鎌倉うずまき案内所 (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
4.10
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本棚登録 : 7229
感想 : 475
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299014900

作品紹介・あらすじ

『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞を受賞し、『お探し物は図書室まで』で本屋大賞にノミネートされた人気作家・青山美智子氏の最新文庫です。主婦向け雑誌の編集部で働く早坂瞬は、取材で訪れた鎌倉で、ふしぎな案内所「鎌倉うずまき案内所」に迷いこんでしまう。そこには双子のおじいさんとなぜかアンモナイトがいて……。YouTuberを目指す息子を改心させたい母親。結婚に悩む女性司書。クラスで孤立したくない中学生。気づけば40歳を過ぎてしまった売れない劇団の脚本家。ひっそりと暮らす古書店の店主。平成の始まりから終わりまでの30年を舞台に、6人の悩める人々を通して語られる、心がほぐれる6つのやさしい物語。最後まで読むと、必ず最初に戻りたくなります。

感想・レビュー・書評

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  • なかなか楽しかった
    前にも書いたかもしれませんが
    青山さんの本は【気づき】がテーマな話が多く

    短編が数珠繋ぎにつながるのが多い

    今回は各短編の主人公+時代背景が変わる

    他の作品では、各短編の主人公が変わるが、登場人物達がそれぞれ何かしら繋がってて…最初の主人公に話しが戻って簡潔など

    話の構成が凄い

    話を書く前に 登場人物の相関図などを完成させてから話を書いてるのかな?
    といった感じ

    普通に話を書くだけでも
    知識だったり、矛盾がないか確認するだけでも大変そうなのに…

    青山さんの作品で1つの話を書いた長編とかあるのかなぁ?…

    あるなら是非読んでみたい。

    ※だから話関係ないけど 結局俺が何を言いたいかって言うと…
    【出かける際に本を忘れた時って…トイレを済ました時にトイレットペーパーが無いことに気づいた時と同じ気持ちになるよね…】って事!!

  • 面白かった~

    最初は短編 と思って油断していたら、連作でどんどんつながる。。
    しかも過去に遡っていくので、あれ?どうだったかな??となるけれど、そこは最後にきちんとフォローされている。
    この構成も素晴らしい。。
    星3つ?4つ?と読み進めていたけれど、読み終わった今 間違いなく星5つ。。。

    もう一度 じっくりと読み返したいと思いました。。
    みんなにおすすめ。。。。

  • 人が抱える悩みは「はぐれましたか?」で当てはまる。時代を遡りながら悩みを解決していく、というかすでに自分で答えを見つけている。それを気づかせてくれるうずまき案内所とても心が穏やかになりました

  • 「はぐれましたか?」

    道に迷った主人公の目の前に突然あらわれる【鎌倉うずまき案内所】。その看板の矢印に従い 古い時計店の地下室に進んで行くとそこには双子のおじいさんがいて、「はぐれましたか?」と尋ねてくる。

    「はぐれる…というか迷って…。」
    -そうか、わたしは今 はぐれているのかもしれない。仕事から、友達から、学校から、恋愛から。
    道を尋ねるつもりが 何故か自分の抱えている悩みを打ち明けてしまい…。

    6章からなる短編集。

    みなさん、悩んでることありますか?
    どうにも不安から抜け出せなくて、考えがぐるぐるぐるぐるしてますか?


    『つむじの巻』の綾子(51)の悩みは 高校生の息子が大学進学をせずにユーチューバーになりたいと言うもの。うちの息子は昔「将来は日本中のパン屋を食べ歩くニートになりたい」と言っていた笑 最近は全く違った2つの進路で悩んでる様子だったけれど、こないだの三者面談でハッキリと意思が決まったようだ。ニートでは無かったので一安心ε-(´∀`*)ホッ笑

    1番好きだったのは『ト音記号の巻』
    中学生のいちかと乃木くんの関係がとっっっても可愛すぎ♡♡ イケてる女子の友達に嫌われてハブかれないように合わせて過ごす自分がしんどいいちか。火曜日と金曜日の早朝の理科室で、大人しめの乃木くんと「UFOを探す時間」が もー 可愛いっ! ”困ったときのうずまきキャンディ”は舐める人によって味の感じ方が違うんだけれど、いちかが「レモンみたいに甘酸っぱい」と感じたのがね。だろうねーーと思ってしまった(*ˊᵕˋ*)

    平成を6年ごとに遡っていく各章。
    うずまきのように巡り巡る時代の中で 出会う人達。
    乃木くんの大人になった姿や ユーチューバーになりたい真吾のその後なんかも出てきて楽しい。最後の章でわかる黒祖ロイドの正体にビックリ。

