- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270003466
作品紹介・あらすじ
自分ブランドを確立するために今すべきことは何か。エンツォ・フェラーリをデザインした男・奥山清行、世界流仕事術。
感想・レビュー・書評
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筆者はフェラーリもデザインしとことがらしいデザイナー。
彼のスケッチがたくさん入っていて、
車に特別、興味のあるわけじゃない僕にでも楽しめる。
もちろん、中身も濃い。
彼の考え方に共感できた。ほかの著作も読んでみよう。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本を代表するデザイナー奥山清行氏。彼のフィロソフィーがあふれている。マーケティングに携わる人、製造業や建築業で設計に携わる人のみならず、すべての知的ワーカーにおすすめ。大変恐れ多いが、奥山氏は目標になる。彼に私淑しよう。
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男子であれば誰でもあこがれるであろう、ポルシェ、フェラーリのデザイン責任者が日本人だったということは、これまであまり知られていなかったであろう。それだけの実績を持っている人だけに、時には痛烈な日本社会批判も垣間見える。冒頭にあるように基本的には若い読者へのメッセージであり、厳しい言葉は、これからの日本がさらに高いレベルで世界と伍していけるようにとの願いから来ているのであろう。一方、こうした現代日本への批判は、世界で成功した日本人に概して共通している態度であるが、多くの場合苛立ちの表明だけに留まり、解決策の提言が伴っていない場合が多い。大前建一などは、典型であるが、奥山氏もどちらかと言うとそのタイプである。
デザインという世界は凡人にはなかなかわからない世界で、閃きが全てである天才の世界と一般的には思われているかもしれない。しかし、彼も他の多くの天才として称えられる人たちと同じように、基本を大切にし、準備と努力を怠らないプロ中のプロである。暇さえあればデッサンを書き続け、その数は数万枚にまでなるという。アイ地道な作業が下地にあるからこそ、華やかな活躍ができるのであろう。イチローが入念に基礎練習を行い、準備に時間を掛けることと通じるものを感じてしまう。
彼が行っていることは、直近に読んだジェイムス・ヤングのアイディアの作り方に書いてあったことと全くおなじことを実践しているのである。
とことん情報を集め、それを咀嚼し、そして熟成するのである。奥山氏が、ヤングの著作を読んだことがあるかどうかは知る由も無いが、それぞれの分野で頂点を極めた二人の言っていることが同じようなことであるから、やはり普遍的なものなのであろう。凡人がまねをしたとろで同じ領域に到達することは出来ないにせよ、姿勢は大いに見習うべきであろう。 -
筆者の奥山氏は学生の時から海外に飛び出し、GMやポルシェ、フェラーリといった欧米の自動車会社で開発を手掛けてきたが,現在は山形に会社を構えて活躍している。山陽新幹線は氏の最新の仕事だ。著者は工業デザイナーとしての自らの成長の理由は、困難に立ち向かう意志と、未来の自分を創造し行動する力にあると論じる。実績とリンクするその言葉は説得力があり、世界に飛ぶ意欲を持つ若者であれば背中を押されるだろう。氏自身のスケッチや作品の写真が豊富に掲載されており、その巧なアイディア展開と明快な表現力もデザインを志す者にとっては必見だ。 (本学教員 推薦)
↓利用状況はこちらから↓
https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00533974 -
日本(人)に対する批判が目立つのがやや気になったが、海外で様々な経験を積み、実績を挙げた筆者だからこそ物足りなさや奮起を促したい気持ちがあるのだろう。
日本のデザイナーたちが単にモノづくりのデザインという事でなく、ビジネスそのものまでデザインの対象を広げていくことによって企業の競争力も高まっていくのではないか。
それはデザイナーだけでなく、技術者全般にも言えるのかもしれない。
つまり専門的技能をその専門分野のみに留まらず、より広い範囲、高いレベルで応用できる機会をもち、実行できるかどうか。 -
うん、やろう
って気力がわいてくる -
<ネタバレ>
◆やらずの後悔より、やって後悔する
チャレンジしなければ失敗という経験が出来ない。
小さい失敗を繰り返せば、大きな失敗には至らない。
◆とりあえず4年やってみる
すぐに目の前の仕事をつまらないと決めない。
4年やってみて、何かを感じてみよう。
◆議論は相手じゃない、仕事にだ
日本人は議論が下手。相手(人)と議論するんじゃない。
内容について議論する。会議中は胸ぐらを掴んでも
終わったら仲良く飯を食べるぐらいでちょうどいい。
◆リサーチしすぎるな
リサーチしてしまうと、する前の自分に戻れない。
リサーチした結果に基づいた商品が本当に売れる?
意外な商品にユーザーはココロが動くのでは?
価格競争以外の自分たちだけの価値を見出す。
◆お客さんの姿を想像する
車が企画→商品化→ユーザーの手元に渡るまで
5年間と言われている。25歳なら30歳に、15歳なら20歳に。
時代の先を想像して勝負する。
◆人の意見はほどほどに、最後は自分で決める
人の意見は嫌になるほど聞く。
でも、全員の意見を聞いた商品って・・・魅力ある?
最後は自分で決めよう。
◆真似の出来ないモノづくり
中国や韓国に真似出来ないものを作ろう。
◆デザイナーをアーキテクチャから導入
商品の皮だけを担当させるんじゃなく、
最初から一緒に作りあげる。
◆自分が初めてのことをやる
誰もやっていないこと、世界は自分がトップ。
先頭を走ることはメリットが大きい。
◆負けるはずがない
自分が好きになったことは死ぬほど努力して
負けるはずがないと確信するほど頑張ってみよう。
◆オンサイトの精神
今の社会は、現場の声を知らずに物事が決まっていく。
実際に現場を確認し、決定していく環境を作る。
◆自分のメニューを作る
万人に受ける人などいない。
ならば受ける長所を作って、準備すればいい。 -
第三弾。
もっともシンプルにてわかりやすい。
カラーのデザインスケッチとメッセージを見開きで読みきりに。
これで2500円なら高くは無い。
1,2作を読んでいれば、文章は特に新鮮な驚きは無い。
NAVIに連載の記事とかぶるものも多い。当然、スケッチは同じもの。
だが、多くは興味深いものばかり。
クアトロポルテの初期スケッチでは縦型ヘッドライトだった。
大統領も乗るクルマなのでと改められたが、
それは後の、612スカリエッティのものとほとんど同じデザインだ。
ポルシェ、アルファ、4ドアフェラーリ、ミニバン、バイク。
さらには水族館、モニュメント、家具、メガネ、テーマパーク・・・
時には、日本人管理職や地方官僚への痛烈なダメだしも。
エンツォフェラーリの不採用案も大きく紹介されている。
典型的なスポーツカー、恐れをいとわずに表現すると、あの「オロチ」のような。
いかにもそれっぽいが、期待を上回らない。
タイトルはエンツォフェラーリのデザインは15分で作り上げたものだが
それに至るには1/10000のチャンスを確実に取りにいった結果ということらしい。 -
カーデザイナーの奥山清行氏の仕事・経歴・学歴について、写真やイラストを交えつつ記した一冊。
車に強く興味がある方ではないのだが、ものが生まれる様子は読んでいてとてもワクワクした。