ラブレター 神様も知らない3 (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店
4.11
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本棚登録 : 110
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199007316

作品紹介・あらすじ

突然、司の元を訪ねてきた怪しげな青年──幼い司が関わった殺人事件の被害者の
息子の登場で、佐季と司が隠し続けてきた罪が、次々と綻びを見せ始める。一方、
独自の捜査を続ける流も、真相に肉薄し…!?
過去に少年たちが犯した罪が、暴かれるとき──美貌の青年実業家と花屋の青年、
そして事件を追う県警刑事──交差する三人の運命が迎えた終着点とは!?
ついにシリーズ完結!!

感想・レビュー・書評

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  • 全3巻。1巻の中盤から面白くなって一気読み。
    陰と陽の対のようなタイプの違う攻め二人。受けが刑事の攻めに惹かれたのがよくわかる。三角関係とか酸いとか甘いとかの次元の話ではなくて。
    さすがに人は死にすぎだけど、心理描写がすばらしかった。最後の流刑事も微妙だけど、心にしこりを残したままという終わりかたは最高だったと思う。文中にはラブレターなんて陳腐な響きの単語はなかったけど、あらためてタイトルで見るとそうか、あれは確かに…と感動した。

  • 読み終わってからしばらくの間何も出来なかった… 息をするのも苦しくなるような物語の展開… このラストがこの物語の最良だったと思うのだけど、佐季が闇に捕らわれる前になんとか出来なかったのかと思わずにはいられない。上へ、光へと近づこうとすればするほど、影が、闇が大きくなり佐季自信を覆っていくのを見ているのは辛かった。佐季は最後に流によって救われたのかな、救われたと思いたいな… 佐季の残した最後のラブレターに涙がこぼれました… だからこそ司の未来が幸せであるよう願わずにはいられない…

  • シリーズ完結。ストーリーはBL版白夜行? 一巻の時は微妙かなと思っていたんですが読み切ってみると面白い群像劇でした。刑事ものの硬派な空気とポーの一族を彷彿とさせるお耽美な空気が同居してるのも面白い。どんだけ美しいんだ佐季は……と何度思ったか知れない。
    にしても割と硬派な刑事もので話も良く出来ているのに「神様もしらない」というタイトルで損をしている気がします……。お耽美の方を推したかったのだろうか。
    BL小説全般に思うことですが表紙もイラストじゃなくていい。

  • 「神様も知らない3」

  • 一気にシリーズ3作+番外2作読破した。
    重い!
    のはわかってたけど、今回最高に暗くて重かった…
    その後の番外読んでも、このもやもやを払うまでには至らず…
    ラブレターて甘いタイトルだけど、そういうことかよぉお(ノw;)
    …高遠さんの明るいデビュー作読み返すか(どんどん重くなったけど)…なんかゲロアマ作品くだ…さい……(ガクッ

  • 三部作の最終巻。暗闇の中をひたすら破滅に向かって歩く二人に胸が締め付けられる。白夜行に似ているという展開は否めないけれどあの世界観をBLで読めたのは貴重。司と慧介の関係よりも佐季との幼い頃血と血を分かち合った唯一無二の関係に感情移入し過ぎてしまったので、あのラストは私にとってはバッドエンド。でもあれ以外ラストは考えられないし罪は償わなくてはならないけれど、佐季には何処かで生きていて欲しかった。最初は司には慧介という太陽がいてこれから歩く道を照らしてくれるけれど佐季には司しかいないと思っていた。でもいくら名前を変えても人生を変えても忘れずにちゃんと捕まえてくれる人が居たのだ。そんな流もまた佐季を追うことに執着し人生を狂わされた一人。惚れてると錯覚するというのは、あながち嘘ではないだろう。ずっとおまえの手を握ってやりたかったという言葉…これから先も彼の面影を追い求めて生きていくのだろうか。そんなスピンオフがあったら是非読んでみたいと思う。

  • 『神様も知らない』シリーズの第3弾です。

    「BL」には間違いないけれど、「BL」だと思って手にすると、肩透かしを食らう感じかもしれません。

    感想としては、正直に言うと、司がなぜそこまで佐季にこだわるのかわからなかったし、それならばそれで、どこで慧介が佐季以上の存在となったのかも、文面としては書いてあるけれど、感情面では理解できなかった(あまりにも佐季にこだわっているので)。

    ただ、シリーズ全体的に暗いイメージはあるけれど、事件ものとして読めばそれなりに面白かった。
    それでも、★3つ以上にはならないけれど…

  • 全てを読み終えて、切なさと哀しみで胸がいっぱいに。
    これしかなかった。そう頷けるけど、佐季のこれまでの人生を考えると、空しくやりきれない気持ちにさせられます…

    読み始めはこんなに作中の人物に魅入られて、ひどくもどかしい気持ちになってしまうほど物語に入れ込むとは思いも寄りませんでした。読み進むうちにその危うさにはらはらして、何とかしてあげたいと思ってしまって力が入りっぱなし。
    だって佐季も司も出会った時はまだほんの子供で、ただ苦しみから抜け出したかっただけだったんですよね。
    絵に描いたような幸せが欲しかっただけの子供と、やさしい愛が欲しかっただけの子供。それを手に入れようとして重ねてきた罪の代償はあまりにも大きかった気がします。

    ミステリーとしてもひけをとらない面白さでしたが、それを支えていたのはやはり心理描写のすごさだと思います。心情を深く鋭く描き出す上手さはさすがです。
    特に美しいけれど残酷な佐季が、最後の最後まで大切にして隠していた想いが一枚の手紙に託されていて、これが一気に涙へと誘います。
    司を手に入れようとして、何もかも手に入れたけれど、肝心の司とはどんどん距離ができてしまい苦悩する佐季の姿に涙。
    美貌ゆえに、振り払っても振り払っても群がってくる欲望が絶えないのは、佐季の逃げることのできない宿命だったのでしょうか。

    ずっと読んできて、はじめは佐季のことを魔性の男と思っていましたが、ふと本当の魔性は司だったのではないかと思い至りました。楽園の蛇が誰だったのか、と考えさせられます。
    司は一見耐え忍ぶタイプに見えるけど、13年もの間秘密を守り続けてきた意志の強さがあります。薔薇色の頬の王子様に魅せられたのは佐季、そしてもう一人慧介もいます…
    これから先、慧介が司の魂を救う存在になってくれる事を願わずにはいられません。

    そして、流!!こちらはぜひぜひスピンオフをプリーズ。

  • 『神様も知らない』
    『楽園の蛇~神様も知らない2』
    ⇒『ラブレター~神様も知らない3』

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