ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (徳間文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198936730

作品紹介・あらすじ

魔法が本当に存在する国で、魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆に変身してしまった18歳のソフィーと、本気で人を愛することができない魔法使いハウル。力を合わせて魔女に対抗するうちに、二人のあいだにはちょっと変わったラブストーリーが生まれて…?英国のファンタジーの女王、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの代表作。

宮崎駿監督作品「ハウルの動く城」の原作、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 小説よりもジブリ映画の方が馴染み深かった『ハウルの動く城』
    ジブリ版はやはり改変されているのか、こちらの原作はところどころ記憶にあった展開とは違ったけど、生き生きと、個性豊かなキャラクター造形に引っ張られ読み進められたような気がします。

    三人姉妹の長女ソフィー。二人の妹はそれぞれ自分の道を歩み始めたものの、ソフィーは母に言われるがまま、実家の帽子屋の手伝いを延々と続ける日々。しかしある日、荒れ地の魔女に老婆になる魔法をかけられてしまったソフィーは、自分の変わってしまった姿が見とがめられないように家を飛び出し……

    「長女は何をやっても上手くいかない」
    そんな迷信に囚われ、日々を鬱々と過ごしていたソフィー。ここは読んでいて少しもどかしかったけど、ソフィーがお婆さんになってから、これ以上悪いことは、そう起こらないだろう、と思ったのか、うって変わったように積極的に(捨て鉢に?)行動し始める姿は爽快!

    著者のダイアナ・ウィン・ジョーンズが老婆への変身と、ソフィーの性格の変化をどう意味づけたのかは、分からないけど、たとえ捨て鉢でも、今までの自分を捨てて前向きに行動すれば、何かしら道は開ける、というメッセージにも自分は感じました。

    そして恐れ知らずのソフィーが乗り込んだのは、美女の心臓を喰らうと噂される魔法使いハウルが住まう動く城。そこで出会った火の悪魔カルシファーは、自分とハウルを結ぶ契約を破ってくれれば、ソフィーにかけられた呪いを解くともちかけ……

    ハウルの動く城に住んでいるのは、ハウルとカルシファー、そしてハウルの弟子であるマイケル。彼らとソフィーの掛け合いも良かった。

    いきなり転がりこんできたソフィーに戸惑いながら、ソフィーをなんとかいさめようとするマイケルの困った様子が目に浮かぶよう。
    そしてハウルはハウルで超然としているようで、ところどころで弱さや脆さをみせる。一方でうぬぼれや自信家の側面もあって、これも段々愛らしく見えてくる。

    そして何と言ってもカルシファー! 個人的には悪魔というよりもマスコットといった印象の方が強い(笑)
    利害の一致からソフィーと協力関係を築いたは良いものの、いつの間にかソフィーにタジタジになって行く様子はユーモラスで可愛らしい。あと言葉遣いもあざといわあ(笑)
    「おいら」という一人称をはじめ、わんぱくな子どものような言葉遣いは、いろんな人の心にスッと奪っていきそう。

    物語の前半は、なかなか話の筋が掴めなかったのですが、こうした個性豊かなキャラのやり取りが物語を引っ張り、終盤に徐々にハウルの真の姿と、ソフィーの心の揺れが見えてくる。そしてクライマックス!

    ロマンチックかつキュートな結末は、とても微笑ましい。自分がロマンチックな少女だったなら、狂喜したかもしれない(笑)いや、大人の男が読んでも十分面白かったし、収まるところにきちんと収まった、素敵な結末だと思ったけれども。

    先に書いたようにジブリ版『ハウルの動く城』とは、展開であったりまたキャラクターの雰囲気もやや違うイメージを受けましたが、この原作版も十二分に面白かったです。

  • ジブリ映画よりも全員クセ強め。そんな喧嘩ばっかしてないでちゃんと話し合いなよ…と思いつつ、人間味溢れる魔法使いたちのドタバタが面白かったです。

  • 随分前に読んで挫折したままだったので、リベンジしてみた。
    原作のハウルの方がどうしようもないし、ソフィは癖が強いし、そこまでロマンチックな話ではなかった…でも、原作も原作で好き。続きが楽しみ。

  • 相変わらずなハウルに出会えます(笑)

    ただし宮崎駿監督作品の『ハウル』を想像していらっしゃる方はお気をつけを。
    原作のハウルはもっとヘタレで格好悪いです。
    そしてソフィーは長女の迷信にとらわれ過ぎています。
    荒地の魔女は改心なんてしません。

    でも面白いです。登場人物が多すぎて混乱しちゃいましたけど(汗)
    これを読んでからまた再び宮崎駿監督作品の『ハウル』を観てみてください。こんな意味があったのか……! ときっと驚かされますよ。

  • ソフィーのために様々な手を打つハウルが愛おしい。ソフィーもハウルに恋をしていると自覚してからが本当に愛おしい。二人ともお互いのことしか見えてないと言うのがよく分かるラストが素晴らしい。もちろん他のキャラクターも作者らしい個性豊かで惹かれる人たちばかり。ファンタジーだけど日常のすぐ側にありそうな身近さが余計にワクワクさせてくれる。

  • 13年ぶりに読みました。
    ハウルがすごくかっこよくて!!
    すごく面白かったです!!

  • ジブリ好きで原作を読んでみたくて、この本を読みました。
    映画ではなんだかロマンチックに描かれているなと思いつつ、原作は原作でとてもおもしろい。
    むしろこっちのが好きかもしれない。
    サリマンが男だったのにビックリ。

  • ジブリの映画が好きで原作を読んでみようと思って、買ってみた。
    ソフィーがおばあちゃんになった事で、図々しくなったり、言葉遣いが荒かったりするのは、抑え込んでいた色々なものが出てきているんだから、こういう行動は仕方がないと頭の中ではわかっているけれど、どうにもこうにも慣れなかった。
    おもしろいかおもしろくないかと言われれば、おもしろかった。
    呪いが解ける瞬間や溶けた後なんかは、読んで伝わってくるぐらい言葉遣いなど変わっているし、なんだかんだハウルはかっこいい。
    全体を評して、星の5はつけられないけど4つって感じ。

  • 宮崎駿さんのハウルの動く城を見てこの作品が好きで原作も久しぶりに再読しました。

    ハウルが子供の頃にソフィーと出会って十何年もソフィーを探し続ける運命的な恋物語の宮崎駿さんのジブリ映画も大好きだし、ジョーンズさんのソフィーがおばあさんに変えられたことで今まで表に出せなかった頑固で気の強い性格が発現し、心変わりが激しく我儘で見栄っ張りで臆病なハウルと衝突しながらも、お互い相手の好ましくない所も含めて認める原作の恋物語も大好きです。

    私はジブリ映画を見てから原作を読んだのですが、二作品とも好きだからこそ2人のソフィー、2人のハウルが今も好きなんだと思います。どちらの作品も読んだ、見た読者さんもジブリのソフィーはこうなのに、、、と思わずにこっちのソフィーもいいよねと思ってくれることを一読書として願ってます☺️

  • 「荒地の魔女」に呪いをかけられ老婆になってしまったソフィーと魔法使いハウルやその仲間達、家族のお話。ファンタジーでありホームドラマでありラブストーリーでありコメディでありいろんな要素をつめこんだおもちゃ箱みたいだった。読んでいる最中は若干読みづらくもあるが、読み終わるとおもしろかったなあとしみじみする本。

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著者プロフィール

1934-2011。英国のファンタジーの女王。映画『ハウルの動く城』の原作者。

「2020年 『徳間アニメ絵本39 アーヤと魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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