K-POPはなぜ世界を熱くするのか

著者 :
  • 朝日出版社
4.09
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本棚登録 : 328
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255012124

作品紹介・あらすじ

「素材の価値を最大限に引き出す発想や手法」をKPOPから読み解く。
「KPOP」というものがもはやいちブームにとどまらず、確固たる音楽ジャンルとして世界を席巻しているのは周知の事実である。そんなKPOPアイドルの魅力は、何と言っても苛烈な事務所の育成システムによって生み出されたもの、そのため韓国の音楽市場には必然と優秀な人材が集まる。歌・ダンス・ビジュアル・語学力・人間性まで完璧、ということは現在では至当な一般認識。しかしKPOPの魅力はそこにはとどまらない。本書ではKPOPアイドルが新曲を出す際にまつわる様々な日本ではあまり馴染みのないプロモーション戦略に着目した。(KPOPオタクには当たり前のことすぎて誰もそうも思わないかもしれないが。)
KPOPに全く興味がない人にこそ読んでほしい。KPOPがブームから世界のージャンルにまで昇華したゆえんは、計算しつくされたクリエイティブ戦略によるもの。

感想・レビュー・書評

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  • ◆海を越え ファン文化確立[評]篠崎弘(評論家)
    K-POPはなぜ世界を熱くするのか 田中絵里菜著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/114343?rct=shohyo

    【K-POPはなぜ世界を熱くするのか/特別編】ハードルを愛着に換えるクローズドコミュニティ:ペンカフェ | K-POPはなぜ世界を熱くするのか+ | あさひてらす
    https://webzine.asahipress.com/posts/5011

    K-POPはなぜ世界を熱くするのか | 書籍 | 朝日出版社
    https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255012124/

  • 15年くらいのブランクで私には浦島状態だった今のK-POPを取り巻く状況が、つぶさに把握できた。著者の田中さんは音楽評論家ではなく、デザイナー。私よりずっと若い著者が、90年代にまで遡ってこれだけ俯瞰的にえがいているのがすごい。

    新しいものをバンバン取り入れていく韓国の貪欲な姿勢に圧倒される。こりゃクールジャパンとかいって虚勢を張ってる間にどんどん追い越されるわ。ファンダムを形成しているファン達が、下手すりゃ高校生くらいの若いうちから、推しを応援するために企業顔負けのビジネスの手法を駆使してるんだから。

    K-POPというジャンルによって音楽業界はおろかデザイン、ファッション、IT、広告業界まで様々な業界が大きく変容し成長し、韓国全体を盛り上げているのがよく分かる。
    K-POP自体に興味なくても、クリエイティブ業界に携わっている人は読んでみると面白いと思う。この題名では読者を限定してしまいそうでもったいない。

    ボーカルトレーナーさんの、「みんな幼い年齢でアイドルになってしまって、自分でメンタルをコントロールする術を知らずに傷ついている。一般の人は社会に出て失敗を通して学んでいくのに、 彼らはアイドルになったその瞬間からただの一度も失敗が許されない。」というコメントが切ないなぁ。

  • 20.

    さまざまな視点から見つめるKPOP
    膨大な情報と目まぐるしく変わってきたKPOPシーンがわかりやすくまとめられていてとても読みやすく面白く読みました

    消費者から有権者になったファンダム
    人格者として完璧を求められるアイドル

    オタクの一人として読むと胸が苦しくなる部分もあり改めて考えさせられるものがあった
    KPOPを愛する人間として大切にしたいバイブル本になりそう

  • 怒涛のプロモーション、圧倒的布教のしやすさ、社会に影響を及ぼす推し活、アイドルのつくりかた、とK-POPのシーンとカルチャーがまるごと解説されてておもしろかった!

