警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2023年5月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299042859
作品紹介・あらすじ
累計40万部突破の大人気〈ハラマキ〉シリーズ、最新刊! 警視庁捜査一課の原麻希が、極右組織のボス、椿聖一郎の捜査を続けるなか、脅迫を受けた左派の論客のフォロワー4人が殺害される事件が発生。被害者は悪徳なペット仲介業者であったことから、過激な動物愛護団体による犯行が疑われるが、麻希は独自に捜査を進め、真相に迫る……。ラストに大きなどんでん返しもあり、読み応えある内容です。
感想・レビュー・書評
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吉川英梨『警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム』宝島社文庫。
通算でシリーズ第13弾。警視庁捜査一課八係となってからは3作目。2年振りの刊行。
前作からの続き。大日本皇桜会により、原麻希が率いる警視庁捜査一課八係は壊滅状態、麻希の家族にも危険が迫り、息子一家は海外に移住する。そんな中、発生した新たな事件。
余り起伏の無い展開に、退屈さを感じる作品だったが、ラストに驚愕。原麻希の恐さを知る。
警視庁捜査一課の原麻希は、極右暴力集団である大日本皇桜会の粛清部門のトップ、椿聖一郎の捜査を続けるうちにSNSで脅迫を受けた左派の論客のフォロワー4人が異様な手段で殺害される。
被害者は悪徳なペット仲介業者であったことから、過激な動物愛護団体による犯行が疑われるが、麻希は独自に捜査を進め、真相に迫る。
そして、ついに掴んだ椿聖一郎の正体。
定価950円
★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2年ぶりの原麻希シリーズ。
前作で大切な仲間を襲撃され、さらなる襲撃を恐れながらも、椿聖一郎の捜査を一人で続ける麻希。
そんな中、動物殺傷機能を持つ車両が事故を起こし、その車内から家族3人の遺体が見つかる事件が起きる。
その3人はブリーダー会社を営む左派と思われ、左派の広告塔となっていた元アナウンサーの脅迫事件との関連性が疑われたが、事故を起こした車を運転していた男が自殺したことにより、椿との繋がりを確信する麻希。
動物に対する虐待問題など、今までのシリーズより社会派な印象が強い。
本編の他に描かれる「私」の物語と、麻希の一人娘・菜月のパート。
この2つの要素がミスリードを誘う。
今までのような残虐なシーンも少なく、麻希の突拍子もない行動も控えめだが、コツコツと捜査を進め、椿の正体に迫っていく様子は読みごたえあり。
そして、今回はいわゆる頭脳戦。
麻希、椿。どちらが真実を握っているのか。
最後まで息を飲む展開で、とても良かった。
昨今、女性刑事を主人公にした作品がだいぶ増えたが、やはり原麻希シリーズこそ、女性刑事ものの原点と思わせる内容だった。 -
怒涛のハラマキシリーズ。
今回は、因縁の敵・椿 聖一郎との戦い。
過去の出来事にあった『グリーン・ファントム』の正体とは?
バラバラになった仲間たちの行く末は?
左派の論客のSNSに、活動を停止しなければ、SNSのフォロワーを殺す、との脅迫が届く。
しかし、50万人以上のフォロワーをどう守るのか?
そして、フォロワー3人の全裸遺体が発見される。
しかし、事件は思いもよらない方向へ。
麻希の新たな相棒・相原ワンタロー(笑)の身に危険が迫る。果たして、麻希はどう戦うのか? -
原麻希刑事、菜月、則夫さん皆んなが成長というか、年を重ねている。
最後には物語がひとつになった。
面白かった -
ハラマキシリーズはもう打ち止めした方が良いと思っていた自分を反省した。久々の会心作に時間を忘れて読み耽ってしまった。事件が大掛かり過ぎて設定が荒唐無稽過ぎる作品が続いていたが、本作は心理戦中心の重厚作で読み応え十分で、かつどんでん返し度も十分で本格ミステリーとして通用する。ただ登場人物や事件背景はシリーズものなので初見では何の話かわからないのも確か。シリーズ愛読者には是非読んでほしい作品。
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黒幕が仕掛けたシリーズ最大の”罠”
どうするハラマキ!?
トラックから発見された一家3人の全裸死体。
事件の背後に浮かび上がる「愛犬家」の正体とは――!?
左派の論客のSNSに、「活動を停止しなければフォロワーを殺す」という脅迫が届く。
相談を受けた警視庁捜査一課の原麻希は、よくあるSNSのいたずらと受け流すが、
実際にフォロワー3人が全裸遺体で発見される事件が発生する。
事件を追う麻希だったが、捜査は思いも寄らない方向へと進み、
麻希の新たな相棒・相原寛太郎の身にも危険が迫る――。 -
2023/07/29 68読了
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吉川さんの「十三階」シリーズが好きなので、こちらも購入。これは「原麻希シリーズ」でやはり警察もの。今回のお話もなかなか面白かった。私は猫派だが、犬好きな人には辛い描写もあるかも。
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後半の心理作戦は現実感覚に欠ける!