クロニクル・アラウンド・ザ・クロック

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 88
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024332

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに日付を跨いで読み耽った。伝説的バンドのボーカルの死から始まる事件。才能あるが学校に馴染めない少女がメンバー達やミュージシャンらと謎に迫る。こんなシチュエーション楽しすぎ。語りが上手いなあ。音楽疎くても大丈夫。

  • 色々と話題になった「ヒッキーヒッキーシェイク」を読もうと思いつつも、青春、音楽、ミステリと僕が読むべき要素満載のこっちの本を。
    音楽の描写もミステリ要素も面白かったけど、自分が青春小説を読む年代ではなくなってきたな…と思い至る。
    もっと早くに出会うべきだった作品。

  • どうにもニッチは無駄死にという気がしてならない。絶対音感=音楽的才能に優れているという訳ではないのか。むらさきさんはくれないに父親について嘘は吐いていなかったのね。でもどうしてギターでなくピアノの英才教育を受けさせたんだろう。ミステリとしてはざわざわするが、恋愛小説としては後味爽やか。アニメ化でもいけそう。少女の語りは巧み。元少女小説作家としての面目躍如。津原さんの少女小説作家時代の作品は読んだことないんだけど。今も手に入るのかな?

  • 爛漫のニッチの死から始まる、くれないとニッチの兄鋭夫が、ニッチの死の疑問を紐解いていく物語。多少簡単につながりすぎている感がなくもないけど、話のスピード感からはよいのかも。

    元々は文庫書き下ろしだった3部作が1冊にまとまっており、こちらを読んでよかった。

  • 文庫を持ってるのに装丁がよかったのでつい買ってしまった。
    爛漫の音楽を知っているような気がしてくる。なぜか文庫を読んだ時よりくれないさんの成長を感じた。

  • 先に新潮文庫から刊行された、『爛漫たる爛漫』『廻旋する夏空』『読み解かれるD』をまとめて単行本化したもの。
    作者曰く「音楽小説であり青春小説であり推理小説」(※単行本版あとがきより)。

    ■好きなところ

    ・主人公・向田くれないと新渡戸鋭夫の、息の合った漫才のようなやり取りが痛快。個性的なキャラクター同士の掛け合いは、津原作品の醍醐味だと思う。
    ・くれないにとって鋭夫は遠い存在になっていくのかな…と思いきや、最後の4行で号泣。
    ・「読み解かれるD」の最後に、くれないが和気泉の言葉を口走る場面。何の必然性もないのだが、不思議と鮮やかで、最も主人公に感情移入した。
    ・作者が津原やすみ名義で書いていた少女小説「あたしのエイリアン」からの引用。「Preludio」に「なんてカラフル。」という一文を発見した時は、色めき立った。赤羽根菊子と岡村五月が逞しすぎる成長を遂げていて笑ってしまった(千晶はどうしてるんだろう…)。「あたしのエイリアン」ファンは必読。
    ・作風の広さや題材に、毎回毎回驚かされる。これからも新作を楽しみにしています。

    ■いまいちなところ

    ・津原作品の女性主人公は、さばさばしていて芯が強いキャラクターが多い。くれないも同系統で、あまり新鮮味はない。
    ・くれないは17歳で、登校拒否して友人がいない設定。17歳というには、大人びている気もする。自分では暗い性格でコミュニケーションが苦手と思っているが、実際は前向きで、初対面の相手でも臆せず喋る辺り、羨ましいくらいだ。17歳の時の自分を投影するには、「リア充」な主人公。

    ■制作の裏側

    ・いつもはいきなり一行目から書き始める作者が、「小説でロックを表現する」ために、音楽のレコーディングの過程を模して、詳細な設計図を組み立てた上で執筆したとのこと。設計図の作成には、アウトラインプロセッサという文書作成ソフトが使用されている。
    ・「最新作が最高傑作」という自らのポリシーを貫いた作品(※読み解かれるD 文庫版あとがきより)。かっこいい。

  • 久しぶりに、いい音楽が聴きたくなりました。

  • 文庫先行、1と2は読んだけどあとがきの記憶しかない。
    単行本に文庫あとがきも収録。

  • 2016 1.22 多摩蘭坂

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著者プロフィール

1964年広島市生まれ。青山学院大学卒業。“津原やすみ”名義での活動を経て、97年“津原泰水”名義で『妖都』を発表。著書に『蘆屋家の崩壊』『ブラバン』『バレエ・メカニック』『11』(Twitter文学賞)他多数。

「2023年 『五色の舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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