- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784295406853
感想・レビュー・書評
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金利は炭鉱のカナリアとも言われており、投資環境を知るのに役立つ。短期・長期金利や金利差が重要な指標であることは理解したけど、金利だけでなく為替や物価との関連で見ていく必要もあるように感じた。
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ISM製造業景況指数=指数50を基準として、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を意味する。
バブルの時は70くらいでリーマンショックの時は35くらい。
信用サイクル=10年サイクル
景気と企業の信用力の関係を表す
調達金利の上昇や低下により
金融政策サイクル=5年サイクル
金融引き締めや金融緩和により
在庫サイクル=2.5年サイクル
在庫の増減により
長期金利は短期金利の先をいく、景気のバロメーター
利回り曲線(イールドカーブ)=債権の満期までの利回りと期間の関係を示した曲線
縦軸に利回り、横軸に期間を用いた折れ線グラフ。
曲線の傾きが大きくなること(長短金利差拡大)を「スティープニング」、小さくなること(フラットニング)と表現する。
利回り曲線は、通常短期金利より長期金利が高いため、右肩上がりとなりこれを順イールドという。
利下げ前には右肩下がりになり(長短金利差逆転)これを逆イールドという。
社債スプレッド=社債利回り−国債利回り
スワップスプレッド(%)=スワップ金利−国債利回り
スワップ金利とは変動金利と交換の対象となる固定金利のこと
国債利回りは、今の景気と並行して動くので、スワップスプレッドが拡大したら、将来の金利上昇を予測し、縮小したら金利低下を予測する。
住宅ローンでは固定金利のニーズが高まればスワップ金利は上昇し、スワップスプレッドは拡大する。
変動金利のニーズが高まればスワップスプレッドは縮小する。
景気減速局面は、米株高、米債権高、米ドル高のトリプル高になる。
米株高=
①原油や銅、鉄などの商品市況が落ち着きを取り戻し、原材料価格が低下する。利ざやが増し、企業収益も改善
②自社株買いやM&Aが増える
ユーロ圏
各国が通貨政策を行えないため、ドイツとの国債金利差に注目。
ドイツの景気は米国に追随する。
現在インフレ気味。
金融引き締めをしたいが、ギリシャ、イタリア、スペインなどの国が反対。
ECBによる国債購入なくなれば国債金利の上昇を招く。
利上げできない日銀の実情
日銀の収入源は国債からの利息収入
保有長期国債の利回りと当座預金金利の利息利回りの差分
0.213%−0.047%=0.166
利上げによって逆ザヤになってしまう。
政策金利2%、当座預金利息2%、保有長期国債の利回り0.213%の差分
0.213−2%=−1.787
年間約8兆円
そのため目指すのは現行の金融緩和策の修正
マイナス金利の撤回、長期金利操作の終了、そして利上げ
投資環境スコア
1.政策金利=前年に比べて水準が高い(利上げ)時は、一年程度の時間を置いて景気減速に作用する。
そのため前年差が0.25より大きい場合マイナス
2.長短金利差=逆イールドすなわち長短金利差がマイナスになると景気減速を示唆するためマイナス
3.長期金利=前年差を計算することで、長期金利が上昇トレンドが低下トレンドかの判断に用いる。
長期金利差の補足的な存在で、長短金利差がマイナスかつ金利が低下トレンドにあるときは景気減速の警戒サイン
4.米ドル指数=前年比変化率を計算する。米ドル高の場合には、主に新興国経済にマイナスに作用
重要
夏に見られる「短期金利上昇による縮小」、秋に見られる「長期金利低下による縮小」の2段階があり、長短金利差が0%を割れたら景気後退局面入りの可能性が高い
長短金利差縮小後期の条件は、①長期金利が前年比で低下、②長短金利差が0.5%割れの2点 -
金利を見れば投資はうまくいく
金利について少しまとめて勉強してみたいと思ったので手に取った。
2022年6月初版発行。2024年2月時点で10刷発行は結構なハイペースなのでは。債券運用歴30年超の著者が、初心者向けに平易な言葉で金利の基礎から解説してくれている。それでも部分的に理解できないところはあるのだけれど。読み返してみたい本。
・世界経済の先行指標となる米国経済を焦点に、景気の変節点を金利の変動から見定めようとする視点。長短金利差、社債スプレッドの変化などが主なものだが、理解しやすい。
・第5章「お金は世界を回っている」
ここで基軸通貨である米ドルが、世界市場をどのように循環しているかを図解も含めて解説している。WD(ワールドダラー・米ドル流動性)の概念も含めて非常にサラッと解説してくれている。基軸通貨論については他の著者のもので読んでいたが、どうしても政治・外交的な切り口からの議論になってしまう。ここまでカジュアルに説明している本は珍しいのではないだろうか。
・第9章「投資で成功するために」
米国の投資環境を簡単に把握する方法が提案されている。セントルイス連邦銀行の公開資料から誰でも作れる。一つの目安として、自分で作ってみたい。
・2024年3月時点で読んで、およそこの2年間の経済動向を正しく予知していたと思う。米国の長短金利差は2022年10月頃からマイナス圏に突入しており、その一年後に当たる今年は注意が必要な場面のようだ。慎重にいこう。
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景気のサイクルは長短金利差を見ることでわかるとし、その見方やサイクル時期における投資スタイルを解説してくれたもの。
よりデータに基づいた投資を行いたい投資初心者におすすめ。
しっかり理解するために何度も読み返したい。 -
『#金利を見れば投資はうまくいく』
ほぼ日書評 Day759
Kindle Unlimitedにて。
この世界、何となく齧りかけて、正直よくわかっていない。プロの方からすると当然のことしか書いてないのだろうが、そんなところも見なければいけないのかー…と、勉強苦手な子的な"絶望感"が走る。
もちろん本書や著者のフォルトではなく、評者の勉強不足によるもの。紙の本を買って、もう一度、頭から読み直すかな。
https://amzn.to/3un2Zei -
分かりやすい。
自分のものにするには何度か読み直すべし。 -
投資の予測
1.ISM製造業景況指数 50が基準
2.長短金利差
3.信用サイクル:社債スプレッドで確認 -
最近金利の話を良く聞くが、いまいちわからなかったので読んでみた。
不況が起きる前に金利に動きがあったり、10年に1度は大きな不況が起きるなど、投資をするにあたり知っておきたいことが書かれていた。
次の不況は2030年ごろかなぁ?
その不況を乗り越えられるように今から準備しよう! -
・政策金利(短期金利)は金融政策の影響を受け、慎重に判断、動きがあり、長期金利は景気の影響を大きく敏感に受けて変動する。
・日銀は長短金利差(例:大量に保有する国債の利回り0.2%−銀行への当座預金利息0.05%)で利益を出している。短期金利を上げることは長短金利差の縮小になり赤字の方向になるため、金利を簡単には上げられないという背景もある。
YCCの長期金利(10年国債)誘導目標0%近くを修正しないと、長短金利差は小さくなる一方であり、まずはYCCの修正(上限変更?5年国債に変更?)が見込まれる。 -
金利を四季の循環で考える。
REITと社債スプレッドは新たに覚えておきたい。