逆境を楽しむ力 心の琴線にアプローチする岩出式「人を動かす心理術」の極意

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000722

作品紹介・あらすじ

 「学生ラグビーの最強集団」である帝京大学ラグビー部。2022年1月には、ラグビー大学選手権で優勝し、前人未踏のV10を達成した。その強さの秘訣は、26年間、チームを率いてきた岩出雅之監督の心理学的マネジメント術にあります。
 心理的安全性、成長マインドセット、ナッジ、心理バイアス、フロー、自己肯定感、OODA(ウーダ)ループ、マズローの欲求5段階、ハーズバーグの2要因理論、内発的動機(ときどき脳科学も)━━。岩出監督が「これは使えそうだ」と思った心理学理論やビジネスツールを、実際の組織運営や人材育成に次々に取り入れ、実際に大きな成果を出しています。これらは、ビジネスの現場ですぐに役立つものばかりです。本書を読むだけで、最新の理論を実践例とともに、学ぶことができます。
 中でも、著者が突出しているのは、逆境の中で組織の実力を100パーセント発揮させるマネジメントと、従来の若者とは違うZ世代のモチベーションの高め方。逆境に直面したとき、プレッシャーや不安に押しつぶされることなく、蓄えた実力を発揮できる「フロー状態」をどのようにつくりだすか。26年のラグビー部監督人生で編み出した「極意」を本書で披露します。

感想・レビュー・書評

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  • リーダーシップ系の本を探していて、偶然見つけたこちらの本。
    帝京大学でラグビー大学選手権で9連覇を達成した著者(監督)のリーダーシップ論。

    といっても、私はラグビーのルールもよく知らないですし、
    帝京大学が強かったことも知りませんでした。
    ザ・体育会?という印象を持っていた私ですが、
    著者は全く異なるチームマネジメントを行っていたようです。

    ザ・体育会的な組織で、雑用を1年生から取り上げ、
    4年生が引き取るという中々、イノベーティブな取り組みを行い、
    チームの中に心理的安全性を確保し、
    チーム改革を行ったそうです。
    そこでV9を達成し、大成功する訳ですが、
    また一時期、低迷してしまうのです。
    (低迷と言っても、優勝できないだけで、
    十分強豪チームの仲間入りはしています。)

    何が悪かったのか?
    チームの中に培った心理的安全性が高い目標を設定することを阻害してしまったと。
    う~む、つくづくチーム作り(組織作り)は、
    生き物を扱う如くで難しいと感じさせられます。

    著者の素晴らしい点は、それを自分の責任であると
    自分に矢を向け、さらにチーム改革を進め、
    復活の優勝を遂げたところ。

    さらに、著者は心理学系の理論をご自身で勉強されているようで、
    自分の実践と理論の繋がりをしっかり言語化できている点が
    中々体育会系の監督にはないスタイルなように見えました。

    ビジネスの出会でも十分役立つ考え(理論)と実践だと思います。

    ちなみに、「王者の食ノート」という本も合わせて読むと、
    帝京大の成功が多面的に理解できると思います。
    (ただし、こちらの本には、組織的な話や
    リーダーシップについては出てこないので、
    悪しからず。。)

    ※王者の食ノート
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4093882193#comment

  • スポーツもビジネスもチームビルディングにおいては共通点が多くある。
    今時のマネジメント、仕組み作りなど、学びは多い。活用していきたい。

  • スポーツ界も、普通の会社員にも通ずる所に着目して、所々共感しながら読みました。

    著者の生い立ちについて、覚悟を持ち逆境を乗り越えて来られた凄さに感服した。

  • 帝京大学ラグビー部を育成し前人未到のV10に導いた監督が、自ら実践した心理学的マネジメント術、Z世代との向き合い方を紹介する。心理的安全性、成長マインドセット、ナッジ、フロー、OODA(ウーダ)ループ…。いずれもビジネスの現場で役立つものばかりだ。

    第1章 連覇はなぜ止まったのか
    第2章 Z世代とは何者か?
    第3章 コロナ禍と逆境からの組織再生
    第4章 Z世代のモチベーション・マネジメント
    第5章 逆境に負けない心のつくり方
    第6章 令和のリーダーの条件
    第7章 これからの日本を担う若い世代に伝えたいこと
    第8章 逆境に勝つ──岩出式「心理マネジメント」九つの要諦
    第9章 逆境を楽しめるリーダーが最後に笑う
    対談 岩出雅之×流大(帝京大学OB、東京サントリーサンゴリアス)

  • <目次>
    プロローグ
    はじめに
    第1章連覇はなぜ途切れたのか
    第2章Z世代とは何者か
    第3章コロナ禍と逆境からの組織再生
    第4章z世代のモチベーション・マネジメント
    第5章逆境に負けない心のつくり方
    第6章令和のリーダーの条件
    第7章これからの日本を担う若い世代に伝えたいこと
    第8章逆境に勝つ
    第9章逆境を楽しめるリーダーが最後に笑うx流大氏
    おわりに

