入門 起業の科学

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296100941

作品紹介・あらすじ

起業・新規事業のバイブル『起業の科学』の著者が教える
これから「ゼロイチ」を目指す人のための入門書。

「おっ、これはわかりやすくなった!」――『1分で話せ』著者・伊藤羊一氏 推薦!

2017年秋刊行の『起業の科学 スタートアップサイエンス』は、
異色のロング&ベストセラーとなりました。
起業家の熱烈な支持を得て累計5万部突破。
大企業や官公庁でも続々採用。新しいバイブルとして定着しています。

そのエッセンスをコンパクトに凝縮したのが本書。
「起業が成功に至るプロセス」の全体像が、
すっきり素早く頭に入ります。

ボリュームたっぷりのオリジナル版は、
実際に起業した人が「いま悩んでいること」について、
辞書的に調べるのには好適ですが、1冊を読み通して
起業の全体像を俯瞰するのは大変だったかもしれません。

本書では、
これから起業したい人、新規事業を立ち上げたい人に、
「この先に待ち受ける課題と解決策」の全体像をお伝えすることで、
起業への不安を解消し、
起業へのモチベーションを高めることを目指しました。

「ゼロからイチ」を生み出せる人になりたい――。
そう感じたとき、ぜひ手にとってください。

【オリジナル版『起業の科学』との違い】
・専門用語を必要最低限に絞り、わかりやすくしました。
・スタートアップの成否を分ける最大のハードル、「PMF」(プロダクト・マーケット・フィット)の達成までに内容を絞り、丁寧に解説しました。
・PMF達成までの全体像がさっと頭に入る、導入編「STEP 0」を用意しました。
・PMF達成の過程を4ステップ39のチェックポイントに分けて時系列で整理。
・1つのチェックポイントは各4~6ページの見開き単位。少しずつ読み進められます。
・チェックポイントごとに、要点を3カ条で整理。そこを読むだけでも学びがあります。
・オリジナル版より一回り小さい、A5判サイズで持ち歩きやすくなりました。

感想・レビュー・書評

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  • 入門 起業の科学
    著:田所 雅之

    スタートアップが成功するか、失敗するか。それは、顧客に熱狂的に受け入れられる製品を作れるか(PMF、プロダクト・マーケット・フィットを達成できるか)にかかっている。本書では、アイデアを思いついてから、PMFを達成するまでに内容を絞り、4ステップ・39のチェックポイントに整理されている。

    初めて起業する人の一番大きな不安は、成功の道しるべが何もないことである。ピンチの連続になることは想像できても、その内容は曖昧で実際には何にどう備えるべきかわからない。それは起業をした後でも変わらない。

    本書の構成は以下の5章から成る。
    ①成功に至るプロセスを理解する
    ②アイデアを検証する
    ③課題の質を上げる
    ④ソリューションの検証
    ⑤人が欲しがるものを作る

    スタートアップとして起業することは、一生のうちに誰しもが経験するものでもない。そして、その時代の最先端で行われているそのプロセス自身も、暗黙知の塊でもあり、成功の本質を説明できるものでもない。

    しかし、本書はそれを可能としている。起業から成功迄で大切なプロセスの期を絞り、科学という武器で再現性を可能にしたり、客観的なデータからわかりやすくそれを解明し知らせてくれている。

