わたしたちの親不孝介護 「親孝行の呪い」から自由になろう

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296203482

作品紹介・あらすじ

「介護は、親との距離を取るほうがうまくいく」「親孝行のつもりで介護をすると、親も自分もだんだんつらくなる」異色の介護本『親不孝介護』(川内潤、山中浩之)刊行から1年。じわじわ支持が広がる目から鱗の介護の考え方、その続編が登場!爆笑問題・太田光さん、「残酷な天使のテーゼ」の高橋洋子さんをはじめ様々な専門家が自らの「親不孝介護」を、あるいは「親孝行介護による失敗」をNPO法人となりのかいご代表、川内潤さんと明るく、深く、面白く、対談形式で語ります。「親孝行の呪い」から自由になって親も自分も幸せな人生を送りましょう。

感想・レビュー・書評

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  • 親を介護するほうは終わったので、次は子どもに介護される立場にうなる。子どもに多大な負荷がかからぬように、親不孝介護というものを考えてみるために読んでみよう

    #わたしたちの親不孝介護
    #川内潤
    23/11/23出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/46u7LUe

  • 親の介護が必要になる前に読んでおくといいと思う。適度に距離を置く事がお互いを救う。物理的な距離は介護を難しくするばかりではない。母と息子、母と娘の関係は確かに違うと思う。

  • いろんな事例が参考になる。自分でやらずにプロに任せる。早いうちに相談して選択肢を多く残す。当たり前だが、介護となるとできなくなるんだろうことを、明確に伝えてくれる良書。

  • 配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10276343

  • 何と言っても表題の妙、
    かなり斬新な題名…

    まずこの本の前作があっての
    本作とは知らずに読んだ。
    いずれも介護を体験した方の体験談を踏まえてのお話…爆笑問題の田中さんの介護の話は、
    彼の芸風や話術などからは結びつかない印象も
    あったが、その実、お母様の看取りについては、
    ある意味、理想的な形であったのかもしれない。
    私は両親の好きなもの、すぐに思いつくだろうか。

    印象に残ったのは、親を管理してはいけない、
    適度な距離を保つこと、
    着信拒否も厭わないこと。

    高橋洋子さんの回では、介護職への誇り、
    プロフェッショナリズムみたいなものを感じ、
    胸が熱くなった。
    世間一般の報道、介護職の大変さ、
    労働環境や条件が悪いことなど、
    マイナスなことばかりが、吹聴され、
    本来のやりがいや専門職としての仕事の評価の高さなどはあまり伝えてくれない。
    本当にもったいないと思う。
    イメージが先行し過ぎている。

    私も介護の入り口にたったばかり。
    前作も読んでみようと思う。
    親不孝介護を実践しつつ、両親の両親たるらしさに
    ついて深く考えたい。
    そんな風に思わせてくれた一冊、
    介護を子供たちの教育の一端に〜という話にも
    大賛成。

  • 介護は美談でもなければ治療でもなく、撤退戦なのだ。それがわかってグッと気持ちが楽になる。
    できないものはできない、ダメなものはダメ。
    なんでもやってあげるのがいいんじゃない。
    親孝行、という言葉に我を失うことなく、親不孝だけど、このぐらいはやれるでよ〜、という感じでこれからの撤退戦に臨んで行きたい。

  • 多くの人にとって実は身近な、介護で大事なことを知ることができる本です。
    誰しも、親の介護をしたり、自分が介護を受けたりする可能性はありますが、それを事前に想定し準備しておくことは少ないのでは。
    介護は大変と思いがちですが、実は、それは陥りがちな思い込みで動いてしまうことが原因のようです。
    実際の経験を元に、介護する側、介護サービスに携わる方の体験をもとにした、介護のあり方を教えてくれています。
    すでに介護に入っている方、今後入ることを考えると不安な方と、多くの方にとって、知っておくべきことがわかる1冊では。
    また、介護という社会課題の解決を、ビジネスとして考える場合にも知っておくべきことがある本だと思いました。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

    「価値観は、人から教えてもらってもなかなか受け入れられない。自分で気づいてもらうのが大事。対話を重ねていくしかない。厳しい時代を生きていると『頑張れば道は開ける』という信念になりがちだが、介護は『想定外の連続』。仕事の考え方で介護をしてはいけない。」
    「介護を受ける方に必要なのは『失敗』で、『これはできないな、無理だな』と気づいてもらう必要がある。そこを家族が先にフォローしてしまうと、本人の中で『大丈夫』となってしまう。」
    「本人の細かいこだわりから、生きてきた足跡が見えたりして、その人を知る手がかりがつかめて、一歩関係を進めることができる。親は子どもに何かしてあげたい。親という存在を肯定するためには、何を与えたいと思っているのかを感じ取って、『受け取る』ことも必要。」
    →相手の価値観を知り、相手の立場で考えてみる。本人に行動してもらう中で気づいてもらう。相手の想いから、あるべき姿を考える。これらは、顧客サービスやコンサルティングなど、介護以外でも重要なことで、多くのことに通じているのではと思いました。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・介護は自分や家の問題ではなく、社会の問題。個人の努力でなんとかなるほど甘いものではない。「まず自分で親の世話をやってみる」ところから、悪いスパイラルは始まる。公的支援につながるタイミングが早いほど、親も自分も負担が減り、公のコストも小さくできる。

