女でもない、本当の自分を愛してもらいたいという欲望は、止められない。

  • ちょっとしたおふざけがキッカケで女装に目覚めた男。妻帯者でありながら割り切れる相手と浮気もし、女装の姿では男と本気の恋をする。自分の性は女なのか男なのか?女装はやめられない。
    そして妻は、変身中の男を見て、、、、、。
    男は何を望み、どこへむかうのか?

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著者プロフィール

1994年、東京都生まれ。2015年、『ドール』で第52回文藝賞を受賞しデビュー。著書に『クロス』『エラー』などがある。

「2022年 『あくてえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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