  • あー、これは勝てないわ。国民がこの人たちを後押ししてるんだもん。
    と、この人たちが韓国製パッケージ商品だということと、その販売戦略を知る1冊。日本の芸能業界も似たところがあるのでしょうけど、…ここのところのサブスクリプションのコンテンツを見ていると、余りにも韓国製が強い…人口5000万の国が将来を考えて外貨獲得に動いてるんだとしたら、日本は余りにもコンセプトのない国だと思うし。今の韓国が何も考えずにこれをやってるんなら、飽和状態の業界で一番いいときを食い潰される若者たちが、その後の人生うまくやってけるようにと願わずにいられない。

  •  韓国アイドルグループにハマったので読んでみた。初めてK-POPアイドルにハマって一番ビックリし、かつこれは多くの人がハマる訳だと思ったのがそのプロモーションのあり方だったのだけど、そういったことやアイドルを生み出すシステムなど、いわゆる実務的なK-POPの運用について知ることができる一冊だった。

     そもそもやはり韓国は外需の国であるため、アイドルも最初から世界へ進出することを前提に生み出されている。だから彼ら彼女らは英語や日本語などの言語も勉強しているし、動画類には多言語の翻訳がついており、日本にいながらにしてK-POPアイドルの活動で見られないものはほぼ無いに等しい。バリアフリーな環境であるために何でも見られるし知人へ布教もしやすく、魅力が伝播しやすい、そうした戦略をとっているのだな。

     そうしたシステムはやはりすごいのだけど、歌、ダンスの練習だけでなく言語の学習等もみっちり行い、全世界へ自分の一挙手一投足が配信されるアイドルのプレッシャーとはいかに…と思ってしまった。本書の中で、K-POPのファンは消費者でなく有権者である、というくだりもあったが、もちろんアイドルの行動/言動や歌う曲の歌詞などが倫理的におかしいと思われた場合に声をあげることは間違っていないと思うが、アイドルの自由を規制する権利はないのであり…。アイドルが自分の思う理想のアイドルでいてくれないことに我慢できない、モノ申さずにはいられないファンにはなりたくない、という意味を込めて、私は有権者でなく消費者でいたい。

  • 日本はもちろん世界を席巻するK-POP。その魅力の根底を支えるプロモーションからファンが支える仕組み、制作の舞台裏を綿密に調査している。表層的な戦術ではなく広く深く計算された部分に驚く。ある一定のマスコミと権力で作られる日本の音楽ビジネスとは一線を課すものがある。

  • こういう本読みたかった、色んな要素が整理されててわかりやすい。K-POP初心者だけどチッケムとかVラとかファン欲求を満たすコンテンツが豊富だしプロモーション、世界観の作り込みレベルが圧倒的。
    そして程度問題はあるけどファンダムの力はすごいな、、

  • Kpopがなぜ世界でこれほどまでに人気を得ているのか、実際の例と明白なデータから筆者は説明していて、私も1人のケーポオタクとしてとても腑に落ちる内容だった。卒論のために色々な関連書籍を読んだが、本人がオタクではない教授(または流行に乗っかろうとしている人)が書く文章よりも何倍も価値があるものだと思う。笑

  • KPOPなんてと思いながら、人気の秘密が探れるかと読み始めた。
    まだ読み途中だが、丁寧に書かれている印象。
    溢れる愛ではなく、適度な好感と距離感があるように思えた。

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著者プロフィール

1989年生まれ。日本でグラフィックデザイナーとして勤務したのち、K-POPのクリエイティブに感銘を受け、2015年に単身渡韓。最低限の日常会話だけ学び、すぐに韓国の雑誌社にてデザイン・編集担当として働き始める。並行して日本と韓国のメディアで、撮影コーディネートや執筆を始める。2020年に帰国してから、現在はフリーランスのデザイナーおよびライターとして活動。過去に『GINZA』『an·an』『Quick Japan』『ユリイカ』『TRANSIT』などで韓国カルチャーについてのコラムを執筆。韓国・日本に留まらず、現代のミレニアルズを惹きつけるクリエイティブやカルチャーについて制作•発信を続けている。

「2021年 『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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