経営12カ条 経営者として貫くべきこと

著者 :
  • 日経BP 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296114986

作品紹介・あらすじ

「これさえ守れば、会社や事業は必ずうまくいく」
実践のなかから生み出された要諦、「稲盛経営術」の真髄を語る。

経営者は何を思い、何を行うべきか。経営の第一線を歩き続けるなかで生み出され、稲盛氏自ら「経営の要諦」と位置づけている『経営12カ条』。本書では、その真髄をあますところなく語ります。

「世の複雑に見える現象も、それを動かしている原理原則を解き明かすことができれば、実際には単純明快です。こうした考えの下、『どうすれば会社経営がうまくいくのか』という経営の原理原則を、私自身の経験をもとにわかりやすくまとめたのが、『経営12カ条』です。

経営というと、複雑な要素が絡み合う難しいものと考えがちですが、理工系の出身だからでしょうか、私には、物事を本質に立ち返って考えていく習性があるようです。(中略)そして、物事の本質に目を向けていくなら、むしろ経営はシンプルなものであり、その原理原則さえ会得できれば、誰もが舵取りできるものだと思うのです」(まえがきより)

京セラのみならず、KDDIや日本航空などの大企業から、中小企業に至るまで、あらゆる業種、業態における数々の実践のなかで有効性が証明されてきた実証済みの要諦です。

経営12カ条
第1条 事業の目的・意義を明確にする
第2条 具体的な目標を立てる
第3条 強烈な願望を心に抱く
第4条 誰にも負けない努力をする
第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
第6条 値決めは経営
第7条 経営は強い意志で決まる
第8条 燃える闘魂
第9条 勇気をもって事に当たる
第10条 常に創造的な仕事をする
第11条 思いやりの心で誠実に
第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

さらに本書では、経営12カ条について、条ごとにポイントをまとめた「要点」と、関連する稲盛氏の発言を抜粋した「補講」も収録しています。要点は、経営12カ条を実践できているかどうかを確認するための「チェックリスト」として、補講は、さらに理解を深めるためにお役立ていただけます。

シリーズ150万部突破「稲盛経営3部作」ついに完結。
経営をするために不可欠な「会計」の原理原則を説いた『稲盛和夫の実学』
門外不出・独創的な管理会計手法を明らかにした『アメーバ経営』
そして、経営者として何を思い、何を行うべきかを説いた『経営12カ条』
本書の刊行で「稲盛経営3部作」がついに完結します。

感想・レビュー・書評

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  • 私が崇拝する経営者の今は亡き稲森和夫の本ですが、これまで何冊も稲盛和夫の経営哲学を書いた本の内容の繰り返し的な作品であるものの自分自身、会社員としての考え方のリマインドになる一冊でした!決して実現するのが難しい内容の話ではないので、これからも稲盛哲学を私も少なからず実践し続けていこうと改めて感じる作品でした!

  • 【星:4.5】
    誰もが優秀な経営者として認める著者が、経営者としての心得を12箇条にまとめたもの。

    どの心得も当たり前といえば当たり前なのだが、心に刺さり、わかりやすい。
    そして、つまりは当たり前のことを徹底的にやることこそ成功の秘訣だと分からせてくれる。

    個人的に特に印象に残ったのは「深層心理に達するほどに強く思う」「誰よりも努力する」の2箇条であった。

    本当に当たり前なのだが、これ以上の成功の秘訣はないと思う。

  • 経営のトップが大義名分を掲げ道標を示す。稲盛さんが示すから従業員は付いてくるのだろうと思いながら読み進めてみたが、私が会社のトップだとして、12か条すべてを貫くことができたなら、経営が上手くいく、と思わせてくれる内容。技術的な具体例ではなく、どちらかというと精神論的な具体例が書かれている。

  • 今までの稲盛さんの本のまとめ版みたいな内容だと感じた。精神的な内容が多いが、経営者たるものの心構えが記されている。

  • 経営者は何を思い、何を行うべきか —— 。京セラ、KDDIを興し、JALを再生させた故・稲盛和夫氏が、経営の原理原則を説いた書。

    第1条 事業の目的・意義を明確にする
    第2条 具体的な目標を立てる
    第3条 強烈な願望を心に抱く
    第4条 誰にも負けない努力をする
    第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
    第6条 値決めは経営
    第7条 経営は強い意志で決まる
    第8条 燃える闘魂
    第9条 勇気をもって事に当たる
    第10条 常に創造的な仕事をする
    第11条 思いやりの心で誠実に
    第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

  • 1,事業の意義、目的を明確にする。
    自分の技術を世に問いたい、から、将来にわたって従業員と家族の生活を守ること、にある。
    京セラの経営の理念「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」
    従業員の幸福、が入っているか。
    日本航空の理念にも入っている。いかなる業種でも全社員の幸福のために存在している。
    中小企業こそ、大義名分が必要。
    従業員のために必死でやっているという自負があるからこそ、従業員の無責任な態度を叱ることができる。
    利益は、大義名分を果たすため。利益が目的ではない。
    人生の意義も、家族のためという大義は必要。

    国鉄が日本テレコム、道路公団とトヨタが日本高速通信を立ち上げた。京セラが第二電電をつくった。最後に残ったのはKDDI。大義があったからではないか。
    「動機善なりや、私心なかりしか」

