以前も読んだことがあると思うんだけど再読。本当に良書というか、暖かい作品だなと思う。昔やってたアニメにもディコンが出てきてて、それはアニメオリジナルの設定だったと思っていたので、原作から出てきてたんだということに驚いた。
アニメを見てたときは、メアリーがコリンの前でディコンの話をしてヤキモチを焼かせるみたいな場面が多かったので、子どもながらに「メアリー上級者ェ・・・」とか思いながら見てたけど、原作はそのへんがあっさり書かれていた。メアリーがイギリスの植民地だったインドで暮らした話とか、そのあたりの状況を知ってる今だからそれなりにわかって読めるけど、日本の子どもにはわかりづらいだろうなあ。アニメを見てたときは、メアリーがディコンと仲良くなりそうにみせかけて最後はコリンと仲良くなるという結末だったので、そういうことを想定しながら読んだ。それで、その設定はイギリスの下級意識(インドで召使かかえてお城にすんでたお嬢さんと下働きレベルのの子どもが結ばれるはずはないとか)の現れだったのかなあと思いながら読み進めてたんだけど、原作にはそういうことをほのめかす表現はなくて、ただメアリーとコリンが自然と接して成長した結果、頑なだったコリンのお父さんの心を溶かすこともできてよかったねと、ほんとうにみんなが幸せでよかったねというただそれだけのことを伝える結末だった。まあでも、これから全てがうまくいくんだろうなあというそういう雰囲気をそれとなく醸しだした終わり方で、私はそういうのが好き。
あとこれを現代風に、というかネットふうに言うと、コミュ障とひきこもりがコミュ能力超高い少年と出会ってそれなりにコミュ能力上げていく話だなと思った。