日本現代怪異事典

著者 :
  • 笠間書院
4.09
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本棚登録 : 803
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305708595

作品紹介・あらすじ

戦前のこっくりさんにはじまり、
トイレの花子さん、口裂け女、ベートーベンの怪などの学校の怪談、
そして2000年前後にインターネット上で登場する怪異たちまで、
主に戦後(昭和20・1945年)の日本を舞台に語られた
一千種類以上の現代怪異を紹介する、怪異ファン必携の1冊!

感想・レビュー・書評

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  • 主に戦後(1945年以降)の日本を舞台として語られた怪異がまとめられています。
    こっくりさん、口裂け女、カシマさん、トイレの花子さん、ヒキコさん、などなど・・・。
    出所は民話、伝承だけではなく、週刊誌などゴシップ誌、口コミ、インターネットなど多岐に渡りますが、それを網羅しているのがすごい。
    また、巻末には「類似怪異」「出没場所」「使用凶器」「都道府県別」でも検索できるようになっており、データベースとしての価値がとんでもないことになっています。
    読み物としての価値だけではなく、10年20年後にも価値のある資料となることでしょう。

  • どこかで聞いた怪談のてんこ盛り。ということで目新しさはあまりない。
    それにしても、どのページを開いてもババアが出てくるのが面白い。やはりババアは妖怪なのだ。

  • 古今東西の戦後からの怪談話、都市伝説を書いている事典です。
    とても丁寧に書かれていてよく調べられてます。

    トイレの花子さんに口裂け女に八尺様など懐かしいなー。
    70年代の流行った(?)時期に生まれていないのでリアルタイムで知ったわけではないけれど口裂け女が怖かったです。

    あとアニメの花子さんの影響でトンカラトンとさっちゃんのうたが怖かったなぁ。

  • 70年代子どもだった私の懐かしいオカルトネタと2000年以降の主なネットの都市伝説が満載。アレなんだっけ?っていうのがほとんど調べられる。

    ソースなんかもちゃんと書いてくれてて、今後、伝説や伝承とか調べる人たちの役に立つと思う。
    すぐ見られるところに置いておいて、ちょっとしたスキマ時間にパラパラ読んでる。新しい発見もたくさんある。

  • 戦後(1945年以降)日本を舞台として語られた怪異や超常現象、呪い、占い、それらにまつわるさまざまなモノについて1000項目以上を集め、それらの怪異、怪談がどこに書かれていたのかを示しながら解説をした事典んあtっている。ふだんは公務員をされている著者が地味に怪談の収集を続け、もともと同人誌即売会で売られていたものを出版したそうです。気になった項目を読んでいるだけでもとても面白い本ですし、その記事に書かれた書名を巻末に入っている参考文献一覧からたどっていくと、それがもう十分に読書案内になるように思う。
    (『中高生のための本の読み方』大橋崇行著 p.117怪談の作り方、楽しみ方 より)

  • 第79回アワヒニビブリオバトル「24時間耐久ビブリオバトル@オンライン」第31ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
    2021.09.19

  • 戦後から執筆当時までの間に「実際に起こったこととして」伝わっている怪異について網羅した本。
    50音索引のほか、出現場所、凶器、怪異の種類での逆引きもできる。
    「怪異」とあるが、お話しとして怖がらせることが目的ではないので、単なる創作や有名なお話は載らない。しかし、元が創作であってものちに人々が本当のこととして語り継がれているものは掲載している。
    つまり、現代における民話を集積し、記録したものになっている。

    内容は、自分が小学生の時に夢中になって読んだ「学校の怪談」や大人になってからハマった「洒落怖」の話もあって、それが第三者的に解説しているのも面白く感じた。
    また、話を掲載するだけではなく、同類の話の紹介や共通点、その話の初出などが載せられており、そういった点は民俗学的視点を感じた。(とはいえ著者はやはり怖いものやオカルトが好きという気持ちが高じてひとかどの人物になったんだろうなあ)