    2,具大敵な目標を立てる
    空間的、時間的に明確な目標を立てる。1年ごとに。それを月次の目標として明確にする。
    中長期の目標は立てない。達成できないと、目標とは達成できないもの、になってしまう。経費だけは目標達成してしまう=長期計画のこわさ。
    限られた部門しか経験がないものは社長にしない。
    従業員も売り上げ、経費、利益がわかること。

    フィロソフィーまでを要求するのはみんなで高い山に登りたいと考えているから。
    思想は自由だが、その結果の責任を取る必要がある。高い山に登りたいという気持ちがあれば、高い山を登りたいという思想が必要。
    企業は経営者の器以上には大きくならない。

    3,強烈な願望を心に抱く
    何としても達成したいと思えるか。経営の数字を四六時中目標にして考える。強い願望は一瞬の出会いも逃さない。全身全霊をかけて潜在意識が働くようになる。
    こころに抱く思い、願望が人生を決める。自分の人生を他人任せにしない。
    松下幸之助のダム式経営。そうなりたいと思わなければそうはならない。思ってもかなわないから意味がない、と考えれば思ってもないことをできるわけがない。
    こうしたい、と思っても難問があると躊躇してしまう。難しい、と思ったらできない。正しく純粋なものであれば、成功の確率は高くなる。
    思ったら誰にも負けない努力をする。

    4,だれにも負けない努力をする。
    全力疾走でフルマラソンを駆け抜ける。先頭集団ははるか先に居る。そのスピードで走っていると、それが習い性になり走り続けられる。
    私なりの努力、ではない。京セラは1個9円のテレビの部品からスタートした。平凡なことを誰にも負けない努力をすること、が非凡な人に替える。イチローのことば「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」。成功を願うなら相応の自己犠牲が必要。大きな成功が欲しければ、大きな自己犠牲が必要。

  • 共感、目から鱗なところもありながら
    少し精神論に寄ってないかなという気持ちもある
    経営者、特に中堅以上の経営者向けかなと感じた。

  • 京セラ、KDDIを興し、JALを再生させた稲盛和夫氏の経営の原理原則をまとめた本。
    12条にまとめられているが、経営者として必須なのは創造的な仕事であり、過去の否定であるとしている。
    新しいことにつねに挑戦し、「楽観的に構想し、悲観的に計画をつくり、楽観的に実行する」ことが不可欠。

    大組織を強くするのに必要なのはアメーバ経営であり、売上-経費=付加価値。付加価値÷総労働時間。
    経費はめちゃくちゃ細かく書き出すことで、現場が改善行動を生み出し、創造的な仕事を有む動力としている。
    また、経営とは、経営者が持てる全能力を傾け従業員が物心両面で幸福になれるよう最善を尽くすこと。企業は経営者の私心を離れた大義名分を持たすこと。という内容もわかいやすい。
    経営は論語と算盤ということに帰結する。

    第1条 事業の目的・意義を明確にする
    第2条 具体的な目標を立てる
    第3条 強烈な願望を心に抱く
    第4条 誰にも負けない努力をする
    第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
    第6条 値決めは経営
    第7条 経営は強い意志で決まる
    第8条 燃える闘魂※闘争心は稲盛経営の隠れキーワード。きれいな心だけでは生き残れないとされている
    第9条 勇気をもって事に当たる
    第10条 常に創造的な仕事をする
    第11条 思いやりの心で誠実に
    第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

    根底として流れる思想はいつも通りであり
    ・どんな逆境にあろうと、リーダーとして明るく前向きに包まれているか
    ・感謝を忘れず、謙虚に、素直な心を持って努力を重ねているか
    ・人間の想いは現実となる
    ということ。

    さらに結果をだす方程式も変わっていない。
    人生・仕事の結果=考え方×熱意(努力)×能力(才能)
    努力と才能どちらが大事かという議論に意味はない。どちらも重要だが、才能が高くなければ努力と考え方を磨けばいいし、それしかカードがない。

  • 新任マネージャーの立場として、上位視点の考え方を知るために読んだ。
    今まで経営哲学についてほとんど考えたことがなかったが、考えるきっかけになった。

    稲森さんの経営哲学について表面的には理解できていると思うが、今の自分の知識や経験レベルでは、内容の背景や本質を理解できているかと言うと疑問。

    今の自分に響いたことは、以下の内容。
    ・人は、後になって「こんなはずではなかった。私はもっと素晴らしい充実した人生を送りたかった」と嘆く。
    ・「素晴らしい会社にしていこう」と思うなら、生半可な考え方や哲学、思考でできるはずはありません。そういう高い目標に向かって進んでいこうと思うなら、高い次元の「経営哲学」が必要なのです。

    理由は、自分の信念(哲学)をもって、本気で物事に取り組まないといけない、そうすることで後悔のない人生送ることができると考えることができたから。

    新任マネージャーとして、心がけること。
    ・どんな逆境にあろうと、リーダーとして明るく前向きに包まれているか
    ・感謝を忘れず、謙虚に、素直な心を持って努力を重ねているか

    経験値を上げてからまた読み返したい。

  • 経営者、とあるがリーダーの心得としても参考になる内容ばかり。
    目標を立て、それを努力で必ず達成する。そのためには強い意志と素直な心が必要。

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著者プロフィール

1932年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長に就任。84年、第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問、2010年には日本航空会長に就任する。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問となる。84年、稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。2022年8月逝去。その他著書に、『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』『稲盛和夫のガキの自叙伝』『高収益企業のつくり方』『人を生かす』『従業員をやる気にさせる7つのカギ』『成功への情熱』『生き方』等がある。

稲盛和夫の作品

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