- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309026442
感想・レビュー・書評
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著者の最新刊『バブル』に書かれた編集者時代の思い出が面白かったので、これも読んでみた。
幻冬舎の看板編集者であった著者は、2009年に退社後、大学で編集や出版について教える講義を持つ。
本書は、その講義内容をベースにまとめた編集講座である……と思うでしょ?
タイトルや、「数々のベストセラーを放ってきた伝説的編集者が、編集者をやめたから見えてきた出版の仕組みと本当のすがたを、グルグルしながら教えます」という帯のコピーを見れば、誰もがそう思う。
私もそう思ったからこそ買って読んだのだが、なんと、肝心の講義内容についてはほとんど書かれていなかった。
途中にこんな一節がある。
《Oさん(引用者注:本書の版元の社長)と講義本を作る話をさせてもらっていたが、じっさい自分の書いたものは、「編集講義」そのものではなく、それをやっているあいだの自分の心の記録、になっている。こんなんでよかろうかと思いつつ、いまの自分からはこれしか出てこないし、机に向かうとこれを書いてしまう。》139ページ
「こんなんでよかろうか」って、よくねーよ(笑)。
私同様、〝伝説の編集者による編集講義〟が読みたくて買う人が大半だろうし、思いっきり肩透かしだから。
著者が夏休みにロシアを旅した話が、一章を割いて書かれていたりする。これではただのぬるいエッセイだ。
ほかにも、何を食べたとか、後輩の誰それちゃんに会ったとか、どーでもいい日常雑記がたくさん出てくる。
ただし、本書のごく一部に、編集者の仕事の内幕と幻冬舎時代のエピソードが書かれており、そこだけはとても面白い。全編をそんな内容にすればよかったのに。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本ができあがるまでの話が書かれているから読んでる時点ですでにぐるぐるしていて面白い。途中の夏休みの話だけ突然普通のエッセイになるので若干混乱した。講義内容をむしろもっと知りたかったけれど、筆者的にそっちを書きたいわけではなかったのだろう。鈴木成一さんがやら出版社の社長やらがしれっと出てきたのも驚いた。
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