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    内巻 「困ったときのうずまきキャンディ。実はそんなに特別なものじゃない。誰もが心の中に持っている…。」

    外巻 「しかし、人はそれをついつい忘れてしまいがちだ。」
    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


    はぁ、‎( -ࡇ-)…
    わたしの目の前にも案内所の看板 出てこないだろうか。 アンモナイト所長のお告げと”困ったときのうずまきキャンディ”が欲しい。

    アンモナイト所長のお告げと、覗き込んだ甕に映るラッキーアイテム、そしてキャンディの起こす小さな奇跡。そこから主人公たちが一歩踏み出す姿が素敵です⟡.·

    • ゆーき本さん
      ミセス 何 歌うんだろうー(*p'∀'q)ワクワク
      昔の歌か、最近の歌か。どっちでも嬉しい♡
      Adoと一緒に 私は最強 歌ったらすごいなぁ....
      ミセス 何 歌うんだろうー(*p'∀'q)ワクワク
      昔の歌か、最近の歌か。どっちでも嬉しい♡
      Adoと一緒に 私は最強 歌ったらすごいなぁ.•♬

      なんと!シンさんって呼ばれてるんですね!
      勝手にshintakさんを略してました笑
      わたしの「本」の部分も要りませんよー笑
      2023/12/19
    • ゆーき本さん
      いっきゅーさーん!逃げないでーーーー!!
      なかまなかまーーー( ᐕ)人( ᐙ )
      いっきゅーさーん!逃げないでーーーー!!
      なかまなかまーーー( ᐕ)人( ᐙ )
      2023/12/19
    • 1Q84O1さん
      ( ̄ー ̄)ニヤリ
      ( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/12/19
  • 自分探しの、大人の絵本のような、コージー小説ですね。
    「鎌倉うずまき案内所」がパラドックスになっているので、SFの様相があります。
    2019年から六年毎に遡る短篇連作になっています。
    それぞれの蟠りを抱える六人の物語が、交差しながら物語は逆行します。
    蟠りを解消する不思議な空間が「鎌倉うずまき案内所」ですね。悩み人が思考しながら歩いていると異空間に誘われて、地下に有る「鎌倉うずまき案内所」に導かれます。
    ユーモアたっぷりに、自分の気付いていない内面の苦悩を吐露して、案内人の導きで、何故かアンモナイトが答えのヒントを見いだします(喋らないのですが)。そのやり取りもファンタジーなやり取りで、面白いです。
    最後の1989年「ソフトクリームの巻」で、すべてが繋がりをみせるのですが、「鎌倉うずまき案内所」に降りる螺旋階段のように、巻き戻して読みたくなります。
    青山さんお得意の自分探しの物語が、かなり工夫を凝らした仕掛けで綴られています。
    『はぐれた人びとを導く 6つのうずまき。やさしい奇跡の物語』の帯に偽りはありません。
    心奮わせる、感動の物語ですね。

  • 何かに悩み、はぐれた人びと。
    「気づくこと」で強くなる。

    6つの短編だけど、読み進めていくと、時代が遡っていき、同じ名前の人が出てきて、繋がっていました。
    本の最後には年表が分かりやすく載っています。
    読み終えてから、もう一度最初に戻りたくなります。

    「鎌倉うずまき案内所」の双子のおじいさんとアンモナイト。悩みを打ち明けると外巻さんと内巻さんが、「ナイスうずまき!」と言います。とてもシュールです。最後まで謎に包まれていて、とても不思議な気持ちのまま読み終えました。

    温かくて優しい気持ちになれる物語でした。
    読めて良かったです。

  • 現在から過去へと遡っていく中で、次々と登場人物たちのつながりが判明してきます。
    最後についている年表を見て頭を整理した後に、再び最初から読むと、新たな発見が続々現れて、ニ度楽しめました!

  • 『ただいま神様当番』の神様もかわいかったけれど、内巻さんと外巻さんもまたよかったです。

    6年ずつ遡っていくというのも新鮮でした。青山さんの作品をいくつか読んだので、この人はさっきの人と同一人物ね、とつながりを見つけてニヤニヤしていました。でも最後の年表を見て、え!この人どこで出てた!?となり、また読み返して楽しみました。

