- Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
- / ISBN・EAN: 9784306045835
作品紹介・あらすじ
ヨーロッパ南西端に位置し、アフリカ大陸とも至近なスペイン・アンダルシア地方。ヨーロッパのなかで、イスラーム文化の影響を最も強く残すこの地域は、多様な地勢を誇ることでも知られる。低地と高地、都市と田園-歴史の潮流の十字路と称された小さな街々の特異な空間文化を説くフィールドワークの集大成。
感想・レビュー・書評
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☆アンダルシアの都市において、都市・住宅空間を実測・図化したもので、スペインでもあまり例をみないもの。
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スペインの南部アンダルシア地方では、その立地と歴史を背景とした、「イスラム文化が混淆した興味深い建築や都市空間」に多く出会える。その特異で魅力的な数多くの街の中から「天空の街アルコス」と「風情あふれる白い街カサレス」を長年にわたってフィールドワークし、「さまざまな民族による支配を受け、歴史が重層するアンダルシアの街や住居の形態が、いかに構築され、変容し、現在に至るのか」を解明するのが本書だ。
けれども、そんなアカデミックな目的とは別に、本書には人間にとって住居とは何か、といったシンプルだが奥の深い問題に対する多くの示唆が散らばっており、興味深く読み進めるうちに、建築や街並み、そして都市というものを見る目が変わっていくのを実感できる。
もしスペインを旅することがあれば、ガイドブックではなく本書を持って街を歩いてみたい。 -
膨大で貴重な調査報告のまとめ。素人にもとてもよく分かるリポートです。
一口にアンダルシアといっても地形や歴史によって街や家の造りが違う事がよくわかる。
レコンキスタ以降、アラブ人の築いた農法をないがしろにした低地アンダルシアでは街が衰退したという。