永守流 経営とお金の原則

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000548

作品紹介・あらすじ

50年、体当たりで会得した
財務と資金繰りの本質を自ら語る!

銀行との付き合い、取引先の見極め、株式上場、M&A……
中小ベンチャーでも、大企業でも、絶対に変わらない「基本」を解説。
伝説の名著を完全リニューアル!

「創業まもないベンチャー企業は日々、
生き残るか、つぶれるかの瀬戸際での戦いを迫られる。
その中で実際に成長し、飛躍できるのはごくわずかである。
生き残って成長の花を咲かせるにはどうすればよいか。
他にはない技術や高い志、
それを実現するためのハードワークなどが必要なのはもちろんだが、
何よりお金まわりの戦略、財務の戦略が不可欠である、
と私は考えている」――本文より

感想・レビュー・書評

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  • 編集者の筆が入っているからか、伝説として聞くほどのエキセントリックさは無く、ふむふむなるほど、と思える内容が多かった。博打うち的な要素は殆どなく、先を読む確かな目と最悪のケースに備える慎重さを併せ持つ名経営者と思えた。

    以下はメモ。(最後のはコンプラ的にアウト?)

    日本電産の3つの経営手法
    ①井戸掘り経営(アイデアは掘れば掘るほど出てくる。)
    ②家計簿経営
    ③千切り経営

    会社を強くするための永守流の3つの極意
    ①ハンズオン
    ②マイクロマネジメント
    ③任せて任さず(権限委譲しても放任はしない)

    P87
    面白いことに「京都グダグタ銀行」が融資する際にグダグタ言った案件はすべて成功している。企業規模が大きくなり、簡単に借りられるようになると、当たり外れが出てきた。「もっとグダグタ言ってくれ」と京都銀行にお願いしたほどである。

    P212
    私はかつて海外法人に赴任する幹部に対して「そこで永住しろ。日本に帰るときは戒名がつくときだ」と言って送り出したていたが、そのぐらいの覚悟が必要なのである。

  • 永守さんがこれから起業する人に向けて、
    ファイナンスの基本を平易に語りかける本。
    中身はどれもファイナンスの基本だが、
    基本に忠実に行動し続けることがどれだけ難しいか
    ということでもある。

    永守さんがBSをどう見て判断しているのかなど、
    実務的な話がもっと知りたかったかな。

    【メモ】
    ・3つの経営手法
     ①井戸掘り経営
     ②家計簿経営
     ③千切り経営
    ・会社を強く健全にする3つの極意
     ①ハンズオン(直接把握)
     ②マイクロマネジメント
     ③任せて任せず
    ・経営状態が良い時に立ち止まり考える。
     世の中が不景気のときにチャレンジする。
    ・M&Aの極意
     ①高い価格で買わない
     ②ポリシー
     ③シナジー
     ・EBITDAの10倍越えの買収に手出ししない
     ・PLはすぐ直せる。BSの修正は時間が必要
     ・買収後は「3Q6S」を徹底する
    ・海外展開
     ・為替変動を気にせず現地での最高を目指す
     ・進出先に利益を還元する
    ・強い企業集団の条件は高賃金・低労務費
    ・経営者の条件
     ・ベンチャー経営者の資質
     ・なんでもする覚悟
     ・スペシャルマーケットを狙う
     ・マーケティングが一番大事(x技術)
    ・基本方針、原則の徹底
     ・創業5年は財務戦略の安全を大事に
     ・社員に数字感覚を植え付ける
     ・よきハンター、調教者たれ
     ・コスト意識の徹底
     ・経営者の倫理を守る

  • とても面白い。

  • 起業家向けの財務に絞った経営指南書。たいへん簡明に書かれていて参考になる所が多々あった。実績のある経営者の言葉だけに説得力が尋常ではない

  • 取引金融機関から会社に贈られてきた書籍です。
    日本電産・永守会長の経営本。

    読んでみたら、京都銀行べた褒めでそりゃ配るわと納得(笑)
    今でこそメインバンクは都市銀だそうですが、京都銀行は今でも「心のメインバンク」だそうです、ジャイアンみたい。
    そうは言いつつ、結局は担当者によって当たりはずれがあること、厳しいことを言われても金融機関を納得させ通した融資の方が成功していることなど、様々な経験からの話は読みやすく面白いです。