    ○定番の、かつて人/家族を殺した人がのちに子をもうけ、突然「おまえにころされた」/「今度は殺さないでね」と告発するお話は昔からあるようだ。
    考察の紹介があり、昔は父と子の話から現代は母と子の話も出てきており、「かつて家長としての男性の立場と子に対する今日の女性の立場のありようが殺人者の性別の変容をもたらしたと考えられる」。
    骨格が同じ話であってもそれが語られる時代や社会背景によって話の細部が変遷し、そこから当時の価値観を知ることができる。そういう視点をもって「怪談」を読むことは大人になってからも非常に興味深く面白いと思う。

    ○異界につながる電話番号系の怪異。
     111:線路試験受付の番号で音声信号が流れるためか。
     114:現在は電話の故障受付だが昔は電話機接続の作業に使われていた。
    →時代の変化によって語られる番号が変わっていった可能性も考えられると考察されている。

    ○心霊写真を撮れる仕組みはもう知れてしまったという現実的な解説もちゃんと載せられている。しかし、体が欠損していると良くないなどどのように捉えられていたかは紹介されている。なんと明治時代から心霊写真はあったらしい。当時は「幽霊写真」と言われていた。

    ○昔、幽霊は誰にでも目視可能な存在だった。戦後の心霊主義の影響で「霊感」という概念ができ、幽霊を見ることができるのは霊感のある人に限られるという考えが新しくうまれた。 
    これは知らなかったし、未知なるもの、人知を超えた存在への関わり方や対象そのものの変遷にも合わさっているようでとても興味深い。

    ○「走るバァさん」真っ赤な歯を見せて笑いながらバイクを追いかける老婆の怪異。 真っ赤な歯は歯が抜けて歯茎だけがみえたのだろうか、と考えた。自分で考察するのも面白い。

    ○一声呼び 人の名前やおーいの掛け声が1回だけなのは人ならざる者なので返事をしてはいけない。
    これは三津田信三作品で知ったけど、ここでちゃんと解説されていて感慨深い。

    ○骨こぶり 墓を荒らして骨をしゃぶる少年の怪異。もともとある地方でホネコブリは葬式に加勢しに行く意味で使う言葉らしい。また、山口山口県など火葬の骨を噛む風習があったため、<墓場を荒らして遺骨を噛む怪談>に変化したのかもしれないと考察されている。ここでは飯島吉晴「子供の民俗学」を参考にしている。

    ○マグロの幽霊 市場で売られていたマグロが見た人間のもとに現れて追いかける。 こういう食用にしか見られないといっても過言ではない魚も怪異になるのだと驚いた怪異。

    ○かくれんぼにまつわる怪異 隠れている間にごみ収集車に乗せられ死んでしまったという話。 冷蔵庫で遊んでいた子供が閉じ込められて窒息死した事故が当時は実際にあり、こういったことが怪談に影響を与えたのではないかと考察されている。これはまさに怪談から当時の暮らしや社会が知れる例といえる。
    焼却炉の怪談も同様のものがある。小学生のことは当たり前の光景だったけど、今考えると信じられないとまで思ってしまう。

    ○山姥の解説の中で、最後に「ヤマンバギャル」についても触れられていて、現代でもヤマンバという存在が我々にとって身近な存在なのだろうと結ばれているのがほっこりとしつつも目から鱗というか灯台下暗しというか、ハッとさせられた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/704007

  • 日本の怪異を集めた本
    地域差や年代差もあるのによくここまで集めたと思う

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著者プロフィール

監修:朝里樹
怪異妖怪愛好家・作家。1990 年、北海道に生まれる。2014 年、法政大学文学部卒業。日本文学専攻。現在公務員として働く傍ら、在野で怪異・妖怪の収集・研究を行う。著書に『日本現代怪異事典』(笠間書院)、『日本のおかしな現代妖怪図鑑』(幻冬舎)、『日本現代怪異事典 副読本』(笠間書院)、『歴史人物怪異談事典』(幻冬舎)、『世界現代怪異事典』(笠間書院)、『つい、見たくなる怪異な世界』(三笠書房)、『山の怪異大事典』(宝島社)、『日本怪異妖怪事典 北海道』(笠間書院)、『21 世紀日本怪異ガイド100』(星海社)、『玉藻前アンソロジー 殺之巻』(文学通信)、「放課後ゆ~れい部の事件ファイル」シリーズ(集英社)、『続・日本現代怪異事典』(笠間書院)ほか。

「2023年 『日本怪異妖怪事典 九州・沖縄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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