    ○親が元気なうちに知っておくこと
    ・「介護は治療ではなく、撤退戦」という意識を持って、「堂々と公的支援を受ける」と腹を据え、親を担当する「地域包括支援センター」を探し、相談しておく。
    ・社会一般の規範としての「親の面倒を近くで見るのが親のため」という思い込み(「親不孝の呪い」)に配偶者もとらわれていると、親の直接介護を積極的に応援し、生活を犠牲にしがちだが、本当は、配偶者は客観的な目で、それを止めることを意識する必要がある。
    ・親や子供という役割の仮面をつけず、「本来の自分」として家族と付き合っておいたほうが、認知症になったときに、「昔からこういうところがあったな・・・」と思えて、家族との関係に落差がなくて済むかもしれない。
    ・介護はネガティブな先入観が強いが、その「本質」は、誰もが年を取り衰えていくという事実に正面から向かい合うことで見えてくる。できることが限られていく中で、親は、自分は、何をしたいか、何だけは続けたいと思うだろうと考える機会を与えてくれる。

    ○介護に入る前に知っておくこと
    ・「老いた親を見ればイラつくのは当たり前」と知っておく。お金や時間があっても、イライラしていては親という人そのものと向き合うことができない。見るのがつらければ、距離を取る。自分自身が心と身体の余裕がないと、親が望むこと、親にとってよいことが見えない。
    ・「親孝行」が「呪い」にもなることを意識する。近くにいることは「親不孝」の必要条件ではない。介護で自分の考えを通そうとすれば他人がよく思わないかもしれないが、何より大事なのは、親と、自分の幸せ。自分と親のやりたいようにやるのが一番で、家族の自然な姿。
    ・日々働く多忙な世代に、プッシュ型で介護の情報を届けられるのは企業セクターしかない。企業の人事・総務の方が、その立ち位置の重要さを改めて意識して、社員の介護支援をする必要がある。まずは「親の介護は自分でやるべきではない」というマインドセットから。
    ・介護が始まれば医療との関わりはほぼ必ず発生するが、基本的に老化は止められないので、介護と医療のベストアンサーが合致しないことは珍しくない。回復を目指すとみんなが苦しくなるという認識を家族が持っていることは大事。

    ○介護保険の申請前に意識しておくこと
    ・「代行」を活用して、仕事を休まずに介護保険を申請し、「認定調査」のときだけはできるだけ立ち会う。自分は親の介護の「経営者」だと自覚する。

    ○介護が始まる前に誓っておくこと
    ・「理想の生活態度」を親に押し付けず、完全、完璧を求めない。予想外の連続が介護。トラブルは起きるときは起きる、と大きく構える。
    ・人生の最後の納得感は、100点満点の模範解答の人生を生きたかではなく、どれだけやりたいことができたかにおそらくある。何が正解かは誰にもわからない。覚悟を決めて、どういう生き方がしたいかが決まれば、医療やケアはおのずと決まる。
    ・人を支える、親を大事にすることを自分の価値観だけで考えない。介護する家族側から見て「自分の言ったことをやってくれている人」を優秀だと評価しがちだが、それは本人がやってほしいことと違うかもしれない。
    ・頑張ったことは人としての見えない貯金になっていて、それに気づくかどうかで人生が変わってくる。頑張ってもうまくいくとは限らないから頑張らないと、最後は虚無感が残り、その自分と否応なく向き合うしかなくなる。

    ○親の施設入居を決める際に心得ておくこと
    ・介護の制度を完璧に理解する必要はない。ケアマネの知恵を借りる。探す際に最も重要なのは「時間」で、予算ではない。親への罪悪感から高い施設を選んではいけない。値段と予算は比例しない。
    ・福祉業界の人間が一番燃えるのは「人の役に立てた実感」を味わえることで、給与や福利厚生より大事。そのための勉強ができることや本人への成果のフィードバック、チーム意識といった要素が運営に重要とわかっている施設かどうかが、入居者にはハードより大事。

    ○親が施設に入ったら肝に命じておくこと
    ・介護サービスとホテルの“おもてなし”は違う。「つらければ会いに行かない」ほうが実は親にも優しい。「人はいずれ死ぬ」という事実から逃げない覚悟を持つ。

    ○「親の介護」を機会に考えてみること
    ・介護が苦しく感じたら「成果主義で考えていないか」と疑う。自分を支配している価値観はどこから来たのかを探る。自分なりの「自己覚知」にトライしてみる。
    ・価値観は、人から教えてもらってもなかなか受け入れられない。自分で気づいてもらうのが大事。対話を重ねていくしかない。厳しい時代を生きていると「頑張れば道は開ける」という信念になりがちだが、介護は「想定外の連続」。仕事の考え方で介護をしてはいけない。

    ○親と同居している場合に取るべき態度
    ・親と距離を取ることに「罪悪感」を持つ必要はない。親に「困ってもらう」ことを恐れてはならない。親と自分は別の「個人」だと認識する。
    ・「テレワークしながら介護」という発想は、いろいろな制約に追い込まれてたどり着く、自動思考的に出てくるもので、ロジックが存在しない。見守りは難しく、こちらがどうしても手を出しがち。自立支援の観点から考えると、かえってマイナスになる。
    ・介護を受ける方に必要なのは「失敗」で、「これはできないな、無理だな」と気づいてもらう必要がある。そこを家族が先にフォローしてしまうと、本人の中で「大丈夫」となってしまう。
    ・本人の細かいこだわりから、生きてきた足跡が見えたりして、その人を知る手がかりがつかめて、一歩関係を進めることができる。親は子どもに何かしてあげたい。親という存在を肯定するためには、何を与えたいと思っているのかを感じ取って、「受け取る」ことも必要。

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