麻生太郎の原点祖父・吉田茂の流儀 (徳間文庫 あ 44-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198925819

作品紹介・あらすじ

次期総理の呼び声も高い麻生太郎。その原点は祖父として身近に接していた昭和の名宰相・吉田茂にあった。小学生の孫にサンフランシスコ講和条約を語るかと思えば、周囲に見せる好々爺としての意外な一面。政治家・麻生を育んだ吉田茂の流儀とは。巻末に"秋葉原の名演説"ほか講演を収録。

感想・レビュー・書評

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  •  
    ── 麻生 太郎《太郎の原点 祖父・吉田 茂の流儀 200704‥ 徳間書店》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/419892581X
     
    …… 次期総理の呼び声も高い麻生 太郎。その原点は祖父として身近に
    接していた昭和の名宰相・吉田 茂にあった。小学生の孫にサンフランシスコ
    講和条約を語るかと思えば、周囲に見せる好々爺としての意外な一面。
    政治家・麻生を育んだ吉田 茂の流儀とは。巻末に"秋葉原の名演説"ほか
    講演を収録。
     
     吉田元首相「日本の統計が正確なら戦争なかった」
    幼い麻生太郎に言い聞かせる
     
    …… 毎月勤労統計の不正調査に関する十八日の衆院予算委員会の集中
    審議で、麻生太郎副総理兼財務相が祖父の故・吉田茂元首相から、不正確
    な統計をもとに日本が戦争に突き進んだと聞かされていたことが話題に
    上った。
     立憲民主党の長妻昭氏が麻生氏の著書「」の記述を紹介した。
     
    著書によると、戦後の連合国軍総司令部(GHQ)による占領時代に、
    マッカーサー最高司令官から「日本の統計はいいかげんで困る」と苦言
    を呈された際、当時の吉田首相が「当然でしょう。もし日本の統計が正
    確だったら、むちゃな戦争などいたしません。また統計通りだったら
    日本の勝ち戦だったはずです」と切り返したという。
     
     長妻氏は「戦前、戦中は統計がいいかげんで、権力者の意のままに使
    われた。非常に示唆に富む話だ」と指摘。麻生氏は、長妻氏に「事実か」
    と問われ「小学生ぐらいの時に何回か聞かされた。おおむねそういうこ
    とだ」と答えた。(清水 俊介)
     
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021902000147.html
     東京新聞 20190219 朝刊
    https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1550548348/-100
     
    (20190219)
     

  • 「首相は務まると思いますが、首相秘書官は務まりません」という
    言葉は有名か。

    吉田茂。そのワンマンぶりもさることながら、戦後の日本の運命を
    任された日本を代表する政治家。

    寛仁親王妃信子殿下の料理本を読み終わって、そうえば妃殿下の
    兄である太郎ちゃん(第92代内閣総理大臣麻生太郎)が書いた
    おじいさまの本があったなぁ…と思って引っ張り出して来た。

    吉田茂が首相時代の政治の流れも書かれているけれど、やっぱり
    読みたいのは「おじいちゃま」としての吉田茂である。

    学習院で授業中の太郎ちゃん。「おうちの方がお見えです」と言われ、
    行ってみれば首相専用車でおじいちゃまが待っていた。そのまま
    寄席に連れて行かれるなんて話が満載。

    妻である雪子さんを早くに亡くした為、吉田茂が海外等へファースト
    レディ代わりに同伴したのが太郎ちゃんの母上であり、三女の和子
    さん。忙しい祖父と一緒に飛び回る母と父。おかげで太郎ちゃんたち
    は寂しい思いをする。

    サンフランシスコ講和条約帰結の為にアメリカへ出かける前は、父も
    母も家にいない。大磯のおじいちゃまの家に行った時、その寂しさが
    口を突いて出る。

    「おじいちゃまのせいでいつもママは家にいない。今度は、それどこ
    か、パパもママも外国に連れていってしまう」

    孫たちが可愛くて仕方のないおじいちゃまは「今度、動物園に連れて
    いくから」と、孫たちに約束するなんて話は少々じ~んとする。

    バカヤロウ解散とか、カメラマンにコップの水をぶっかけるとか、
    「曲学阿世の徒」発言とか、とかくその行動や言動が印象的な
    人であるけれど、豪快でユニーク、そしてどこか貴族的な吉田
    茂像が描かれている。