    もちろん、科学を越えた何かが成功に寄与するこもあるが、本書のようなデータの蓄積や経営にかかる知識等を総結集して、わかりやすく説明している本は皆無に等しい。

    多くの人が、本書にマーカーびっしりで読み、学んでいると考えられる。読み物としても起業の体系的な学びにもうってつけの一冊となっている。

  • 起業の科学の入門編。アイデーションからPMF達成までに絞って解説なされている。情報アップデートもあり、わかりやすくてよい。

    メモ
    ・無消費をターゲットにせよ。代替サービスや類似サービスがない状態をまずは狙えという話。
    ・トライアルカスタマーが増え、イノベーションカーブが左寄りになっている。高速化している。
    ・スモールビジネスはユニットエコノミクスからスタート。PMFは達成されている事業。
    ・未来に生き、足りないものを作れ。
    ・エバンジェリストカスタマーをみつける。鋭い意見をくれ、他の人への影響力がある人。流行に敏感で、自ら進んで情報収集や購買判断ができる消費者
    ・未来ではなく今に着目した質問をする。抽象的ではなく具体的に。
    ・インタビューの終了要件
    エバンジェリストを見つけられたか
    課題の存在を確認できたか
    現状の代替案を確認できたか
    ・ジャベリンボード
    確認したい相手と確認したい問題、重要度の高いセットから検証作業を進めていく。
    ・プロトタイプカンバンボード
    プロトタイプ検討の進捗を可視化するもの
    ・課題を定義し、価値提案を考え、具体の機能、提供方法を考えていく。
    ・ソリューションインタビューで必要な機能を絞る。
    ・つくる人と顧客と話す人を一致させることでスタートアップが絶対やってはいけない、顧客が求めていない製品を作るという失敗を未然に回避できる。
    ・プロトタイプ検証フェーズの終了要件
    顧客が解決策を利用する理由を明確に言語化できるか
    解決策の仮説の磨き込みを通じて顧客が持つ課題の理解がさらに深まったか
    MVP仕様を洗い出せているか
    各時点のuxで顧客が期待することを言語化できているか
    ・作る前に売れ。人がお金を出したがるくらいコンセプトを徹底的に磨け。ということ。
    ・MVPの型
    ランディングページMVP
    オーディエンス開発型MVP 将来的な顧客を抱えるコミュニティに飛び込み製品作りと顧客育成を同時に行うスタイル。ピンタレストなど。
    コンシェルジュ型MVP 本格的な仕組みを作る前に創業メンバーで手動で全部やるアプローチ。
    動画MVP 動画でサービス機能を紹介する。
    ピースミールMVP 既に存在する複数のプラットフォームを組み合わせてあたかも一つの製品のように動作させる手法
    ツールMVP 検討しているサービスの目玉機能の一つを単体のツールとして提供するスタイル
    ・ユーザーストーリー 機能を考えるにあたって
    顧客に価値が伝わるか
    UXがシンプルでストーリーがユーザー視点で表現されているか
    現場の臨場感が念頭におかれているか
    ・大企業に対するスタートアップの優位性はユーザーと頻繁に対話しながら製品をつくることごできるフットワークの軽さ
    ・aarrr指標で穴の開いたバケツの穴を探る。MVPを検証する作業がまさにバケツの穴を探り当て、それを一つひとつ塞いでいく作業に他ならない
    ・優れたKPIの条件
    改善につなげやすいか
    計測しやすいか
    MECE感があるか
    インパクトがあるか
    ・KPI設定で陥りがちな罠
    結果指標しかみてない uu pv cpaなど
    相関指標をみる 本来は因果関係をみるべき
    アクションできない指標をみる 粒度が粗い指標など
    ・学習時は製品面での学びとセールス面での学びを分けて整理する。
    ・PMF達成判断条件
    高い定着率を保てているか
    ユーザー獲得から収益化までの流れは確立しているか ロジカルに説明できるか
    リーンキャンパス全ての内容が成立しているか
    ・スタートアップ創業者が注目すべき財政指標
    パーンレート
    資金が枯渇するタイミング
    資金が枯渇するまでに可能なピボット回数


  • 目的: PMFの達成

    1.アイディアの検証
    2.課題の質の向上
    3.ソリューションの検証
    4.必要最低限の製品づくりと検証


    1.アイディアの検証

    目標: 正しい仮説を立てる

    ・本質的な顧客の痛みを理解しているか
    ・なぜ私がやるのか
    ・他の人が知らない秘密。誰もが気付く/実行できる解決策では、大企業に負ける
    ・今ではSNSのおかげでイノベーターとアダプターは増えている。いかに早く使ってもらい、PDCAを回せるか
    ・今はない、スケールの大きな市場を作るのがスタートアップ。すでにある市場で確実に設けていくのがスモールビジネス。
    ・なぜ2年前でも2年後でもなく、いまやるのか。
    ・PEST分析大切。
    ・ビジネスアイディアの10のフレームワークを理解しろ
    ・持続的イノベーションと破壊的イノベーションは違うら
    ・ニッチな市場を独占し、広げろ。
    ・リーンキャンパスを何回も書き直せ。



    2.課題の質の向上

    目標: 想定顧客と起業家の課題意識の合致
    (顧客の本当の課題を突き止める)

    ・課題検証で8割が決まる。
    ・ペルソナを作れ
    ・エンパシーマップを作れ
    ・カスタマージャーニーを作れ
    ・認知バイアスが働く。想定が本当に正しいか、高望みはしていないか、クリティカルに考えろ
    ・ジャンベリングボードで前提条件を洗い出せ
    ・20人のアーリーアダプターにインタビューしろ
    ・KJ法でインタビュー結果をグルーピング→新たな仮説づくり



    3.ソリューションの検証

    目標: 想定する課題と想定する解決策の合致
    (顧客の課題を解決できる&使ってくれる解決策の洗い出し)

    ・プロダクトタイプカンバンボードを使え
    ・顧客インタビューで、ブレストした機能の中から本当に重要な機能を見極めろ
    ・本当に必要な機能に専念しろ。あったらよい、は実装するな
    ・プロトタイプの要点を30秒で語れるようにまとめろ
    ・まずは紙でプロトタイプを作れ。全員で作れ。
    ・機能の分類→構造化→各画面の表示コンテンツ決め→ページ遷移決め→UX想定→ユーザーインタビュー
    ・ツールプロトタイプを作成しろ
    ・ユーザーインタビューは動画に撮れ。わずかな体の動きを見逃すな。



