マツダ 心を燃やす逆転の経営

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296100897

作品紹介・あらすじ

「今にみちょれ」。
「失われた20年」と呼ばれるバブル崩壊後の日本経済の苦境。
1990年代後半のマツダはまさにその"地獄"の中にあった。
業績は低迷、リストラで社員を失い、外資の米フォード・モーターに経営権を握られ、ブランドイメージは地に墜ちていた。

だが、マツダの技術者たちは諦めていなかった。

自分たちが造りたい「理想のクルマ」を造る。
シェアを追うのではなく、世界の2%のユーザーに深く愛される商品で復活を図ろう。
2005年に社内チーム「CFT6」が立案したプランは、やがて「モノ造り革新」として、マツダの仕事のやり方の
「全取っ換え」につながり、エンジンを中核とする「SKYACTIVテクノロジー」や「魂動デザイン」として結実する。

モノ造り革新には、様々な壁が立ちはだかった。
フォード傘下での悪戦苦闘、リーマンショックの襲来……。
「世界最高のエンジンを全力で開発する」という方針に対しても、ハイブリッド車やEV(電気自動車)が
脚光を浴びる中、「マツダはカネがないから、内燃機関をやるしかない」ともささやかれた。

しかし、2012年からマツダが投入した新世代のクルマたちはヒットが相次ぎ、
デザイン、技術とも数々の賞を受賞。世界的に販売が拡大する。
フォードの支配下からも脱し、トヨタ自動車とは相互出資する形で提携し、対等なパートナーとして認められるようになった。

日本経済が閉塞感に苦しんだ20年間に、この「逆転劇」を起こせた原動力は、
マツダで働く人々の心を燃え上がらせ続けた「モノ造り革新」にある。
その仕掛人にして立役者の金井誠太氏(元会長、現相談役)に、2年半にわたり10回以上インタビューを敢行。
モノ造り革新のすべてを語ってもらった。

感想・レビュー・書評

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  • 最近のマツダがしっかりしたコンセプトのもとクルマ作りをしていることがよくわかる。明快な語りでわかりやすく、勇気づけられました。
    以前他にもマツダの本を読んだがそれもおもしろかったあ

  • 個性のある良いクルマ。という今のマツダのブランドイメージが構築されるまでにはこんなことがあったんだ。という社内のリアルを伺える。ロマン、夢。会社の原動力ってやっぱりこういうことなのかな。と改めて考えさせられる一面も。

  • 対話形式は不得意ですが、面白かったです。

  • ビジネスに効く本でもあるのですが、マツダが自動車業界で独自路線を築き、
    デザインが支持されるようになる軌跡を、当時の経営者、現場の方目線で語られている、胸熱になる本です。
    「あーツライ、やれてないことが多い、ダメかもしれない」と思っていたタイミングで出会った本で、読み終わった頃には、「よっしゃ、もうちょっとだけ気張ってみるか!」という気持ちになってました。
    広島弁が出てくるのも臨場感があり、広島に所縁のある私としては、より入り込めた本です。
    常にいろんな部署に挟まれる立場の同期にお勧めしたところ、読了後は心が燃えておりました。
    サクサク読めるので、ぜひ!

    紹介者:さっこ
    企画開催日:2022/12/04
    企画名:「2022年に読んでよかった私の1冊」

  • 牧菜々子さん推薦

  • ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 )

  • 悪くないんだけど、車がわからないとイマイチわからないことが多く....

