SXの時代~究極の生き残り戦略としてのサステナビリティ経営

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000203

作品紹介・あらすじ

「サステナビリティ経営」を戦略の核にしない企業は、今後生き残れない!

 いま世界で、本格的にサステナビリティを軸にした経営改革(サステナビリティ・トランスフォーメーション=SX)に取り組む企業が増えています。
 SX先進企業は、CO2(二酸化炭素)排出ゼロ(ゼロエミッション宣言)を目標に打ち出し、企業内だけでなく、取引先を含めたサプライチェーン全体で、ビジネスの根幹から環境や社会に配慮するために、事業ポートフォリオ・ビジネスモデルの根本的見直しや、事業自体の再創造に取り組んでいます。
 こうしたグローバルな巨大企業の方針変更は、当然、サプライチェーンに属する数多くの取引先にも影響が及び、対応できない企業は脱落していきます。つまり、自社が望もうが望むまいがサステナビリティ経営に向き合う必要があるのです。
 サステナビリティ経営のムーブメントは、日本にも押し寄せています。ところが、日本企業の危機意識は残念ながら希薄で、「利益につながる事業の本丸」とまでは本気で考えていないところが大半です。その結果、各社ともそれなりのコストと人をかけてこのテーマに取り組んでいるにもかかわらず、どこか「事業の本丸とは別世界で繰り広げられるアピール合戦」の様相を呈しています。
 本書『SXの時代』は、読者の方々を、こうした「ムダなサステナビリティ・SDGs合戦」から解放すべく、著者であるPwC Japanグループの敏腕コンサルタントが、読者のみなさんを「本当のサステナビリティ経営」へといざないます。サステナビリティ経営の基本から、利益を出すための要諦、KPIを設定したマネジメント方法まで、数多くの事例とともにわかりやすく解説しました。

感想・レビュー・書評

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  • DXという言葉はよくきくが、SXとは何だ?という疑問から手に取った一冊。
    最近、サステナビリティ、持続可能性、SDGsなどの言葉をよく聴くようになったが、ESGはあまり耳なれていなかった。そもそもサステナビリティとは何なのか、なぜ欧米企業はこぞって取り組み始めているのか、取り組みを利益との共存につなげるポイントは何なのか、取り組まなければどうなるのか。そういったことが広く知れる一冊かと思います。

    また最初に設問に取り組んだ上で、読み進めれるようだが
    こんなバカな答えをする経営者がいるだろうか?と少し感じた。少し導入おんために大げさに設問を作ったのだろうか?
    事例はあるが、具体的な手段の深掘りはない。続きはコンサルタント契約をしてからということだろうか。

  • どのような社会問題があって、どう取り組むべきかが分かる内容だった。サスティビリティをテーマに市場や顧客がどのような戦略にシフトしていくか把握しておくことで、今後の製品開発に仮説を立てることができると思った。

  • 【環境・社会は経営の根幹】
    2021年4月に出版されたこの本では、近年ビジネス界でも盛んに話されるようになったサスティナビリティ・トランスフォーメーション(SX)について、重要となっている背景、それの意味する具体的な変革、手法、事例を論じている、とても分かりやすい内容となっている。

    個人的にSXについて学ぼうと手に取った初めての本であり、他との比較は現時点ではできないけれど、筆者らは民間コンサルタント会社PwC社員であり、彼らのチームの使うSXコンサル事業のアプローチなども紹介されている。

    海外の有名SX先進企業が多く事例として出され、SXのプロセスをカテゴリー化するなど、実際ににどのような改革がなされているかの主なものを知ることで、SXに対する理解を深めることができる。

    特に興味深かったのが、社会・環境の持続可能性に関わる要素をプレ財務要素として定量化することで、それらがどのように経営に影響を与えているかを会計上に反映して評価する手法。これにより、市場価値(経済価値)で測られる民間企業の健全性に社会・環境サスティナビリティの観点を組み入れ、サスティナブルな企業の財務や投資を促すものである。

    現実にはSXの実践において様々な課題等が生まれているかと思うので、その辺りについてもさらに理解を深め、現在どのような形でSXが企業の間で実践されているのか、先進諸国とSX後進国とされている日本国内ではどのような段階の違いがあるのかなどをさらに学びつつ考えていきたいと思った。

  • #メモ

    経済価値=孫亀 / 社会価値=子亀 / 環境価値=親亀

    企業が主語:サステナビリティ / 投資家が主語:ESG / 国際社会が主語:SDGs、PRI

    北極星を見つけるためのステップ
    ステップ1:既存事業領域のビジネスモデルで抜本的変革を検討する
    ステップ2:新しいビジネスモデルや新技術・新商品の開発を検討する
    ステップ3:顧客企業の外部不経済を最小化する新商品・サービスを検討する

    全社目標を設定する→インパクトパスを設計する

    ・プレ財務情報の「見える化」を実現する方法
    社会・環境インパクトを可視化する(金銭価値で示す)
    →社会・環境インパクトを測定する(プレ財務指標にかける係数を定義する)


    #感想
    サステナビリティビジネスに関わる人にとっての入門書としては良い本なのかも。
    経営に関わる本ということもあって抽象度が高く、ありふれた内容に感じてしまった。

  • SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)について、わかりやすく明示的にまとめられた書。
    外部不経済の内部化を親亀子亀孫亀に例えたのはわかりやすく、その点踏まえての成長戦略がSXなのだということが、企業の競争原理の点からもとても腑に落ちた。

  • SXに関する書籍が少ない中、概要から具体例までまとまっていてわかりやすい。ただし視座が高めで、具体的な行動となるとイメージしづらいと感じた。

  • 途中から、大企業に迎合?し始める辺りから、急に論理が繋がらなくなっていった。
    ビジネス戦略ではなく、経営戦略の根幹に対してもっと深くアプローチを提案する本を期待したい。

  • いったんの整理はつく

  • サスティナブル経営を謳うだけでは、うまくいかないと改めて思えた一冊。
    最初からビジョンをもってない場合、従業員に浸透させるのはなかなか困難。
    小さい部分から徐々にテストしていくしかなさそう。
    サントリーやメルカリなど他社事例の部分は大変参考になった。

  • やらされSDGs対応から脱却する意識づけにいい本だった。

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著者プロフィール

PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス エグゼクティブリード。PwCサステナビリティ合同会社。20年以上の戦略コンサルティング経験を有し、企業の経営戦略、事業ポートフォリオ、事業戦略、海外戦略、アライアンス・M&A(PMIを含む)、企業変革などのプロジェクトに多数携わる。特に、企業の経済的価値に加え、環境・社会的価値を向上させるためのサステナビリティを軸にしたトランスフォーメーションを支援。サステナビリティビジョンと中期経営計画との連動、中長期的な視点での業態やビジネスモデルの変革などの活動に注力している。生命保険会社、ブーズ・アンド・カンパニーを経て現職。著書に『SXの時代』(共著、日経BP)。

「2022年 『2030年のSX戦略  』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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