少年アヤちゃん焦心日記

著者 :
  • 河出書房新社
3.84
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本棚登録 : 262
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309023076

感想・レビュー・書評

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  • 大した覚悟もなしに読んだせいで読後の脱力感がすさまじい。魂をもってかれそうになる。文章がどんどん浄化されて具体的な地名や出来事がなくなって最後にはまるで聖書みたいになっていた。なんだこれは。

  • 寂しい、苦しい、死にたい、愛されたい!はぁ...っとため息、もうそれが白いことに気が付き何故か涙が伝う。ねぇ、この白さを何と例える?同じ答えの君と、私は孤独を分かち合いたい。
    少年アヤちゃんがあまりにもタクヤタクヤと日記に連呼するので、何処のタクヤやねん!と、思っていたら超特急というグループ名だと判明。判明したところでアイドルに疎くわからない。韓流?と、これはもう調べるしかない!タクヤは実在の人物なのか!と...
    超特急もタクヤもしっかり実在していた。しかも純日本人だった。ももいろクローバーの弟分という情報までちゃんと仕入れた。(なんの為に)
    タクヤのカラーは緑らしい。いいんじゃない、私青汁飲んでるし抹茶は好きだし緑は最高だよ。
    と、散々愛情に満ちて書き殴られてるタクヤについて私が予備知識を植え付けた直後から、少年アヤちゃんはユースケというメンバーに乗り換えユースケユースケと連呼し続けた。次はユースケ情報が必要か...って思ったらその後も少年アヤちゃんは様々な韓流アイドルの名前を叫び続け...もうキリがないからええわ!(笑)
    私も来年から日記を書くつもりでいる。とはいえ、ここまでの濃いものは絶対に書けない。本として出版されると分かっていながら、こんなにも赤裸々に己の脳内、妄想、下世話な内容まで晒してしまえるとは、この人は色んな意味で凄すぎる。私がこれを書いたならば、死ぬ前の身辺整理の際に、否、出版される前に必ず跡形もなく燃やす。
    少年アヤさんは自分の恥を晒して笑える強い人だ。その反面、とても繊細で弱い人なのだとも私は思う。私はそういう人が好きだ。
    死にたいほどどんなに苦しい時期が来ても、じっと待って諦めないで。いつか深い雪は溶け、そこから花が顔を覗かせる。必ず春は来るのだ。その花は、諦めなかった貴方自身。その美しさに気付き、愛し、抱きしめられる人間でいたいと私は思う。

  • 「おかま」の自称という自傷をやめて、<私>というものを獲得するために闘い、傷つき、地面を這いながらも生きていく。
    アヤちゃんの文章は、精神と身体との関係が緊張していて、それでいて互いを補い合い、時に互いを喰ってかからんとしているように感じます。

  • 完全なる表紙買い。表紙可愛い。

    検索してみたら実在するブロガーさん。すごい表現力で、読みながらその能力が羨ましくなってしまいました。

    笑わせてもらったり、衝撃を受けたり色々経験出来た日記でした。

  • 所謂、毒親のもとに育ち、自尊心や自我が育たず、いつの間にか歪んでしまった家族たちとの関係と、自分自身に対する想い。
    辛い現実から逃げるためか、それとも退治するためか、自虐的に過ごす日々。

    そんな、悲しければ悲しいほどに、内心、強く生きたいと思えるようなひと時。
    そんな、絶望の中で見つけた些細な光の強さ。

    わたし自身が同じような経験をしてきたこともあり、どちらかといえば共感に近い気持ちで読みました。
    彼自身のツイッターなどを見ればわかるのですが、最終的に親からかけられた強力な呪いを克服しています。

    文体は淡々と、しかし鮮明に、どこか儚げで、美しく世界を映し出していてとても読みやすいです。
    完全なる日記、エッセイではありますが、絵本などを書いたところを見てみたいなと思うくらい。

    両親のいいなりになってきた人間の、琴線に触れる本でした。

  • なんという「読ませる」日記か 言葉の選び方や視点の移り変わりが詩的で私的、すごいです 特にアイドルを信仰するヲタクをされてた頃の文章、刺さって刺さって仕方なかった

  • 2016年2月11日読了。

  • 久々に、面白いと思うブログ日記本に出会った。
    書いてあることもそうだけど、
    私は文体(どのように書くか)により惹かれる。
    おかまと自分をレッテル付けすることで
    ある程度の方向を定めたつもりが
    自分の中の気持ちを抑え込めずに
    迷いもがき気付き受け入れていく。
    内容のとんでもなさと、どこか客観的で距離感のよい軽い文体。
    好きになった相手に向けるパワーの凄さに
    ぐいぐい引き込まれて読み進めてしまった。
    最初の暴走が徐々に私小説的な方向へ流れていく感じもイイ。
    べたついた重さを感じずに、
    誰にもあるかもしれない自分の中のもやもやした部分、
    隠していてもいい部分を見せている。
    これはやっぱり女性には書けない文体だと思う。
    面白い、と一言で言っていいのかアレですが
    すごく面白いです。

  • 2015/9/20 読了

  • 前半は前作と同じように笑える内容。後半はこっちまで移ってしまうような鬱さ。一言で言えば”痛い”。でもそこがいい。

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著者プロフィール

1989年生まれ。エッセイスト。著書に『尼のような子』(祥伝社)『焦心日記』(河出書房新社)『果てしのない世界め』(平凡社)『ぼくは本当にいるのさ』(河出書房新社)『なまものを生きる』(双葉社)『ぼくの宝ばこ』(講談社)『ぼくをくるむ人生から、にげないでみた1年の記録』(双葉社)がある。

「2022年 『うまのこと(飛ぶ教室の本)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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