アフターソーシャルメディア 多すぎる情報といかに付き合うか

制作 : 法政大学大学院 メディア環境設計研究所 
  • 日経BP
3.36
  • (3)
  • (8)
  • (10)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 140
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296105618

作品紹介・あらすじ

ソーシャルメディア利用者の実態を徹底調査
見えてきた“近未来の情報接触スタイル”

「ネットやSNSなどを広告媒体として活用してきたが、どうも手応えがない」。このように悩むのはあなただけではありません。マーケティング担当者だけでなく、ネット企業もメディア企業も、実はよくわかっていないのです。

ネットにスマホ、SNSが普及したことで、人々が接する情報量は膨大になりました。ひと言で表現すれば「情報過多社会」です。人類史上初めてのことであり、今を生きる我々は適応過渡期のまっただ中にいます。

本書は、NHK放送文化研究所、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所、法政大学大学院 メディア環境設計研究所のメンバーが、それぞれの調査データを持ち寄って、ソーシャルメディアが広く普及した後(=アフターソーシャルメディア)の人々の「情報接触スタイル」を分析し、新たなメディアスタイルを見いだそうとしてまとめたものです。

調査データから浮かび上がるのは、「ビジネスパーソンと大学生で違う」といった様々な「ズレ」です。こうしたズレが「なぜ起きるのか」をひも解くことで、近未来の情報接触スタイルが見えてきます。筆者らは「自分たちはわかっていない」を前提に、大学生や働く女性の日常を丁寧に考察し、デザイン思考で様々な実験を実施して、アフターソーシャルメディアの情報接触スタイルを探っていきます。

研究者が書いたものとはいえ難解な表現はなく、メディアに関わる人だけでなく、ソーシャルメディアを利用する一般の人にとっても、多くの「気付き」が得られます。未来の情報接触スタイルを見つけ出す道しるべとなる本です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 若者世代のメディアとの接触を的確に捉えているが、提言に新味はない。

  • スマホの普及に伴い、いつ何時でも情報が入手できる時代。さまざまな企業の思惑で、私たち自身が興味を持った情報だけで埋め尽くされていることに気付かされる。フィルターバブルは時にして便利ではあるが、盲目的となってしまいがちなため、広い視野を持ち、情報の正確性が高いものへの関心や注意を、今後しっかり図っていきたい。

  • NHK放送文化研究所と博報堂メディア環境研究所との共同執筆。サブタイトルは”多すぎる情報といかに付き合うか”。生活者により異なる情報利用により生じ、かつシステムにより助長される”ズレ”を認識すること、"information outからlife in"(生活者の気分に寄り添い、その中で価値提供していくこと)、life in においてIoTのポテンシャルは大きいこと、が印象に残った。

  • ざっくりソーシャルメディアのデメリットと、傾向がわかる。対策があるのかというとパッとしなかった。現代の情報社会はどうなっていて、どのように感じているのかというのがわかる。

  • 1日あたりのメディア接触時間が400分を超え、8割以上の人が「情報が多すぎると思う」と答える今日の社会、メディアと情報の関係を豊富な調査データを元に俯瞰しわかりやすんまとめた報告書。
    情報過多であるにも関わらず欲しいサービスは二分される。すなわちズレる。
    コンテンツ制作者やプラットフォームの運営者にとってこれからの展望を考える上で土台となるヒントが詰まっています。

  • 現代のソーシャルメディアの実態に迫った一冊。TwitterやInstagram、LINE NEWSやYahooニュースなどなど、多くの情報のシャワーを浴びながら生活しているスマホ現代人の実態が丸裸に。2000年代前半~2020年にかけてのSNSやテレビなどメディアの接触度合いを年代別に考察したりとデータベースで語られているので信ぴょう性高。スマホが出現して10年経過したが、情報獲得ツールが完全にテレビ<スマホになっているのが見て取れたり(特に若い世代)、Iot・5G時代に向けての考察もあり非常に面白い。

  •  ソーシャルメディア利用者の実態を、若者から老人に至るまでの層を調査。そこで「近未来の情報接触スタイル」、若年層と高年齢層の「ズレ」を見出し言明化する一冊。
     日経MJや日経産業新聞、電通などでもバラバラに指摘されてきたであろう若年層の情報摂取について、まとまった形で多角的に論じているところに価値がある。ソーシャルメディアに接する人々の現状を俯瞰的に考えることができるだろう。
     多くの実務者にとっては入口にあたる概説・入門レベルの話だが、時折あっというような指摘も含まれており示唆に富む。様々な専門書にふれるまえに、ここを出発点にしておきたい。

  • メディアに接するユーザーの姿を、世代をひとつの軸として分析する一冊。データ(定量調査)とコンテクスト(定性調査)の両面から見ていて、メディアを学び、研究する学生さんは必ず手にとったほうがいいんじゃないかと思う。氾濫る情報の中で、「自分の時間をより良いものにしたい」という思いから、メディアとの関わり方を選択的にしている点は、身近な人達を見ていても納得。そういった接触スタイルに戸惑いを隠せない上の世代に、かたや足を突っ込んでいる自分もいるが、こういったギャップを正面から受け止め、理解する姿勢も大切。

  • ‪情報過多社会におけるニュースへの意識や接触方法を「ズレ」という概念を新たに導入して分析した一冊。世代間や男女間でのマスメディアやソーシャルメディアに対する接し方の差異がまとめられている。個人的には第5章で紹介されているダブルスクリーン使用方法がなかなか衝撃的。これだけ情報が溢れているのだから外れて当然・当たったらラッキーぐらい気持ちでありたいものだ。

  • 情報過多社会で、いま人はどう情報と向き合っているか。大学生のニュースとの向き合い方から考察されている。

    スマートフォンでさらっと見る、浅い体験がかなりのシェアを占めている。

    二つのディスプレイを使い、片方は初めて見るコンテンツでもう片方は面白いことが分かっているコンテンツ。その意図はメディア体験時間をハズレにしないこと。

    など。

    40代以上に訴求したいときはこれらの傾向は違ってくるだろうが、遠くない未来に傾向が似てくるはず。という感想ともに知識のインプットができた。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1973年、徳島県生まれ。法政大学社会学部教授。徳島新聞社、NTTレゾナントを経て現職。専攻はソーシャルメディア論。著書に『ネットメディア覇権戦争』(光文社)、『発信力の鍛え方』(PHP研究所)、編著書に『ソーシャルメディア論・改訂版』(青弓社)、共著に『アフターソーシャルメディア』(日経BP)など。

「2021年 『フェイクニュースの生態系』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤代裕之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×