自然農という生き方: いのちの道を、たんたんと (ゆっくりノートブック 8)

  • 大月書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272320387

作品紹介・あらすじ

耕さない、農薬も肥料も動力機械も使わない田畑でいのちを豊かにめぐる。

感想・レビュー・書評

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  • 足るを知る
    何をするかより何をしないか

  • 自然農を実践している人との出会いをキッカケに読んだ本。
    スローフード、スローライフから感じていたイメージを大きく裏切られ(というより無知だっただけですが)自然農の本というよりは、自然農的な生き方を学べる本であった。
    不安が多いように感じる現代社会において、自然と共に生き、足るを知るというコトを再び学ぶことが出来た。
    ある意味で全ての人が「答えを生きている」時代にあるのだと悟れた。
    川口さんは仏教の縁起の思想を説いているともいえます。
    始まりもなく終わりもない生を「生かされていきたい」と思いました。
    素晴らしい一冊です。

  • 足るを知る!

    道を外してはならない。

    すべての生き物、命はつながっていて、益虫害虫もない。耕すことで、堆肥を入れることでその場所の生命をこわしている。

    自然のままでよい。種蒔いて植物が自分で大きくなるまで手助けしてやればあとはたくましく育っていく。

  • 農薬を使わないとか有機野菜を作っている農家のお話かと思って手に取ったが、内容は農業の仕方・営み方の話でなく精神的メッセージが多数。川口さんが営む自然農はより原初に立ち返るような営みで、自然農というありかた自体が目から鱗。そこから学び取ったもの、体感を言葉にするとこうも広大な世界観を得るのかとまた目から鱗。
    対談形式だけれど聞き手と若干やり取りに食い違いがあるように感じる。自然に逆らわない、足るを知り、宇宙の流れの中で命の道というものを歩んでいこうとする川口氏と社会問題の解決策として農に注目している辻氏とでは、視座に違いがあるように感じる。
    人間のあるべき姿とは?本当の生きる、とは?
    己の在り方に疑問を持ち始め、そこから農業へと通じていく人は多いと思うのだが、
    印象的で少し安堵したのは、農業に向く人向かない人がいるということで、万人に自然農を推す意図が川口さんにはないということ。それぞれがそれぞれのやり方で、人の道、命の道を踏み外さずに生き、生きることの強さを一人ひとりが培うことが大切であると云ってくれたこと。

    余談だがこれを読んで漢方にも興味が出てきた。

  • 川口さんが、体調を崩して、複合汚染を、読み、本当に美しいものを求め自然農を始めた経緯、母の反対や、数年間の収穫ができない期間を乗り越えて、工夫を重ねて今の、耕さない、持ち込まず持ち出さない、草や虫を敵としないという自然農にたどり着いた経緯、それを広める赤目自然農園という形について、わかった。

    作物が幼い時に、他に負けるといけないが、いろんな草や生き物の中で育つ方がいい。48→人もこどもも一緒。

    水田に米だけではダメ。地球に人だけではダメなように。多様な生物が同時に生きて生かし合いになる。51→そのなかで、負けない力を育んであげる、少し手を貸してやるということか。

    川口さんは、世の中を変えようとか、自然農でなきゃダメと言ったことは話したことがない。人の生き方は変えられないから。自然農はひとつの答えを示しているが、教育、医療、政治、宗教、芸術など、それぞれの分野で役割分担をし、総合的に学んで研鑽し合うことが大切。122→看護師という自分に与えられた役割を全うしきれていないのに農に進んでいいのだろうか。両方をかけ合わせてやりたい。

    ところで、農薬を使っている人に、ぼくから苦情はいいません。相手を「正しさ」で批判すると、相手の立場がなくなって、さらに対立、争いになっていく。求めていない人に、一方的ではダメ。自分が対立的にならないように振る舞う。118→非暴力不服従のような強さを感じた。意見を主張しがちだから気をつけよう。

    村の役割に参加しないこと、農薬を使わないことに関して、怒られても、自分のやろうとしていることを説明しない。僕のことであってその人のことではないから。そうすると、さらに反発されて、自然農ができなくなる。聞きっぱなしにすると、「いいすぎたかなぁ」と、思われて、収まっていく場合が多い。双方に言い分があるが、ぼくはいってはいかない。常識はずれのぼくがわがままを言っていることになっているので、相手の言い分を聞くに徹する。120→こういう覚悟がいるのね。虫を敵としない、人も敵としない!かっこいい。

    医者は、心にも、精神にも、生き方にも、価値観にも、人生観にも、食生活にも働きかけ、導くことを怠ってはなりません。そのうえで、体に働きかけるのが仕事。137→人としてぶつかっていく覚悟が必要。こらが東洋医学の考え方が?

    生態系を甦らせるには、これ以上壊さないこと。損ねることから離れることり修復する必要性がないのが自然界。人が行う修復は、新たな問題を招く。164→大自然に委ね、つましく生きていきたい。


  • 単なる農業や食物の育て方について書かれた本ではない。生き方であり、自然との向き合いかたであり、思想であり哲学であるような内容。図書館でまた借りて、読了したい。

  • マーマーマガジン

  • 自然農=耕さない、肥料を使わない、除草しない

    自然の循環に沿った生き方、農業が大事。
    耕した土壌、除草した土壌は、乾燥しやすく、水分がないためやせた土地になりやすい。一方、雑草が生えたままの土壌は、水分が多く含まれていて、やわらかい土壌である。
    こういった自然のあり方を活かして農業をする。
    納得があって面白かった。

    いのちは、生かし合い、殺し合いで成り立っていることが自然農からわかり、大事なのは人としての「あり方」だと言っていた。単なる技術ではなく、哲学のようです。自然農から人の道はこうあったほうがいいよねという内容でした。

    メモ
    赤目自然農塾

  • 2011年8月17日読了。

    川口さんの思いの強さ、迫力に圧倒された。いのちの基本を見つめなおし、生き方を考えるヒントになる。

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著者プロフィール

奈良県桜井市在住。自然農の第一人者として各地で実践指導に当たる一方、1980年代から各地で『傷寒論』『金匱要略』を読み解く講座を開催。本書はその講義録を大幅に加筆修正して構成した。
著者に『妙なる畑に立ちて』(野草社)、『自然農にいのち宿りて』(創森社)、『完全版 川口由一 自然農』(ワン・パブリッシング)、 『自然農と漢方と いのちに添って』(言視舎)など多数。

「2023年 『叢書 古方漢方の世界 傷寒論を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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