- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309028347
感想・レビュー・書評
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飛行機事故で亡くなったのは記憶のスミにあったが、存命だったら今年92歳になられるということにビックリ!
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今も愛され続ける脚本家、向田邦子。このひとがどんな本を読んでいたのか、その本棚の中身を紹介するという本です。気になりませんか?数多くのエッセイや紹介本から、なんとなく、こんなものを読んでいらしたのかなって、想像はしますが、実際はどうだったのか。
全部の蔵書が紹介されていたのではなく、大きなジャンル分けとともに、数冊ずつ載っている感じなのが、恨みが残りますが…それでも読書傾向から、人となりや人生が透けてみえます。意外だったのは、焼き物や自然科学の本になると、大変専門的なものが多かったこと。きっと他の分野でも、学術書を手にすることも多かったのかもしれません。
小説
日本の古典
ノンフィクション
各種の辞典・事典
詩集
美術書・陶磁器について
食にまつわる本・家庭のあれこれ
旅先についての本
猫や動物・博物学
全体を俯瞰すると、同年代の、私の母が読んでいたものが、結構たくさんあって、あの頃の読書家の女性たちが愛した本は、向田さんもしっかり押さえていらしたことも感じます。また、古い本でも、現在も再版されている本が多く、時間が経っても古びない、良い本をお読みだった事がわかります。
そして、この本の白眉はなんと言っても、料理や食物についてのジャンル。『向田邦子が選んだ食いしん坊に贈る100冊の本』というリストの再現が掲載されていること。一番彼女をよく表しているのではないかしら。どの本も洒脱で、本当に文章の巧い、人間的にも魅力ある人の本ばかり。まさに『大人の本』がぎっしりです。食事のシーンが未だに素晴らしいと人口に膾炙するのは、こんなところから来ているのかもしれません。
しち難しい感じではなく、向田さんがコーヒーやお酒を手に、愛猫を構いながら、夢中で読んだふうなのが、また良くて。この本は、お机で真剣に読んだのね、この本はソファでかな?いや寝る前のベッドの中かも、なんて想像が、本たちの写真を見てると、こちらに見えてくるのが楽しいですよ。私事ですが、自分の読んだ本、持ってる本が入っていると、嬉しくて「あ。」と声が出てしまう。そんな感じでした。
ただ…。すごく悲しいのが、やはり、古いご本で蔵書が構成されていて、タイトルを覚えてたり、読んだことがあるものも多いだけに、「この方の時計は止まってしまったんだ。」という実感がずしりと胸に来ました。ご存命だったら、あれもこれも読まれただろうに。楽しいけど、せつなさもぐっと来る、そんな一冊。
この中から皆さんも、是非愛読書を探して欲しいです。 -
向田邦子さん(1929-1981)は生前、本棚の本のすべてを人に見せないで、こっそり奥の部屋に隠していたそうで、お気に入りの本だと2冊、時には3冊4冊と購入し、面白いからと人に強引に貸し出し「読みなさい」と薦めたため、本当に好きな本が手許に残らなかったという。 本書は向田さんが遺した蔵書をめぐって、彼女お気に入りだった小説、辞典、骨董、アート、グルメ、旅、猫などの写真付解説を愉しみながら、単行本未収録エッセイ、対談をとおして、生誕90年の向田邦子さんの世界を探訪できる、好事家にとっては渇望の企画編集本。
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向田邦子さんの本棚紹介。
様々な本をきれいに並べて紹介されていた。
対談あり、あとがきや挨拶状あり、楽しく読みました。
本当に素敵な方だったんだなぁ。
オールカラーで眺めているだけでも楽しめる一冊でした。 -
感性とか発する言葉、脚本、、、今は居ないなぁ。つまんない世の中だなー。この時代をどんな風に見つめるのかな。
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小学校の頃から彼女のファンだった。
どの番組に出演していたのか覚えていないが、テレビで見たのを覚えている。必ずしもフェミニンな感じがする訳ではないが、昔からあの手の女性には弱い。
帯にあった生誕90周年とあるのに驚く!自分の中で20歳もサバを読んで認識していた。
そんな彼女の残した本が意外に硬いものばかりなのに驚く。今度実践女子大学の記念館に行って観ましょうかね。
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もはやおじさんとなり果てたのでそんな質問をされる機会もなくなったけれど、
かつて「好きな有名人のタイプは?」と聞かれると「向田邦子さん」と答えていたくらい、好きな女性である。
エッセイで接する向田さんは本当に素敵な人だ。そしてこの本のカバー写真がまた素敵なのだ。
全集未収録の文章が載っているのがうれしい。
本書で紹介されている本で、とりあえず『酒呑みのまよい箸』『蝶ネクタイとオムレツ』『味覚極楽』を購入してしまった。たぶんこれからもっと買ってしまうだろう。散在甚だしい。が、
向田さんが私に勧めてくれた本、
と思うと楽しみが増えてそれもうれしい。 -
向田邦子が遺した膨大な蔵書から、脚本、エッセイ・小説の糧となった本、自身が選んだ「食いしん坊に贈る100冊の本」、
アート、旅や猫の本など、貴重な本の数々を撮り下ろしカラー写真で紹介する。
ほかに本をめぐるエッセイ、単行本未収録エッセイ・対談など多数収録。 -
途中男女への価値観などに古さや相容れなさを感じたが、物語が直接話法では視聴者に受け入れられないであるとか、シャム猫の話であるとか、そういうところは読んでいて少しほっとする 彼女が読んできた料理本や旅行本などを垣間見れる
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河出書房新社
向田邦子 の本棚
「乱読で読みたいものを手当たり次第に読む」の言葉通り、同時代小説、社会派ノンフィクション、古典や大作家の全集まで 幅広い。多種多様なエッセイや日常に潜んだ人間ドラマは、幅広い読書に裏付けられたものだと思う
乱読家の本棚が一番参考になる。読みたい本が一気に増えた。まずは、向田邦子が 惚れ込んだ 野呂邦暢 (のろくにのぶ)作品から。
向田邦子の辞典好きに驚く。辞典は調べるものであって、好きとか嫌いとか考えたこともない。明治事物起源事典、隠語小辞典、江戸市井人物事典、大正人物逸話辞典は、確かに そそられるタイトルだと思う
今まで 食のエッセイを好んで読んだことはないが、向田邦子が選んだ 食の本100冊は、単なる食レポではなさそう。向田邦子は、食という日常の中に どういうドラマを想像したのか興味を持つ
読んでみたいのは
*ロートレック「美食三昧」
*邱永漢「象牙の箸」
*池波正太郎「食卓の情景」
*開高健「孔雀の舌」
*水上勉「土を喰ふ日々」
*ラッセルベイカー「ママと星条旗とアップルパイ」
*浅野陽「酒呑みのまよい箸」