人事の企み ~したたかに経営を動かすための作戦集~

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296112128

作品紹介・あらすじ

「人」に関する話は、「間違っている」ことや「見えにくい」ことが多いもの。この本では、そうした俗諺を、ロジック、データ、事例、具体策で、一つひとつ解きほぐす。新卒社員の質の低下、AIによる失業、社員の高齢化とモチベーションの低下……。巷で言われる課題は、本当に大きな問題なのか。逆に「良い人を採用すれば業績は上がる」「変革にはリーダーが必要」など“常識”に死角はないのか。
前作『人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~』でジョブ型雇用の問題に鋭く斬り込んだ雇用ジャーナリストの海老原氏が、再び人事の虚妄を断つ。表層的な「戦略」に終わらず、現場で役立ち、会社を変える実践的な戦術と作戦を教示する。雇用のご意見番、濱口桂一郎氏による解説も!

感想・レビュー・書評

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  • 三部作のうちの実践編。第一作戦の経営環境篇が面白かった(第二作戦以降の方が筆が乗っている感じだったが)。作戦ごとに濱口先生の解説と行ったり来たりしながら読むと良いと思った。解説は、ゼミの教室のような雰囲気。

    少子化で人材の質が落ちるのでは→これまで短大コースに載っていた女性が総合職として労働市場に出てくるので、そんなことはない。高齢者は増えるが、前期高齢者は激減。技術の進歩で、技能の習熟がたやすくなり、職務間の壁が低くなる。技能実習制度自体は割合きちんとしているが、日本そのものの問題が顕在化してしまう。

  • 採用軸の実践法。
    著者三部作の三作めとも。
    外部環境より優秀な人の定義から組織風土の明確化。
    それができてからの採用のブルーオーシャン戦略。
    ここまで考えると取れないのがおかしいという話になる。
    それが明確で経営視点で物事を考える参考になる。
    できない無理状態こそがむしろ、戦略の要だと感じた。

  • 内容があんまり頭に入ってこなくてすぐ忘れてしまった。興味のある情報も多いが、話のレイヤーがあんまり揃っていないと感じる。

  • 人事の企み ~したたかに経営を動かすための作戦集~
    著:海老原 嗣生

    2020年代の経営を考える上で、重要となる課題について、「ロジック・データ・事例・具体策」の4つの要素を揃えて説明している。

    本書では経営課題の中でも「人」に纏わるテーマについて、間違っていることや、見え難いテーマを、ロジック、データ、事例、具体策で、一つひとつときほぐしている。

    構成は以下の4章から成っている。
    ①経営環境:若年人口が半減 その時どうする
    ②社風と人材:組織風土をどう操るか
    ③採用:採用は無手勝流で結果を出せ
    ④組織設計と育成:社内に2つの階段を作れ

    人事のプロによる、知識を前提とした経験と実例を織り交ぜた、具体策のオンパレード。一見人事の常識からは離れているように見える人事への課題の解決策においても、実際に効果のあった施策により、納得性が高い。

    マクロ的な視点や将来にわたる日本の課題について悲観するだけではなく、しっかりとした対策でそれを乗り越える実例が紹介されており、建設的な一冊となっている。

    正攻法と裏技を織り交ぜた人事施策の紹介は読んでいて飽きず、楽しく読みながら学ぶことができた。

  • 第1作戦 経営環境篇 扇動から経営を守る 若年人口が半減!その時どうする
    男社会と決別すれば、ホワイトカラーに人材不足は起きない
    非ホワイトカラーは八方ふさがりで絶望的な人材難となる

    第2作戦 社風と人材篇 夢見がちな経営を諌める 組織風土をどう操るか
    「新風を吹き込む人」が活躍できない理由
    企業と人の相性を見分ける5軸と、面接の必殺技

    第3作戦 採用篇 経営に厭戦気分が漂ったら 採用は無手勝流で結果を出せ
    無名のベンチャーなのに東大・京大生が続々入社した「あの会社」の作戦
    「三種の神器」をやめれば採用はうまくいく

    第4作戦 組織設計と育成篇 戦略人事を標榜するなら 社内に2つの階段を作れ
    社長はロッククライミングをしていてはいけない
    北野武やガースナーはなぜ、何をしてもうまくいくのか

    最終作戦 「社内同一制」打破への挑戦

  • まえがき 経営を動かすために必要なこと
    第一作戦 【経営環境篇】扇動から経営を守る 若年人口が半減!その時どうする
    第二作戦 【社風と人材篇】夢見がちな経営を諫める 組織風土をどう操るか
    第三作戦 【採用篇】経営に厭戦気分が漂ったら 採用は無手勝流で結果を出せ
    第四作戦 【組織設計と育成篇】戦略人事を標榜するなら 社内に2つの階段を作れ
    最終作戦 「社内同一制」打破への挑戦
    あとがき 理論と現実の邂逅
    解説 「読者による人事論」百出の糸口として 労働政策研究・研修機構研究所長 濱口桂一郎氏

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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