最後の授業 ぼくの命があるうちに (RHブックス・プラス)

  • 武田ランダムハウスジャパン
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本棚登録 : 65
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784270104224

作品紹介・あらすじ

名門カーネギーメロン大学の講堂で、ある教授が「最後の授業」を行った。教授の名前はランディ・パウシュ。バーチャルリアリティの第一人者で、コンピュータサイエンスの世界的権威だ。46歳、愛する妻と3人の子供に囲まれ、最高に充実した生活だった。だが講義直前、癌の転移が発覚、余命半年と宣告される。ランディには最後の教壇で、まだ幼いわが子へ、学生たちへ、どうしても伝えておきたいことがあった-。世界中の心に響いた感動のメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • カーネギーメロン大学のバーチャルリアリティーの研究で有名な教授が46歳で膵臓癌に侵されながら、最後の授業を大学で実施。Youtubeなどで話題になり全世界に広がった。

    この本はその最後の授業で伝えたかったことが記載してある。

    自らの生き方、信条を生徒や観衆へ伝えるとともに、残される家族(妻、3人の幼い子供たち)へ、成長した未来の子供たちへ向けてのメッセージ。
    重苦しく、辛気臭いものではなく、力強く、ポジティブに前に進めるメッセージとしてつづられている。

    筆者はとにかく研究熱心で情熱があり、優秀な人なので、かなりの若さで終身教授の位を得て、子供のころの夢も次々に実現している。夢をあきらめないで突き進むこと。これが端的なメッセージ。成功者としての発言だし、この人が優秀すぎるから達成できるんじゃないの?とも思うけど、やはり「自分を信じ続け、前に進むことが大事」というメッセージは力強い。

    子ども、妻を残して死んでいくことは、非常につらく残酷なことだし、本人の不安、恐怖は我々には推し量れないくらい深いものであろう。
    残された家族の中に自分の思い出がしっかりと残ることで、家族の支えになること、死んでいく自分がどれだけ家族のことを思っていたかを知ってもらうことで、残された家族の支えになれること。をすでに癌で夫を亡くした家族に対して聞き取りをすることで筆者は知る。

    精神的にも肉体的にも苦しんでいる中で、筆者がここまで力強いメッセージを出せるのは、このような人と人とのつながりに対する、肯定的な信頼感、考えがあるからだと思う。

    人は一人で生きているわけではなく、人とのかかわりの中で生きていて、物理的に存在しなくなっても、人と人との間に生き続けられる。
    「亡くなった人が天国から見ていてくれるよ」という言葉は、身近な死を経験するまでは陳腐な表現であると思っていたが、自分の中に亡くなった人が生き続ける事、それを残された人達で共有することで、その人はやはり存在し続けるのだと思う。だからこそ、亡くなったことを受け入れ、残された人達も生きていけるのだと。

  • がんで余命半年と宣告された、バーチャルリアリティ分野の第一人者である著者の、大学での「最後の授業」。
    学生に語りかける形を取りつつ、その言葉たちは、残される子供たちと妻にも向けられる。

    印象に残る言葉はたくさんあるが、とりわけ印象に残ったのは、

    「僕が思う親の仕事とは、子供が人生を楽しめるように励まし、子供が自分の夢を追いかけるように駆り立てることだ。親にできる最善のことは、子供が自分なりに夢を実現する方法を見つけるために、助けてやることだ」

    というもの。

    そして、医師が彼を評して言った「楽観主義と現実主義の理想的なバランス」は、自分の人生でも大切にしていきたいと感じた。

  • 世界的に成功をおさめ、妻と家族にも恵まれた名門大学の教授が、余命半年と告げられた後に行った、最後の授業について語った一冊。

    子供のころ、両親のこと、仕事のこと、妻と子供たちのこと。そして、自身がどうやって、夢を実現してきたか。どれもこれもが、死を前にした人間とは思えないほど力強く前向きな言葉で語られます。セネカの言葉「幸運は準備と機会がめぐりあった時に起きる」など、著者が励まされてきた言葉たちが、自身の遺言のように紹介されていきます。何といっても、家族への溢れる思いを語る場面、特に最後の子供たちと妻へのメッセージには、思わずホロっとしてしまいました。

    一日一日を大切に生きなければ、という誰もが知っていながら実施が難しい言葉を、あらためて思い出させられる一冊でした。

  • 「あなたの寿命は,あと数年です。」突然の余命宣告を受けたカーネギーメロン大学教授ランディ・パウシュ。自らの寿命を知った彼は,少年時代から描く数多くの夢の実現に向け,動き出した。この本は,彼が最終講義として発表した人生の振り返りを克明に示している。

    *推薦者 (工院)K.K.
    *所蔵情報
    http://libra.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00329145&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 人生を終えるときに後悔するのは、自分がやってきたことではない、やらなかったことです
    重い言葉です。

  • 「I don't believe in no-win scenarios」(勝ち目のないシナリオがあるはずはない)のセリフで有名(?)な『スター・トレック』のカーク船長に憧れていた著者。
    カーク船長を演じる俳優・ウィリアム・シャトナーが、著者の病気について知ると、メッセージ入りのカーク船長の写真を送った。メッセージの内容は、冒頭のセリフ。カッコ良すぎる…

    「夢をかなえる道のりに障害が立ちはだかったとき、僕はいつも自分にこう言い聞かせてきた。レンガの壁がそこにあるのには、理由がある。僕の行く手を阻むためにあるのではない。その壁の向こうにある『何か』をどれほど真剣に望んでいるか、証明するチャンスを与えているのだ」

    チャレンジする者に立ち向かう力を与えてくれる。
    (2012.12.5)

  • 家族愛のまっすぐさや力強さの国民性による違い、いや、それらの表現の仕方の違いを感じた。何度も出てくる壁の話。決意という言葉の本当の重みに思いを巡らす。

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