ドレス

著者 :
  • 河出書房新社
3.16
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本棚登録 : 257
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026244

感想・レビュー・書評

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  • 肉色のパーカーとドローンの療養所『テキサス、オクラホマ』
    男が小さく一つになる妊娠『マイ・ハート・イズ・ユアーズ』
    真夏ちゃんと個展『真夏の一日』
    臼井さんと突然思い出す皮膚炎犬『愛犬』
    屋上階段と子供携帯『息子』
    妻のアクセサリー『ドレス』
    カネコフとゲイの隣人『私はさみしかった』
    レンジフードからの声『静かな夜』

  • 不思議な話の短編集
    今までの心地悪い系の話よりもっとここじゃない世界の設定画面なのかな?理解できない話がいくつかあった。

    読み手の力量も好きな怖さ度合いも違うからこの手の話ってとても難しいのだろうな。前に読んだ本のほうがわたしの好みだった。

    生殖を描いた2編目はとても好み。
    世界が違えば男女の関係も違うんだろうなと思えた。男性社会への抵抗も感じられてスカッとする感じもある。
    ただ、妊娠の方法が岩井俊二のウォーレンの人魚に似ていたのは気になった。

  • 少し不思議な短編集でした。

    テキサス、オクラハマと表題のドレスが好きでした。

  • 不思議で、ちょっと怖いような、不気味なような、短編集
    「愛犬」あの柴犬はなんだったのか、読み終えてからしばらく考える
    白く生活感の無い部屋から、緊張感が減り色も増えた部屋になったら庭が広くなり小型犬もいて、皮膚疾患のある柴犬と狭い庭の存在は消えた
    でも確かに、今もうすいさんの中にあの柴犬は存在している。人間全てに、見えないだけで隠されている汚さ、隠したいけれど、そういったものに安心感を感じるのも事実。

    「静かな夜」後半で文章の一人称がちか子から「おれ」にすらっと変わるのが新鮮だった

  • 表題作がめちゃくちゃおもしろかった。わたしもドレスさんになりたい。己を持って主張して生きたい。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 全八話の短編集。よくわからない話がいくつかあった。難解という訳ではない不可思議な世界観、面白かった話もあったので⭐️三つ。

  • 読み進めていってなんの話かがやっとわかってくる。ドローンが支配する世界、異世界人の出産、紫外線の恐怖、皮膚疾患の犬、本当にいたのかわからない息子、アクセサリーの概念が不思議な世界、痴漢とさみしさ、レンジフードからの声。読み終わって、そういうことか〜そういう世界か〜となるのはおもしろい。私には想像もできない世界観がすごい。

  • 爪と目の作家と知って腑に落ちました。常識が歪んでいくちょっと気持ち悪い感じ、うんうん、こんな感じの読み心地だったね〜と懐かしく思い出したけど、爪と目より大分読みやすかったのは人称が二人称じゃなかったからかしら??

    短編集でそれぞれ完全に独立した話なのですが、それぞれ読み進めていくと、「どうもこの物語世界は、こっちの世界の法則が一部通用しない世界線らしいぞ」と薄々勘付くに至ります。

    わずか数語・数行でその説明がなされた時の気持ちよさと、物語世界の法則のキミ悪さの塩梅が絶妙。


    ◉テキサス、オクラホマ
    生肉色のパーカーと、ドローン達の保養所。

    ◉マイ・ハート・イズ・ユアーズ
    はかなげな夫とたくましい妻の生涯一度の子作り。

    ◉真夏の一日
    ギャラリー、ほくろ、変化した私。

    ◉愛犬
    隣人の家にかつて住んでいたはずの犬の痕跡は跡形もなく消え去っていた。

    ◉息子
    非常階段の南京錠がかかった扉の向こう側にいる息子。

    ◉ドレス(表題作)
    ドレスという名のそのブランドでは、奇妙なアクセサリーを扱っていた。どう見ても珍妙にしか見えない指輪を愛用する恋人に違和感を覚える恋人は、やがて街中の女性達の間でドレス製作のアクセサリが流行っていることに気付き…

    ◉私はさみしかった
    毎日痴漢の被害にあうという友人を痴漢し、私だけに挨拶をしないゲイに挨拶させるべく笑顔で詰め寄る私の孤独。

    ◉静かな夜
    「家の中に誰かいる」そう怯える姪を寝かしつけた私は、気付いてしまった。確かにレンジフードの中から誰かの声が聞こえるのだ。

  • 不思議なお話淡々と書かれていた印象。
    読み終わった時に、んんん?と感じる面白い作品でした。

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著者プロフィール

藤野可織(ふじの・かおり)
1980年京都府生まれ。2006年「いやしい鳥」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2013年「爪と目」で芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』でフラウ文芸大賞を受賞。著書に『ファイナルガール』『ドレス』『ピエタとトランジ』『私は幽霊を見ない』など。

「2022年 『青木きららのちょっとした冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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