    取引先の見極は、新規であれば担当と共に永守さん自身が同行し確認していたそう。
    営業には朝10時アポ訪問をして、前日の灰皿がそのままの会社とは取引しないよう厳命したり、割れた窓ガラスがテープで補強したままだったりクモの巣が張ってるような会社も、経営状態が悪いか心に余裕がないので要注意と、目に見えるささいなことから信用を見極める必要性を唱えます。

    さらにメーカーならではありますが、技術があっても消えていく多くの会社に対し『技術屋というものはたいてい、数字に弱く文章もヘタ、おまけに頭を下げるのが嫌いである。』とバッサリ。
    これについては、大いに同意です。

    若干の泥臭いところはありますが参考になることが多いです。
    取引先がこの本を読んでいれば、見極められる立場として気を付けなければならないポイントも分かるともいえます。
    特に京都銀行、あそのこ行員はきっと読んでいる(笑)
    経営者でなくとも参考になると思います。

  • 日本電産の創業期から今に至るまで、またその先の未来に向けて、潰れずに経営を続けていく為の実践に基づいた原理原則が豊富に書かれており、現在ベンチャー企業で働いている身としてはとても刺激になる本でした。

  • 16歳から株式投資!含み益など当てにならない。キャッシュしか信用できない。

    利益率の高い会社ほど購買部門が強く、原価に対して厳しい。

    お金でやって来る人はお金で去っていく。人材スカウトは、年収ダウンでも人を集める感覚が必要。もちろん、結果を出せば年収を上げる!

    お祝いでもらった植木を社長室に置かない!毎日水やりする手間と、枯れた時に捨てる手間がかかる!これもコストだ!!

    成長過程では、3年周期くらいで「踊り場」が必要。行け行けドンドンにせず、立ち止まって考える。順調な時ほど、そうすべき。

    将来の姿を「ホラ」「夢」「目標」とブレイクダウしていく!

    先行き不透明、で逃げない。その中でもきちんとした見通しを持ち、戦略を立てなければならない。

    M&Aは67勝0敗。成功の3条件は、高い価格で買わない、ポリシー、シナジー。買収額がEBITDAの10倍を超えるものには手を出さない!
    買収したい先には、年初に手紙を書く!
    相手先の分析はBS重視。PLは悪くても立て直せるが、BSの修正には時間がかかる!

    3Q6Sを徹底!3Qは良い社員、良い会社、良い製品!6Sは整理、整頓、清掃、清潔、作法、しつけ!!

    買収先への敬意を忘れず!人員の整理はしない!基本的にブランドは残す!

  • 経営者のための10ヵ条や会社を健全にするための3つの極意。
    シンプルだが、なかなかできないこと。これができるのが優れた経営者なのでしょう。

  • 日本を代表する経営者、日本電産創業者の永守重信氏の経営論である。本書の特徴は題名のとおり「お金」、言い方を変えれば「守り」に重点を置いた内容にある。永守氏は屈指のM&A巧者として知られているが、本書を読めば日本電産のM&Aが失敗しない理由の一端に触れることができる。
    平易な文章でサラリと読めるが、自分のレベルが上がれば学べることが増えるのだろう。本書に星5つをつけられるような人物になりたいものだ。

  • 会社人生の師。20年前から。やるべき事を徹底的に、やり抜く。365日仕事をやる。

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著者プロフィール

永守重信(ながもりしげのぶ)
1944年、京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)卒業。73年、28歳で従業員3名とともに日本電産株式会社を設立、代表取締役社長に就任(現在は会長)。あらゆる種類のモーターと周辺機器を扱う世界No.1の総合モーターメーカーに育て上げた。日本電産は現在、世界中に300社を超える関連会社を擁し、従業員約11万人(関連会社を含む)という巨大グループに発展している。2018年、京都にて大学及び幼稚園を運営する学校法人の理事長に就任。直ちに学校法人名を永守学園と改称し、運営する大学の改革に着手。19年、大学の名称を京都先端科学大学に変更。20年、同大学に工学部を開設。21年、法人合併により京都学園中学高等学校を傘下に収め、京都先端科学大学附属中学校高等学校とした。また22年、ビジネススクール(経営大学院)を開設するなど、世界で通用する即戦力人材の育成に情熱を注いでいる。著書に『成しとげる力』(サンマーク出版)、『永守流 経営とお金の原則』(日経BP)、『人生をひらく』(PHP研究所)、『大学で何を学ぶか』(小学館)などがある。

「2023年 『運をつかむ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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