  • 肩肘張らないポジティブなリーダーの珠玉の言葉集。素晴らしい。マツダ車に惹かれる理由がわかったような気がする。

  • 【概略】
     「新しいものを」という言葉に悪い意味で縛られていたかつてのマツダは、バブル崩壊とともにお客様をマツダ地獄に陥れる。リストラ・フォードモータースの経営関与・・・厳しい状況の中、マツダ全体に「どうせ」という負け犬根性が蔓延していた。ドイツのアウトバーンで自社の車に対し悔しい想いを刻まれた金井誠太氏(元会長・現相談役)は、マツダ再生に着手する。大変な時代からスカイアクティブエンジンの開発、「アテンザ」の発表、トヨタ自動車との相互出資提携に至るまでのマツダ・マインドと歴史を振り返る。

    2020年12月20日 読了
    【書評】
     愛知県に生まれ、愛知県に育ち、愛知県で生活しているのに、マツダ好きなんだよね。ユーノスプレッソから始まり、RX-7(FD5型)、アテンザ×2、デミオスポルト×3・・・購入した車は全てマツダ車という。株式も購入しちゃってるぐらい(笑)ユーノスプレッソを購入した当時(25年くらい前)、やっぱり周囲から「マツダ地獄に陥ったか」と言われたよ(笑)でも、なんというか平均的な優等生じゃないところが好きで。インテリアの質感はまぁ・・・ともかくとして、ロータリーエンジンとか、足回りとか・・・運転する喜びがずっとあるのだよねぇ。
     そんなマツダが変わっていく様子をこの本から垣間見ることができるという。フォードの傘下にはいった頃から二代目デミオが売れて、そのあとアテンザの発表あたりから元気になっていくマツダ、その内側に起きたビジネスマインドの変化が凄くわかる一冊だった。そしてこのビジネスマインドは、他分野でもしっかり応用できる内容だった。
     「仕込み7割」という、料理の世界で使われる言葉がマツダの変革の下敷きにあった。本書ではPDCAサイクルの「CA」ではなく「PD」のマネジメントをしっかりしろという言い方となっていた。「CA」に力点が置かれると「火消し」のような仕事の仕方になってしまい、自分のリズムで仕事をすることが難しくなっちゃう。振り回されるのだよねぇ。自分が陥りがちな仕事の仕方。そうではなく「PD」に力点を置いてマネジメントをする。そうなると「失敗」というものに対する考え方も変わってくるという。この部分、他分野でも応用可能・・・というよりも、まさしく今、自分が直面している仕事の姿勢の問題への天啓ともいえる内容だった(笑)
     プラットフォームを統一することの真の意味がわかったのもまた、読んでよかったなぁ。小型車・中型車・大型車、そしてSUVも、共通したプラットフォームって、なんでかな?金太郎飴みたいな車にしたいのかな?もっと尖った車を作るのがマツダなんじゃないの?・・・なんて思ってたのだけど、狙ってる次元が違うのだよね。だから別に、やろうと思えば今でもRX-7みたいな車を生み出せる・・・ハズ(笑)ホッとした(笑)
     あと、サラリーマンという立場であってもダイナミックな仕事はできるし、目の前に置かれた出来事をどのような捉え方をして「楽しめる」かどうかって、めちゃめちゃ重要なんだと思った。極端な話、コピーをとるという雑用一つだって、楽しくできる・・・それって仕事の一つの才能だと思った。
     こういった開発秘話であったり、コンセプトであったりを知ると、より一層その対象(今回でいうとマツダ車)への愛着が湧くねぇ。あと一年経ったら車の買い替え時期が来ていて・・・RX-8の中古を買おうか、ロードスター(NCかND)の中古を買おうか、はたまたNDロードスターのRFを買おうか・・・今からワクワクしてるよ。
     これからもドライバーをワクワクさせる車、作り続けてください。

  • 大企業がひしめく自動車業界の中で個性 zoom zoom を追い求める戦略が良い。開発目的もアテンザの志から入るのが、すばらしい。自分達の思いを起点にした、まさにクオリティ企業。

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著者プロフィール

1964年、新潟県生まれ。87年日経BP入社。以来、日経ビジネス、日本経済新聞社証券部、日経クリック、日経パソコンなどを経て、現在日経ビジネス編集部でウェブと書籍の編集に携わる

「2020年 『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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