  • 平成を遡行するストーリーに、自分自身が歩んだ道筋も振り返り、あぁ私は平成をまるごと生きたんだって、自信にも繋がる一冊だった。個人的にはプレリュードに憧れたのはもう少し前(昭和)でした。赤も素敵ですが、白が好みだな。
    あのとき、もしも違う選択をしていたらと、ふとよぎるもうひとりの自分、パラレルワールド。たったひとつのことを選んで現在の自分がいる。そのひとつひとつ、
    「一瞬一瞬を逃さず愛せよ」この言葉がとても沁みました。
    舞台は鎌倉。お隣にあるような或いは自分のような、身近な悩みを抱えた人たち。ある共通するアイテムを啓示され真意を探り出す。語りはとても優しいが含蓄のある連作と思いました。正直、連作の持ち味あまりわかってなかった。しかしこのお話は、人との繋がりが迷いを解消する糸口だと、そして努力し続ければ成就するのだと、そこを連作で読み取ることが出来良かった。
    外巻さん内巻さん、所長さんのキャラが面白い。
    人生ってまっすぐな道を歩いていくんじゃなくて、螺旋階段を昇っていくようなもの。お互いの曲線がそっと近づいたり重なったりするときに人は出会い、ぐるぐる回りながら同じ景色を見たりする。世界全体が螺旋なのかもしれない。その感覚は年々分かってきたような気がします。人との縁は大切だと。
    図書館の青山美智子さんのコーナーにいつもあり気になっていた本。いつか読んでね、いつか読みます、と。
    何かに導かれたように思いたって借りた。そして飛び込んできた「はぐれましたか?」の言葉。本の神様っているんかな、とほろっときました。

  • 「はぐれましたか?」
    双子のおじいさんが声をそろえて言う。ここは鎌倉うずまき案内所。
    不思議な路地に迷い込み、たどり着いて
    しまう。どうやら悩みを抱えた人だけを
    引き寄せるのか?
    ここの所長、まんまるい瞳でとても個性的。

    平成時代を遡りながら連なる、六つの話は少しずつ昔へと描かれているのがとても楽しい。
    登場人物も、その人物の成長まで描かれ間違いなく連作で、魅力的に描かれて
    いると思う。

    私は鎌倉に行ったことがない。
    本のなかでは、鶴岡八幡宮、荏柄天神、
    宝戒寺。そして、風水館。これは本の中では風水屋になっている。美味しそうな
    お蕎麦屋さんも載っていて、〝天ぷらそばがたべたいなァ〟と思ってしまう。

    この本でひとつ勉強した。
    それは、大正から昭和に変わった年だ。
    昭和元年は12月25日からだったらしい。なんと短い!昭和という時代は、
    初めも終わりもなんと短いのか・・・・
    若い方々は知識として知り得ているのだろうけど、昭和は64年1月7日までだった。懐かしい・・・・

    まさかとは思うが、平成天皇も鎌倉ヘ行き双子のおじいさんに会い、改元のヒントの相談をしていたのでは?と考えると
    何とも言えず最高だ。
    「ナイス!うずまき」と言われたり、帰りに「困った時のキャンディー」を貰ったり考えるだけで素敵だなぁ、と思ってしまう・・・・。

    2021、10、1
    読了



    • hanaさん
      感想読ませてもらいました。
      この本とても気になっていたので、ゆうママさんの感想が読めて嬉しいです!
      想像以上におもしろそうですね♫
      青山美智...
      感想読ませてもらいました。
      この本とても気になっていたので、ゆうママさんの感想が読めて嬉しいです!
      想像以上におもしろそうですね♫
      青山美智子さんは「木曜日にはココアを」を今図書館で予約中なので、順番が回って来たら次はこちらも読んでみます(^^)
      2021/10/02
    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん、読んだよ~ホンワカな内容でしたね。リアリティーがないのですがぶっ飛んだ設定。中途半端感がなく、さらに各章のリンクも面白かったで...
      ゆうママさん、読んだよ~ホンワカな内容でしたね。リアリティーがないのですがぶっ飛んだ設定。中途半端感がなく、さらに各章のリンクも面白かったです。鎌倉に住んでいたので懐かしく思いました。
      2021/10/26
    • アールグレイさん
      どんぐりさん♪
      夜遅くに失礼します!

      鎌倉うずまき・・・・お読みになったのですね★
      あの本はとても良かった!
      双子のお爺さん、まんまる目玉...
      どんぐりさん♪
      夜遅くに失礼します!

      鎌倉うずまき・・・・お読みになったのですね★
      あの本はとても良かった!
      双子のお爺さん、まんまる目玉の所長、帰りにもらうキャンディー。時代を遡ることも素敵でした。

      この度、改名しました。アールグレイです♪よろしく
      ヾ(^_^)
      2022/05/10
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著者プロフィール

1970年愛知県生まれ。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国し、上京。出版社で雑誌編集者を経て、執筆活動に入る。第28回「パレットノベル大賞」佳作を受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が、第1回「宮崎本大賞」を受賞する。『お探し物は図書室まで』で2021年「本屋大賞」2位に、『赤と青とエスキース』で2022年「本屋大賞」2位に選ばれる。他の著書に、『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』(U-ku氏との共著)『月の立つ林で』『リカバリー・カバヒコ』等がある。

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