    4.必要最低限の製品作りと検証

    目標: 実用上最低限の製品を作り、検証する

    ・作り込む必要はない。検証に必要最低限な機能だけを持った製品(MVP)を作り、何度も検証しろ。
    ・プロトタイプ検証は無料、MVP検証は有料。じゃないと、お金を払うだけの価値を感じているかわからない。
    ・MVPのタイプは5つ。
    ・ランディングページMVP(LPを作る)
    ・オーディエンス開発型MVP.(想定顧客がいるコミュニティに入り込み、使ってもらう)
    ・コンシェルジュMVP(実装せず手動でできることは手動で)
    ・動画MVP(製品紹介動画を作り、事前申し込みを募る)
    ・ピースミールMVP(既存のサービスを組み合わせて、作りたいサービスもどきを手軽に作る)
    ・ツールMVP(すべてを実装せず、目玉機能のみ実装する)
    ・MVPを作り検証したいユーザーストーリーを明確にしろ
    ・スプリントキャンバス、スプリントカンバンボードを使え
    ・検証のために、泥臭く足を動かし、顧客に会い続けろ。
    ・AARRR指標(海賊指標)で反応を分析しろ
    ・獲得→初回利用→継続利用→他のカスタマーの紹介→売り上げ確保
    ・MVPの検証とは、バケツの穴を探り当て、1つ1つ塞いでいくこと
    AARRR指標を用いて検証するために、事前にKPIを設定しろ
    ・「content is king, UX is queen」。新しい機能を実装するより、UXを改善しろ。
    ・PMF達成の条件は3つ。高い継続利用率を保てているか。ユーザー獲得から収益化までの流れが確立しているか。リーンキャンバスのすべての項目の内容が成立しているか?
    ・「この製品がなくなったらどう思うか?」という質問に「非常に残念」と答える人の割合が40%を越えれば、継続的に顧客を獲得することができるか


    この項目を全て満たせば、PMFを達成できる。すなわち、0→1を実現できる。

    しかし、これは0→1はあくまでテスト販売。ここからが本当のスタート。1→10, 10→100の戦いが始まる。そこからは、製品の採算性の向上など、別のスキルが必要になる。






  • 「起業」、新規事業などなど、立ち上げようとしたときに一読したほうが良い本。
    仕事上、すすめられて読みました。

    ただ、書いてあることを大きな組織で実行しようとすると、とんでもなくエネルギーが必要だと感じました。

  • 体系的に描かれており、アーリーステージの起業家にとって、参照したい内容ばかりであった。

  • 別に事業を起こしたいと考えてるわけではない。知識として身に着けておきたかった。「誰も思いつかない”奇想天外”な市場を創造せよ」とのSTEP1。解決策は「スマホアプリ」と”決まっている”STEP3。展開の”奇想天外”さを感じながらも、用語を知りポイントをつかむ。成功者は何を考えて行動したのか?本当にやるかどうかはおいといて、起業に対する憧れは年齢問わず持ち続けたいもの。しかし、日本経済が成長しないのをベンチャー精神の不足のせいにして、財政出動という正しい経済政策を棚上げにする政府を決して許してはいけない。

  • 目指すのはPMF=プロダクトマーケットフィット=顧客が熱狂的に欲しがるものを作れる状態。

    課題ありき、になっているか。製品ありき、技術ありき、では顧客目線になっていない。グーグルグラス、アップルウォッチなどの例。クラウドファンディングで資金が集められたから求められている、とは限らない。
    買い物代行は、アマゾンで却下された=アマゾンのビジネスモデルと相いれない。

    誰が聴いてもよいアイデアは、スタートアップでは成功しない。競合が出る。100人中99人が魅力的だと思わないアイデア。
    伝統的なマーケティング理論は通用しないほど速い世界。

    スタートアップとスモールビジネスは違う。スタートアップは参入時期が重要。大企業のイノベーションのジレンマをつくこと。市場規模は100億円以上が目安。

    アイデアは安いもの。どう実現するかが大事。

    MVP=ミニマムバリアブルプロダクト。無料で配布しない。無料だと価値が認められているかわからない。
    KPIを正確に設定する=結果指標しかみていない。アクション出来ない指標を見ている。相関指標を見ている=因果関係を見る必要がある。

  • 投資家目線からの起業する人へのプロセル解説書である。起業だけでなく、新事業を立ち上げる方にもオススメ。基本的なノウハウ、ステップを教えてくれるため、基本動作を守れば進めれる内容であった。

  • 起業の入門書

  • 起業ではなく事業の科学だが、類書多い中、数年前の本だがまったく古びれない。
    新サービス開発の入門書を推薦するならこの一冊。

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