テロリストの息子 (TEDブックス)

  • 朝日出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255008950

作品紹介・あらすじ

憎しみの中に育っても、「選択」することはできる。

ジハードを唱えるようになった父親が殺人を犯したとき、その息子はまだ7歳だった。
1993年、投獄中の父はNY世界貿易センターの爆破に手を染める。家族を襲う、迫害と差別と分裂の危機。
しかし、狂気と憎悪が連鎖するテロリズムの道を、彼は選ばなかった。
共感と平和と非暴力の道を自ら選択した、テロリストの息子の実話。
ヤングアダルト読者に特に訴える一般書に贈られる全米図書館協会アレックス賞受賞。
訳者は『ヒップな生活革命』の佐久間裕美子。

Small books, big ideas. 未来のビジョンを語る。
人気のTEDトークをもとにした「TEDブックス」シリーズ日本版、創刊!!

「僕はこれまでの人生を、何が父をテロリズムに惹きつけたのかを理解しようとすることに費やしてきた。
そして、自分の体の中に父と同じ血が流れているという事実と格闘してきた。僕が自分のストーリーを語るのは、
希望を与えるような、誰かのためになるようなことをしたいからだ。それは狂信の炎の中で育てられながらも、
代わりに非暴力を受け入れた若者の姿を見せること。自分を崇高な人物として描くことはできないけれど、
僕ら一人ひとりの人生にはテーマがあって、僕の場合はこれまでのところ、たとえば、こんなところだ。
誰にだって選択する権利がある。憎むことを教え込まれても、寛容な生き方を選択することはできる。
共感の道を選ぶことはできるのだ」(本書より)

感想・レビュー・書評

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  • 非常に過酷な人生を、このように語れるようになるには、想像を絶する困難が伴ったに違いない。読むべき一冊。
    随分前の職場で、当時の同僚が弟をテロで亡くしているという事実を知った時、この事実が別の世界で起きていると他人事のように考えた自分に気づいた。もう、いつ何が起きてもおかしくない世の中になったのだと、その時思った。
    「親ガチャ」という言葉がいつのまにか蔓延る昨今、著者は親ガチャの最たるものに当たってしまったのだ。

  • こういう生き方をしてる人もいるんだ。
    なんでこうなってしまったかを他人について考えるより、自分がどう生きるかだよなー

  • ふむ

  • ノンフィクション

  • 2017.3.31読了

  • 日本語訳が読みづらく、
    しばらく積読状態だったのをやっと読了。

    このような運命に引きづられず
    生きてこられた、作者の心の強さに拍手を送りたい。

  • 1990年11月5日。メイル・カハネ暗殺事件の容疑者(後に有罪判決)エル・サイード・ノサイルの息子が幼少期から1999年7月までの体験を書いたもの。

    2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件には、少しだけ触れている。

  • テロリストの息子という名のとおり、アメリカでテロを実行した父を持つザック・エブラヒムによる本。TEDがベースにあるためか、シンプルであっさりと読めてしまうが、彼の信念や目指す世界が感じられてとても良かった。

    印象に残った言葉を引用する。

    『争いを解決するために非暴力を示すことは 、受動的であることを意味しない 。被害者意識に甘んじたり 、侵略者の猛威を受け入れたりすることを意味しない 。必ずしも戦いを諦めるわけでもない 。その代わり 、敵対者をちゃんと人間と見なし 、彼らのニ ーズや恐怖を認識して共有し 、報復ではなく 、和解に向けて働きかけること 。』

  • 宗教だろうと人種だろうと思想だろうと生まれ育った環境だろうと、ひと括りにできないのが生きること、活力となるものが憎しみやエゴに縛られないものであることを願います。

  • No.832

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著者プロフィール

1983年3月24日アメリカ・ペンシルべニア州ピッツバーグ生まれ。工業エンジニアのエジプト人を父に、学校教師のアメリカ人を母に持つ。7歳のとき、父親がユダヤ防衛同盟の創設者であるラビ・メイル・カハネを銃撃し殺害した。彼の父、エル・サイード・ノサイルは服役中に1993年の世界貿易センターの爆破を仲間とともに共同で計画する。エブラヒムはその後の少年時代を街から街へと移動して過ごし、彼の父を知る人々からは自分が何者かを隠して暮らした。彼は現在、テロリズムに反対する立場をとり、平和と非暴力のメッセージを拡散させることに自分の人生を捧げている。2013年にはニューヨークで開催されたTEDの公募イベントに参加し、翌年のTEDメインカンファレンスではスピーカーに選出された。本書はそのTEDトークをもとにしている。

「2015年 『テロリストの息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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