「心」が分かるとモノが売れる

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296109555

作品紹介・あらすじ

●糸井重里氏推薦の書
お客様は心を教えてくれない。だったら自分の心を使えばいい。手法と理論を超えた、目からウロコの実務書がここに誕生! 糸井氏は「いちばん謎なのはじぶんである。いちばん親しいのはじぶんである。だったら、じぶんと語りあおう」と推薦する。仕事を大きく前進させる秘策満載の一冊です。

●なんらかのカタチで「売り上げ」に責任がある人へ
ネット担当者、マーケター、広告、広報、商品開発担当、営業の方々などそれぞれの立場で売り上げを上げるためにさまざまに努力されていることでしょう。ところが、お客様は論理的に行動しているわけではありません。お客様自身さえ気付いていない「心」が行動に影響を与えています。マーケティングの世界ではそれを「インサイト」と呼びます。誰もが簡単にインサイトを見つけられる手法やツールは、残念ながら今のところありません。しかしながら、「自分の心」を使えば、インサイトを導きやすくなります。本書ではできる限り分かりやすく、どなたでも今日から実践できる思考のトレーニングも提案しています。

★ビジネスの突破口は「心」の理解にある
★95%の消費行動は「心」が決めている
★調査では解決できないことがある
★心のパンツを脱ぐとお客様の心が見えてくる
★お客様の心に沿って炎上を防ぐ

●実力マーケターにして有名クリエイター、実務家にしてグロービスMBA教授の筆者が分かりやすく「心」と「売れる」を解明する

感想・レビュー・書評

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  • 著者の鹿毛さんはかなり昔に一度、講演を聞いたことがあって、
    その話がとても印象的だったので、一度は著書を読んでみたいと思っていました。
    昔の講演のお話を思い出しながら読んでいました。

    著者は、主にエステーの宣伝部長として、
    マーケティングに携わっていらっしゃった方。
    ミゲル君やミュージシャンの西川貴教さんのCMなどを手掛けれれています。

    私は普段、テレビを見ないので、CMはほとんど見ませんが、
    それでもどこかで見たことのある(心に残っている)動画を作成されています。
    特に顧客の心の奥底にあるインサイトに関する記述がとても印象的で、
    「なるほど、確かにそんなことを(お客さんは)考えているかもしれないな」と思わされるものがたくさんありました。
    (とは言え、自分一人でそのインサイトを導き出すのは、
    変わらず難しいのですが…。)
    特に、MBAを取りたいと思う社会人のインサイトには、納得感がありましたね。

    インサイトの考え方を知るだけでも読む価値のある一冊だと思います。

  • まず数値化されたデータでつい理解した気になり、その先には生身の人間がいるということを考えているつもりで無視しがちな自分がいることにハッとした。
    押し売りのようなコピーや、お客様のことを考えたのか?と思うような広告など短絡的な売上を求めた結果について疑問を感じていたが、ではどうするのか?の答えに迷っていたこともあり本書は非常に学びがあった。

    「インサイト」という言葉が流行ってはいるが、当然インサイトそれ自体(本書で言う「心」)が最近にしか存在しないわけではないことを再認識。
    著書がマーケティングやクリエイティブに携わる中で、ずっと行われている心を知るための思考や、心を無視したケースのアウトプットとの比較など非常に分かりやすい。

    本書は、心理学的な手法を用いて〇〇という表現をすると"売る型"の本ではなく、最大公約数的にただ感情に訴えるという話とも全く違う。
    心とは何なのか考えさせられ、今の私にはそこまで拾い切れていないと反省した。

    また、フレームワークや体系的な学びが不要という内容ではない。
    途中までそういう論調なのかと懸念した(著書はそのような考えではないと思っていたが)。

    それらが必要なことは本書のおわりにもあり、本文内でもそのような手法を使っていることが書かれている。

    論理的な調査のその先にある"人の心"。
    それを探るために、インタビューやお客様側になるために実施している内容は非常に興味深かった。
    お客様から出てきた言葉の奥の奥にある別の感情をうまく引き出す力は一朝一夕では得られないだろうし、「本当にそう思ってますか?」と聞くだけでは出てこないだろう。
    今後は本書に書かれている練習法を繰り返し、著者のような力を身につけたい。

  • マーケティングとは何か?
    こう問われた時にどんな答えが浮かぶだろう。
    筆者曰く「モノを売る事」ではないらしい。
    マーケティングとは、「人に向き合い、人に喜びを提供する活動」である。最も人間らしい、人と人との愛情のやり取りである、と。

    これまでのプロジェクトを改めて振り返ってみたらハッとした。
    施策を打った際に最もボトルネックとなるのが集客の面だ。
    こちら側としては、これだけ素晴らしい施策なんだから申し込みが殺到するだろうと意気込んでいても、いざフタを開けてみたら理想の10分の1なんて事も。

    学生の心を動かす心のツボにアクセスするためには、「学生だった自分に聞く」必要がある。
    体系化されていない心の領域は最終的には「やって確かめる」以外の選択肢は無いのだ。

    また、正しく質問を投げかけたとしても、調査する状況によっては回答が歪む可能性も。
    時には勇気を持って調査結果を捨てる必要がある。

    そもそも、人間の思考や行動は5%の顕在意識と95%の潜在意識で成り立っている。そのため本人も気付いていない心のツボ=インサイトを探り当ててクリエイティブを通じてアプローチすると効果抜群なのだ。