    2022/523発行本、新聞広告を見てアマゾンで購入。
    本屋で見たら、買わなかった。

    経営学部初年度の大学生が勉強するよような経営理論の
    詳しい説明が、本の大部分を占めていて、全く面白く
    ない。出版社の編集者とゴーストライター(多分)の
    大失敗作と思う。
    もっと、学生ラグビーの現場の具体的な出来事・事例を
    ちゃんと記し、仮に経営学のフレームに当てはめるなら
    その紹介は最低限にすべきだった。事例9:紹介1くらいに。
    残念だ。

    重ねて言うが、悪いのは編集者だと思う。

  • 負けない作法からアップデートされた内容が載っていて、今後の自分に活かせていくために必要なことが多く書かれていた。自分と違う最近の世代に対して気をつけるべきことなどが参考になった。

    特に心に残ったフレーズ
    p.90 体験を経験に昇華できるかどうかで変わる。
    p.159 真面目はすぐに飽きられる。真面目なリーダーは都合のいい存在になりがち。真面目だけでなく個性や人間的魅力が大事。
    p.166 話あってみてという問いかけしている。
    あるテーマについて分かった気になっても理解が浅かったり全く分かってなかったりする。説明するうちに整理されたり言語化されたりする。

  • チームを動かす際に、心理的安全性を土壌としながら、内発的動機にいかに火をつけるかの具体的なノウハウの参考になる本。間接的指導は自分でも工夫をしながら実践してみたい。

  • 20221221

    前著に続いて2冊目。

    連続優勝を逃すようになり、体育会系の逆ピラミッドなど、前著の時よりも改善したところがあった。

    Z世代の分析、扱い方、コロナ対策など、メディアに影響されてる感じがしたかな。

  • 心理的安全性や、リフレクション、禅の発想など、自分が関心ある分野を実践しており、非常に参考となる。「知っている・わかっている」と「出来る」は違うが、著者はこうした分野を実際に「出来る」レベルで再現していると感じた。
    だからこそ、これまでの帝京大学での業績に繋がっているのかと気付かされた。

  • 「逆ピラミッド」構造で選手たちをマネジメントした内容に関して、これを取り入れた著者もそうだがそれを受け入れた生徒たちが素晴らしいと感じた。

    特に受け入れて実践した4年生に賞賛を送りたい。
    辛い1・2年の下積み時代からようやく3・4年になって自分たちの時代になったと思ったら自分たちが1年の頃にやっていた後片付けなどをやる羽目になる。
    不満や憤りを感じたと思うけど、もう一度優勝すると言う1つの目的に向かって対応することができたのではと感じる。

    指導者が変われば組織は変わるけど、その一人ひとりのメンバーの資質も非常に高かったのだと思う。

    ====
    ジャンル:リーダーシップ・マネジメント
    出版社:日経BP
    定価:1,870円(税込)
    出版日:2022年05月23日

    ====

    岩出雅之(いわで まさゆき)
    帝京大学スポーツ局長、スポーツ医科学センター教授。1958年和歌山県新宮市生まれ。1976年和歌山県立新宮高校卒業、1980年日本体育大学卒業。大学時代、ラグビー部でフランカーとして活躍し、1978年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で優勝の原動力になり、翌年度、主将を務めた。教員となり、滋賀県教育委員会、公立中学、高校に勤務。滋賀県立八幡工業高校では、ラグビー部監督として同校を7年連続で花園(全国高等学校ラグビーフットボール大会)出場に導いた。高校日本代表コーチ、同監督を歴任後、1996年より帝京大学ラグビー部監督。2009年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で創部40年目に初優勝。以来、2017年度まで前人未到の9連覇を記録。2021年度に同大会で優勝しV10を達成後、26年続けたラグビー部監督を勇退。現在は、帝京大学スポーツ局長として、同大学のスポーツ関係を総括する。著書に『負けない作法』(共著、集英社)、『常勝集団のプリンシプル』(日経BP)がある。

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    flier要約
    https://www.flierinc.com/summary/3131

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著者プロフィール

帝京大学スポーツ局長、医科学センター教授。1958年和歌山県新宮市生まれ。1976年和歌山県立新宮高校卒業、1980年日本体育大学卒業。大学時代、ラグビー部でフランカーとして活躍し、1978年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で優勝の原動力になり、翌年度、主将を務めた。教員となり、滋賀県教育委員会、公立中学、高校に勤務。滋賀県立八幡工業高校では、ラグビー部監督として同校を7年連続で花園(全国高等学校ラグビーフットボール大会)出場に導いた。高校日本代表コーチ、同監督を歴任後、1996年より帝京大学ラグビー部監督。2009年度全国大学ラグビーフットボール選手権大会で創部40年目に初優勝。以来、2017年度まで前人未到の9連覇を記録。2021年度に同大会で優勝しV10を達成後、26年続けたラグビー部監督を勇退。現在は、帝京大学スポーツ局長として、同大学のスポーツ資産を統括する。著書に『負けない作法』(共著、集英社)、『常勝集団のプリンシプル』(日経BP)がある。

「2022年 『逆境を楽しむ力 心の琴線にアプローチする岩出式「人を動かす心理術」の極意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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