スペース金融道

著者 :
  • 河出書房新社
3.77
  • (20)
  • (57)
  • (32)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 337
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024936

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 難しい...本格SFなので理系な話が難しくて理解できない。でもコメディ部分は面白かった。
    主役ふたりの掛け合いがいい。
    主人公の左腕が義手なのはもしかしたら新井素子さんの『星へ行く船』シリーズのオマージュなのかななんて思った。
    あれもSF コメディだし...
    この作品もシリーズ化されないかな。


  • 初めて太陽系外移民に成功した地球から17光年の二番街で、新星金融社員のぼくは激烈上司ユーセフとタッグし、散々な目に遭いながら徹底的に債務者を追跡し債権回収する痛快SF短編集

    あちこちに散りばめられたSFならではの構造物や、面白いプログラミング、実は優秀な研究員だったユーセフの金融知識、萌えポイントの多い良作品です

  • 面白かった。
    宇宙とかアンドロイドとかいっぱい出てくる近未来の世界なのに、やってることは闇金の取り立て。
    なんとも言えない上司ユーセフに振り回されてばかりいる主人公。そのコンビが巻き込まれていく世界がおもしろい。で、金さえ回収すればあっさり忘れるところもいい。
    カジノが出てくるスペース蜃気楼が面白かった。

  • 主人公は上司のせいでひどい目に合ってばかりだけど、読んでて共感が持てる。
    ただ、自分に科学、生物学、SF、金融関係の知識が乏しいために、だいぶ斜め読み。。
    これを100%理解できて楽しめる人はすごいな

    挙げるなら「スペース珊瑚礁」が好き

  • 帯には本格SFコメディ❤️みたいに書かれてるけど、
    個人的には、結構硬派なタッチでコメディというよりか知的SFエンターテイメントみたいな感じで楽しめた。
    世の中にはいわゆるハードSFがあるとは思うんだけど、
    それに比べてしまえば確かに探偵物語的なコメディと言えるかもしれないけど、面白い。数日で楽しく読めます。
    タイトルが損してるかもなあ…とか思う。
    金融ブレードランナーとかね。私は読んだ事ないけど、
    多分作者がナニワ金融道とか何かその路線のリプレゼントしてる感じは端々から感じた。多分。

  • 1話目を読んだ感想は薄いというかあっさり。でも2話目3話目と読み重ねるうちに主人公たちキャラクターに愛着が湧いてきた。各話の結末も小気味よい。

  • 太陽系外の惑星を舞台に冷血な金貸しのユーセフとその部下の”ぼく”のコンビによる借金取り立ての様子をスラップスティックに描いた金融スペースオペラコメディ短編集。
    単なるドタバタ劇に見えて、ブレラン的なアンドロイドの意識の問題みたいにSF的な大ネタも扱えば、一方で排外主義やタックスヘイブンといった世相を反映したような話もあって、なかなか懐が深い。
    量子金融工学(複数の宇宙に投資する多宇宙ポートフォリオとか)やアンドロイド新三原則(①人格はスタンドアロンでなくてはいけない②経験主義を重視しなくてないけない③グローバルな外部ネットワークにアクセスしてはいけない)等SF的なアイデアの効かせ方も上手い。

    人格転写して債務逃れをしようとするアンドロイドの行方を追ううちに、量子金融工学が引き起こした10年前の金融破綻の真相に行き着く表題作、
    不平等な貿易関税システムの是正を求めて蜂起したサーバー上の人工生命を追い詰める「スペース地獄篇」、
    ひょんなことからカジノに閉じ込められることになった結果、新通貨を発行することになる「スペース蜃気楼」、
    タックスヘイブンを舞台に体内のナノマシンに体を乗っ取られた結果、多額の債務を背負ってしまった”ぼく”がテロ事件に巻き込まれる「スペース珊瑚礁」、
    極右政党の党首になった”ぼく”がマスコミに追われながら、アンドロイドのシリアルキラーを探すため、アンドロイド間を繋ぐクラウドに潜入する「スペース決算期」等5編を収録。

  • 筆者にしてはユーモアタップリのSF。SF世界での金貸しを描いており、アンドロイド、人口生命体やガイアまでもが金を借りている。それを取り立てるのが主人公とその上司であるユーセフ。ただ一筋縄ではいかない。人口生命体になって取り立てたり殺人鬼に襲われたりとトラブルには事欠かない。
    オチはシュールで何となく火浦功を思い出した。

  • 大好きなSF物。ドSの上司と有能なのかただのドジなのかわからない主人公のやりとりが面白かった。続きが読みたいけどなんだかなさそうだなあ。。。

  • 初の太陽系外惑星(通称二番街)に移住した人類。その星で、アンドロイドから人工生命や知能植物カスミアオイにまで資金を融通するサラ金の回収担当の僕と非情の上司のユーセフ。上司からの理不尽な要求の連発に耐える社員は、遥か未来でも変わらない。いかなる手段をもってしても、貸金を回収する金融屋も同様だ。アンドロイドに対する人種差別問題などもあり、社会性も含んでいる。
    しっかりとしたSFと、(それらしく作られた)量子金融理論などが出てきて面白く読んだ。

全48件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年生まれ。小説家。著書に『盤上の夜』『ヨハネルブルグの天使たち』など多数。

「2020年 『最初のテロリスト カラコーゾフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮内悠介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×