飛び立つ君の背を見上げる (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 185
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299045980

作品紹介・あらすじ

累計170万部突破の「響け! ユーフォニアム」シリーズ最新作、ついに文庫化! 北宇治高校三年、中川夏紀。私は今日、吹奏楽部を引退した――。傘木希美、鎧塚みぞれ、そして吉川優子。四人で過ごした、最高にいとおしくて、最高に誇らしかったあの日々――。「響け! ユーフォニアム」シリーズの人気キャラ・中川夏紀の視点で、 傘木希美、鎧塚みぞれ、そして吉川優子を見た物語。 エモさ全開の青春エンターテインメント。 待望の文庫化です。単行本の初回特典だった、希美視点の「記憶のイルミネーション」も収録。※本書は2021年2月に刊行した単行本 『飛び立つ君の背を見上げる』を文庫化したものです。

感想・レビュー・書評

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  • 夏紀の視点での、卒業間近の物語。本編ではわからなかった夏紀の人となりが、瑞々しく描かれてる。矛盾や葛藤、悩みや考えが等身大で、人と接することでのリアルな想いが伝わってくる。シーンの描写もキレイで、息づかいが感じられて、さわやかな映画を観てるみたい。

  • 女子高生のアオハル。
    それぞれに長所と短所もあって、チグハグに見えるのに上手く補い合って、絶妙な四重奏を紡ぐ4人が素敵でした。

    言葉にしなくても感じること、コツコツと積み上げてきた信頼関係が、多感な時期だけでなく大人になるまで続いて、いつまでも尊い思い出の伴奏者だったなと回想出来たら素敵なことだと感じます。

  • 「夏紀はさ、優子となら空を飛べるタイプやな」
    飛び立つ君はいったい誰なんだろうね。

    夏紀は思ったよりも私に似ていて、でも私ではなかった。
    アニメ1期で私はこのひとのことがとても好きだと思って、実際それは間違ってはいないのだけれど、解説で書いてらした心が万華鏡であるかのように、人への印象も見方が変わればこうも変わるか、と。

    青春もの読んでもそこまで苦しくならなくなったのも大きいかもしれないけどね。
    あんな濃密な時間過ごして、なにも残らないなんてことは絶対にないよ。

    吉川優子さんいい女すぎるな。

  • 映画への導入も兼ねて。ハードカバー発売から2年半、文庫になるのを待ってました。夏紀の代の関係性や、大量退部のときの当事者たちの心情が理解できた。そんな時代のことを知ると、久美子1年生のときの各メンバーの思いがより胸に刺さる。吹部引退後の夏紀の代が、バンドやったりカラオケ行ったりしていて(普通の女子高生していて)微笑ましい。コンクールが終わったら物語から退場じゃなくてこの後の人生も続いていくんだろうなと思えて安心しました。ハードカバー版の表紙イラストで夏紀一人だったのに対して、文庫版では優子との背中合わせのツーショットになっていてエモい。

  • アニメ1期2期・劇場版(2作)と小説(次回劇場版と3期)を読破しての最新作の本書(短編とアニメ分もほゞ読了)なので、夏紀の視点からの火薬庫南中の4人組物語がある事で解像度があがり、作中のシーンの背景が見えてきて嬉しい
    作家さんがニヤニヤ作る裏設定を作品にしたようなもので、料理で言えば「賄い」だろうけど、美味しいことは間違いないから
    リズと青い鳥で嫌いになった希美については、改めてのぞみに嫉妬する部分が書かれているので自分の感覚が正解だったと再確認する(絶対に感情移入できない)

    一年生大量退部事件は考えるほど空しくなる(´・ω・`)

  • 響けユーフォニアムのアニメで一番好きな人は中川夏紀先輩です。
    そんな先輩が主人公のこの作品は、夏紀の心情が丁寧に描かれていて、もっと好きになりました。

  • 夏紀先輩の後悔がしっかり書かれていた。止めなかったのではなく、背中を押してしまったことへの後悔。
    アニメと比較してみんなよく喋る、みぞれはそのまま。
    卒業していくことへの感慨、部活への複雑な思い、夏紀はよく考えている、自分もこれぐらい考えていた?

  • 黄前久美子の一つ上のユーフォパートの先輩、中川夏紀が主人公の作品。彼女にも一年の時があって、様々な問題がかつてあって、それで二年生につながっていくんですね。響け!ユーフォニアムの奥行きが広がる作品でした。

  • 実は本編ではそんなにちゃんと内面が描かれて来なかった、南中組の心情がたっぷり描かれていて、その特殊な関係性も含めて、尊かった。ひねくれているとこも含めて愛しいし、共感できる。

  • 南中カルテットの卒業間際から卒業までのお話。
    こういうのが読みたかった。

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著者プロフィール

1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年に出版されデビュー。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がテレビアニメ化され話題に。同シリーズは映画化、コミカライズなどもされ人気を博している。2020年に『愛されなくても別に』が第37回織田作之助賞の候補に、また2001年には同作で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。その他の著作に、「君と漕ぐ」シリーズ、『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』『嘘つきなふたり』などがある。

「2023年 『愛されなくても別に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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