基礎から学ぶ楽しい疫学 第2版

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  • 医学書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260001694

感想・レビュー・書評

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  • 医学

  • 誰に勧められたか忘れたが、よい入門書として知られているそうだ。よく読んで勉強しよう。

  • わかりやすいです。この本のおかげで就活の筆記試験は合格しました^^

  • 注釈がとてもおもしろい本。

  •  疫学の教科書。疫学って「人間集団における健康状態とそれに関連する要因の分布を明らかにする学問」。19世紀半ばのロンドンにおけるコレラの研究が端緒。
     病気の真の原因がわからなくても,関連する要因を特定することで,病気の予防につなげることができる。コレラ菌の発見はしばらく後だったが,ロンドンのコレラでは,水道との関連が特定された。このように疫学はもともと感染症の頻度観察から始まった。
     20世紀に入ってからの疾病構造の変化(急性感染症から徐々に慢性疾患にシフト)にともない,疫学の対象疾患も,癌や循環器疾患などに広がってきた。そうすると潜伏期間が問題となってくる。それに対応する為に疫学の方法論も多様化してくる。
     疫学の研究方法には,単に疾病頻度を明らかにする記述疫学や,集団間の曝露と疾病頻度の関係を比較する生態学的研究,個人の曝露と疾病発生の評価を同時に行なう横断研究,それに主力であるコホート研究,症例対象研究,介入研究などがある。
    「曝露」とは疾病以前に存在する何らかの状態を指す疫学用語。喫煙,酒量などを含む生活習慣や,性別や年齢など,何でも曝露と呼ぶ。記述疫学を除けば,曝露と疾病発生の関係を統計学的に見極めることが研究内容になる。その目的は,疾病予防,寿命延長,QOLの向上だ。
     介入研究以外は,曝露を研究者がコントロールせず,自由にまかせるが,介入研究では,研究者が曝露群と非曝露群に分けて,その後の経過を観察する。適切な曝露の割り付けによって,交絡因子を排除することができる強力な研究方法であるが,倫理的配慮も必要になってくる。例えば実施できる介入は,予防的な曝露しか認められない。また,自由参加で,対象者への十分な説明が求められる。対象が人間なので,研究計画に従わないプロトコル破りの問題もある。
     疫学の分析には統計学を用いるが,データをとる範囲の制約も大きいため,偏りと交絡を適切に扱うことが重要になる。偶然誤差を小さくするには標本数を大きくとるしかないが,選択の偏り,情報の偏りといった系統誤差は,適切な研究計画によって減らすことができる。
     この他,疫学の集大成としてのスクリーニング検査についてや,人間集団でなく患者集団についての疫学である臨床疫学,疫学に必要な統計の基礎,疫学の倫理や応用についてもまとめられている。教科書なのでやはりとっつきにくいが雰囲気は伝わってきた。

  • 楽しく、は無いが、頭にスーッと入ってくる本。読み込み甲斐がありそうだ。

  • 疫学研究の基本です。

  • この本を読むことから疫学が始まり、恩師中村教授との交流が始まった思い出の書。国内第一級の疫学者が記しただけあり、ページ数の割に内容が濃く、欄外の言葉に研究の本音が垣間見れる名著。何回かの改訂版が出されていることからその根強い人気がうかがえる。

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著者プロフィール

自治医大教授・公衆衛生学 教授

「2021年 『基礎から学ぶ楽しい学会発表・論文執筆 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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