- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784272360826
作品紹介・あらすじ
「認知症になったら何もわからないという偏見をなくしたい」――2005年、51歳のときに若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けた佐藤雅彦さんは、心の葛藤や日常生活の困難に対峙しながらも、前向きな生き方を模索してきた。本書は佐藤さん自身が、当事者としての不安や悩み、生活上の障害などを詳しく語り、認知症になっても人生をあきらめる必要などないことを、力強く訴える。(解説:永田久美子[認知症介護研究・研修東京センター])
感想・レビュー・書評
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上野千鶴子さんの講演会で紹介されていた本 その⑤
認知症患者自身が書いた貴重な内容の数々
でも認知症患者の方がまとまった文章を書けるわけがない
きっと編集者のかたが書き起こしているのだと思いながら読んでいた
永田久美子さんが書いた最後の解説で知った
記憶が途切れていくなかで 自ら書き置いたものや講演会資料
語られた言葉などを編集者の方と一緒に「ありのまま」表現されていると
「消えていく記憶」と格闘しながら 克明に記録しつづけていたからこそ
この本で多くの人が認知症患者の日常や心の葛藤を知ることができた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
認知症と診断されてからもマンションで一人暮らしを続けている佐藤さん。IT機器を活用し、当事者団体や講演なども精力的に行っています。
発症から診断までの経緯や思い、生活上の工夫が平易な言葉で描かれているので、読みやすいです。
「買ってはいけないリスト」は、無駄遣い防止にも良さそうなので私も取り入れたい。
認知症本人の方の意向、性格、生活歴を踏まえた支援が大切だと実感。 -
認知症について、医師や介護スタッフが著したものは多いが、本書は当人が著したもので、いかにも臨場感がすごい。
認知症になったらとき、「なにができなくなるか」を考えがちだが、佐藤さんは「なにができるか」を考えたという。これは当人だからの感情で、これからの認知症ケアに非常に示唆に富む表現だ。 -
2023年10月特集です。
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認知症は病識がなくて自覚がないって言われるがそんな事ないって物語る内容だった。iPadを使うなど工夫すれば継続出来るのは驚いた。
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認知症の人の内面的な”感じ”がよくわかる。この人は、いろいろ自分で考えて工夫して一人暮らしの生活を維持している。いわゆる自分の”普通”と地続きでよくわかるところもあれば、あきらかに質的に違うように感じられるところもある。いろいろ興味深い。いずれにせよ、こうして工夫ができるということ、それどころかこの人のようにあきらかに新しい世界(教会やボランティア活動、講演、政治的な活動など)に踏み込むことができている、ということに勇気づけられる。
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すごい本だと思う。
認知症と宣告された患者本人がその10年間(本人が忘れないようにメモを取ったりしたものなどをもとに)の記録から再構築して出版されたもの。
読み進んで感じたことは、そのバイタリティーと行動力の素晴らしさ前向きさ...etc
ただ、ぼんやりと日々を過ごしてしまっている私よりもずっとずっと精力的であるということ。
自分が恥ずかしくなる...。
佐藤さんの生活スタイルを見習わなくては...
と思ってしまう。
著者の佐藤さんは忘れない工夫、生活のしやすさ、など多くのアイデアを生み出しており、断捨離ブーム、ミニマムな生活などを取り上げた本などにも書かれている工夫をすでに行なっており、きっと彼自身がそういうことにも長けていたのだと感じる。
うまく書けないけど
きっとどんな人も一人では生きていけなくて、そういう意味ではこの本の中に書いてあることに〜じんわりと心を揺さぶられる〜そんな感じがした。
日々の過ごし方、生き方、心のあり方...
そんなことを見習いたいと思ってしまう。...そんな本...
「佐藤雅彦」氏
初めはピタゴラスイッチの佐藤雅彦氏だと思って手に取ったが同姓同名の人だった。認知症のことは少し知りたいと思っていくつか読んでいたけれど、患者さん本人の症状の経過やその工夫などが、もちろん実体験を通して描かれているの読み応えもあるし、目からウロコの部分もある。
この本に偶然であったけれど出会えてよかったとしみじみ思う。感謝だ! -
一人暮らしを継続している若年性認知症になった当事者が、心の持ち方の工夫、生活の中での工夫について私生活をさらけ出して書いている。
認知症を経験したことのない人が、当事者はどう感じ、どうやって前向きに生きているのか知ることができる数少ない本。
筆をとってくれたことに感謝。 -
タイトルの通り、若年性認知症になった当事者本人が書いた本。
認知症になっても様々な能力が残されているということ、認知症に対する誤解や偏見をなくしていかなければいけないということを主題とする。
筆者は元IT技術者で、団塊の世代より若いので、「IT機器を駆使して認知症による不便を補う」という発想は、現時点で既に後期高齢者になっているような世代の認知症患者には適用できないかも、とは思う。
だが、これから高齢になっていく我々世代には、役に立つ知識だと思う。
また、認知症当事者からの、「当事者はこう考えています」というアピールは、肝に銘じなければいけないと思った。