ヘルベルト・フォン・カラヤン 僕は奇跡なんかじゃなかった: その伝説と実像

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276203792

作品紹介・あらすじ

オーストリア音楽批評界の重鎮、カール・レーブルによる最後の著書。27歳でアーヘン歌劇場の音楽総監督に就任し、ついには楽壇を支配するまでに上り詰め、そして生前の華々しい成功からは想像できないほど簡素な墓に葬られる日まで、クラシック音楽界の未来を見据えて生き続けたカラヤン。著者自身の思い出、カラヤンと同時代を生きた人々の賛嘆や反感の声、当時の記録や資料等をもとに、本書は伝説と実像を区別しつつ、20世紀最大の指揮者の知られざる素顔、本質を描き出している。長年にわたり新聞や雑誌、テレビ等で人気を博した著者が、冷静ながらも温かな眼差しで綴った文章は読みやすく、指揮者の代名詞的存在であるカラヤンを知る第一歩としても最適な内容。またカラヤンを通して表層には出づらい当時のクラシック音楽業界の裏側なども垣間見ることができる。クラシック音楽ファン以外にも、彼をリアルタイムで知らない若い世代にもオススメの1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 数々の噂に彩られた偉大なる指揮者、カラヤン。
    この本は、さまざまな調査とインタビューを重ねて、人間としての等身大のカラヤンをあらゆる角度から浮かび上がらせています。
    カラヤンに関する本は多数出ていますが、没後30年がたっても今でもクラシック界にその名をとどろかせている彼。
    美しい伝説としてまとめ上げず、様々な角度からカラヤンの実像をつかもうとしています。

    先見の明があり、近く到来するテクノロジーを予測していた彼は「十年遅く生まれたかった」と言っていたそう。
    文学や美術には関心を持たず、音楽と技術的なものの話になると止まらなくなった、完全なる理系人間。
    日々進歩しつつある技術のその先を見つめる、時代に先駆けて生まれてきた人だったんですね。

    自分が完璧だと信じていた唯美主義者カラヤン。
    その強くりりしい生きざまは、時に反感を招きながらも、今なお人々の心に深く刻まれていると、改めて感じます。

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著者プロフィール

Karl Loebl:1930年ウィーン生まれ。音楽評論家。“Kurier”新聞の文化欄主任等を経て、1980年からORF(オーストリア国営テレビ放送局)の文化主任を務める。ラジオやテレビ番組の司会でも人気を博し、テレビでは700回以上のライブ批評「初日の後で」を担当。退職後はコラムニスト、音楽評論家として活躍。ウィーン・フィルハーモニーのゴールドメダル(ニコライ賞)、レンナー賞を受賞。著書は『奇跡のカラヤン』(1978)、『レコードで聴くオペラ』(1983)等。


「2017年 『ヘルベルト・フォン・カラヤン 僕は奇跡なんかじゃなかった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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