- Amazon.co.jp ・本 (581ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198933197
感想・レビュー・書評
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明治十年に来日した若き英国人建築家ジョサイア・コンドル。のちに「鹿鳴館」建造担当者となる彼は、お雇い外国人として多忙な日々を過ごすうち、天才画家河鍋暁斎に弟子入りする。一方で、国際商社ジャーデン・マセソン社から、ある密命を帯びていた……。謎に包まれた鹿鳴館を描くという作業は、近代日本そのものを描くこと。鬼才、渾身の明治ミステリー800枚。無念の絶筆作品!
(2010年)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北森氏の遺稿に相応しい壮大な物語。
どこまでが史実でどこからが創作なのか判断する知識がないものの、維新の時代に生きる日本人の希望と苦悩、政府お抱え外国人から見た新生日本の抱える矛盾が、力強く描かれている。
最後にどう結論付けるのか、決して知ることができないのが残念で仕方がないです。 -
最後のページをめくり、もう北森さんの新作が読めることはないんだなととても寂しくなってしまった。
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北森鴻・無念の絶筆作品。
って、そうか、途中で終わってしまうのね。おおよその話に決着はついているけど、やはり最後まで読みたかった。 -
未完なのが残念
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最初の数十頁で一気に惹き込まれます。未完・・・残念過ぎます。。。
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鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルは、その日本贔屓が昂じて河鍋暁斉に弟子入りし、本のタイトルにある『暁英』という雅号をもらう。
鹿鳴館は井上薫が近代日本の威信をかけて作らせた迎賓館だが、その和様折衷に加えてコロニアル様式さえ含んだ奇妙な建築様式に関して、外国からの評判は辛辣で、結果として日本の威信を失墜させ揶揄の対象となった。
更に奇妙なことに鹿鳴館の資料は極端に少なく、その設計図さえ残っていない。それはなぜなのか。 また、なぜ日本贔屓のはずのコンドルが、あえてそんな建築物を造ったのか。
極端な西洋化を推し進める日本と、日本の植民地化を目論む列強諸国の狭間で板挟みになるコンドルの目的は一体何なのか…
残念な事に北森さんはこの本を書きあげるまえに急逝してしまった。構想のなかでは結末は決まっていたはずなのに、それを知るすべはない。
大好きな作家さんでお会いした事もあるだけに、本当に残念で仕方ない。 -
私の大好きなコンドル先生が、イギリスからのスパイになっとる…!
辰野金吾もまるで忍者…
なんだかアメリカ人が好みそうな、ぶっとんだ話ですが、作中作ということでそれほどいやらしくない、というかまとめ方に寄るんでしょうね。
それが絶筆だなんて惜しいわ。
12.11.02 -
鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドル。
彼はなぜ、あのような建物を作ったのか? それの答えは、明治政府の闇と、諸外国との軋轢の中にあった。
ごついです。
本文の終わりで555ページ。未完だと知っていたけど、さすがにこのごつさなのでほぼ終わりのところまであるかと思ったら、思いっきり中盤。とりあえず、役者がそろい顔見せしたって感じで、未完です。
こんなに面白いのに…。
続きを誰よりも読みたかったというか、書きたかったであろう北森鴻の無念を思うを切ない。
で、人物造形がいい。
日本びいきで、とにかくいい人なコンドル。でも、いざという時には結構熱血漢で、ちょっとサムライっぽいかも。
そして、コンドルを日本に招き、鹿鳴館を作らせるこになる、井上馨の得体の知れなさ。
奇妙な縁でコンドルと知り合い、のちに彼を弟子にする河鍋暁斎の天才肌。
他にも長州藩士崩れの男や、混血の女の子、コンドルの弟子たち、同じように日本政府に招かれたベルツなど、多彩でどの人物も、懸命に生きてる気合いが伝わってくる。
かえすがえすも未完であるのが残念だ。
でもって、未完であっても面白いものはやっぱり面白いのである。 -
合掌