    ターゲットとなる層を単なる学生と捉えるのではなく、そこに心があるという前提で考えてみよう。

  • 「インサイト」について理解したいマーケティング担当者におすすめです。
    マーケのフレームワークも大事だけど、生活者のインサイトを見ないと本質にはたどり着かないよね、という話です。

    マーケでよく使う「ターゲット」は「標的」という意味の軍事用語なんですね。広告を「投下する」といったことも言いますもんね。まずお客様を「顧客」とかマーケの対象としてみるのを見直してみるのが第一ステップなのだと理解しました。

    そしてお客様「心のツボ」を理解するためには、「自分に聞いてみる」のをまずやってみる。しかしそれは思い込みやバイアスがかかっているかもしれないという大前提というのを認識した上で自分の感情に向き合う(対話する)のが大事。
    インタビューやアンケートで「デプスインタビュー」という形式がありますが、それをしたからといってインサイトが簡単に出てくるわけでないのです。自分の仮説や推測を確認する場でもない、あくまでインサイトを引き出すためのヒントをもらう場で、それを自分の解釈を加えながらインサイトを見つけ出なくてはいけません。だからこそ普段から自分と対話するトレーニングをする必要があります。
    (トレーニング方法は第4章に記載)

    後半は著者が携わった実際の案件の例からお客様の心を知る方法や、広告のありかたが描かれています。
    私も広告の仕事をしているので、とても勉強になりました。

  • ・過去の自分に潜る→当時の自分になりきって具体的なシーンを思い浮かべる→その時の感情も湧き上がってくる→思い出せるだけ思い出し丁寧に復元する(ネガティブな思いに向き合う)→色に例えてみる(言葉で表せない)→手に入れた自分の周波数をもとにお客様の心にアクセスを試みる
    ※論理的になぜ?と考えようとしない、論理に隠された嘘の感情になるから
    ・行動の詳細→行動の矛盾を見つける→感情の再解釈→ダークな心情に向き合う
    ・商品(サービス)起点ではなく、顧客起点で考える(顧客が商品のことを意識している時間は1秒もない)
    ・自分が実践可能な疑似体験を徹底してやる(お客様の心を理解するため)
    ・じくあし
    →自分勝手な期待を捨てる、クライテリア判断基準を明確に、愛情をいっぱい込める、シンプルを恐れない
    →サービスの良さが打ち出せているか、お客のインサイトにアプローチできているか、手に取った瞬間心のツボが押されて次のアクションに繋がるか
    →自分がマーケターであることを忘れ、1人のお客様になる(お客はサービスに興味がない)
    →ぱっと見て目がどのように動いたか、何が残ったか、どんな気持ちになったか
    ・糸井さん対談
    →自分とみんな、どちらも楽しめることが大事
    →クリエイティブの日本語訳は「いいこと考えた」

  • 世の中のマーケティングは数字だけ見てお客様を理解した気になっており、真にお客様を理解していない。
    マーケティングとは、人に向き合い、人に喜びを提供する活動であり、インサイト(心のツボ)を探ることが重要である。
    その心のツボを把握するステップを著者の数々のエピソードをもとに書かれています。この本自体も読み手の心のツボをついているのでしょう。でもそれは無意識の中にある何かで自分ではわかりませんでした。

  • 「人間の思考や行動はほとんど潜在意識(インサイト)に依るもので、理論ではなく心で動く」がとても印象的でした。

  • かつて教えを受けさせて頂いた恩師の著。
    かつて学んだことを振り返り、日常に活かすべく読書。奥深いインサイトの本。

    わかりやすくて、、おもしろい名著。
    こころの大事さを、熱く指南頂いた講義が思い出される。

    前半のインサイトの話も素晴らしいが、雪印事件を通じた企業人格とはブランドとはの話はほんとうにすごく考えさせられる事例であり、語り部として生の部分を表現頂ける分は素晴らしいし、様々な人に読んでもらいたい一冊。

    メモ
    ・人は思い込む生き物である。

    ・シンプルをおそれない

  • P163~クリエイターへの注文方法の参考になる
    人は論理ではなく心、つまり潜在意識で動く。マーケティングのフレームワークでは心はわからない

  • モノが売れると書いてるからビジネス本かと思えば違う、かと言って自己啓発本でもない
    何事にも心があるかどうか、忘れてはならない事
    特にCM作りの話は感極まりました、誰も傷付けず誰もが元気になる想像力が必要不可欠

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著者プロフィール

株式会社かげこうじ事務所代表/マーケター/クリエイティブディレクター「お客様の心に向き合う」をテーマにマーケターとして活動中。同時にクリエイティブディレクターとしてCM監督、プランニング、コピー、作詞作曲を手掛ける。雪印乳業を経て、2003年にエステー入社。同社を日本有数のコミュニケーション力のある企業に導く。同社執行役を経て、2020年に独立、かげこうじ事務所を設立。代表作は消臭力CM。11年震災直後の「ミゲルと西川貴教の消臭力CM」で一大社会現象を起こす。早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA。現在、グロービス経営大学院 教授、エステー コミュニケーションアドバイザー、日経クロストレンド アドバイザリーボードメンバー/Ad-tech 東京ボードメンバー★受賞歴:ACCゴールド、フジサンケイ広告大賞、マーケターオブザイヤー、WEB人貢献賞ほか★著書:『愛されるアイデアのつくり方』(WAVE出版)ほか

「2021年 『「心」が分かるとモノが売れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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