    東日本大震災後の原発事故で当時のバ菅首相が迷走している
    時、「あぁ、吉田茂か角さんが生き返ってくれないだろうか」と
    何度思ったことか。

    こんなユニークな人物、もう出て来ないかもな。あ、太郎ちゃんは
    見ている分には面白いよ。政治家としては分からんが。

    だって、現役の安倍晋三を含め私が見て来た首相経験者のなか
    でモーニング姿が様になるのって太郎ちゃんくらいだもの。

    そうえば、アメリカ留学中、「アメリカ英語はいかん。イギリス英語を
    覚えなさい」とロンドン大学大学院に無理やり転向させたのも、
    おじいちゃまだったのではなかったっけ。

    人間味たっぷりのエッセイは孫から見たワンマン宰相の日常が
    垣間見れて面白かった。

    尚、文庫化に際して「付録」として太郎ちゃんの演説を文字起こし
    したものが収録されているのだが、これは余計だったな。素敵な
    エッセイを読んだら、余韻に浸りたいもの。

  • お母様の和子さんが執筆された内容と重複する部分もあるが
    それとは別に孫から見たおじいちゃまが書かれている
    犬を飼って来たり、手紙で「子供が生まれたら下さい」という手紙に本当にシェパードをあげてしまったり
    総理吉田茂と庶民は近い位置にあったのかなと思う。

    付録に太郎さんの色々な演説なんかもついてます。

  • 第92代総理大臣、現財務大臣 麻生太郎氏による同氏母方側の祖父にあたる第51(45,48,49,50)代総理大臣 吉田茂氏の回顧録、および平成18年の麻生氏による演説3本を収録。 真冬の向日葵からのリファレンス。

    太郎少年が写真誌の記者に手なづけられてしまい、初孫として吉田氏の緩む笑顔の撮影に加担していたという話や、学生時代にジョニ黒(ジョニーウォーカー黒ラベル:固定為替化では月給一月分の価格だったことも)を失敬し、変わりにコーラの水割りを詰めておいたという、やんちゃ振りを語るエピソードに加え、大磯の吉田邸に、リアルにスパイとして送り込まれていた御手伝いさんと、後年謝罪に来た元スパイの就職を吉田氏が斡旋していたという、同氏の人となりを表すエピソードが満載。

    白洲次郎に「じいさん」と慕われGHQとの折衝を展開し、マッカーサーから勧められた葉巻はハバナ産じゃないと吸わないと断り、戦後の政治における礎を築いた吉田氏のジョンブル魂に触れられるのは楽しい。

    1951年サンフランシスコ講和会議に日本側全権として臨む際、吉田氏が太郎兄弟を並べ「国連から脱退した松岡裕右はバンザイで迎えられ、ポーツマス条約に署名した小村寿太郎は投石された挙句家を焼かれた。後に両氏の評価は逆転するが、政治家としての信条と施策を貫くには、一定の覚悟が必要だ」と話した逸話が繰り返し紹介される。ここが正に麻生氏の原点ではないかと感じた。

  • 吉田茂の娘であり、麻生太郎の母親である麻生和子が書いた本と内容がかなり被っていて不満。後半部分は、著者が総裁選に立候補した時期に講演で話した事が書かれてるいるのだが、吉田茂とは全然関係ないので、吉田茂のエピソードが読みたい人は、麻生和子の本を買うべき。

  •  麻生元総理のお祖父様、故・吉田茂元総理ってどういう方で、どういう考え方をされる方だったんだろう?

     それが、この本を読んだきっかけです。

     本を読んでいの1番に思ったこと。麻生元総理は、お祖父様の強い影響を受けてらっしゃるんだなぁと。考え方がよく似ている…というよりは、お祖父様の強い強い志を受け継いでらっしゃるんだなと感じました。そして、戦後の日本を作ったたくさんの先人の中で、国家ビジョン…というか日本の方向性を見出したのは、間違いなく故・吉田茂元総理だと確信しました。

     共感できる考え方であり、読みやすい文章でとても楽しく読むことができました。全部読み終わった後、もっともっと麻生元総理のお話を聞きたい、勉強したいと感じました。

     読み終わった後に強く強く感じた事。

     私は今までこんな風に国を思ったことはあっただろうか?国の為に自分は何が出来るのだろう?と。

     すくなくとも何にも出来なくても、馬鹿ではお話にならない。今を生きる政治家が国民に対して訴えかける事、言わんとする事を理解する為にも、もっともっと今まで以上に、「政治、経済、政策の勉強をしなければいけない」とそんな風に思わせてくれた1冊です。

     だって、国の方向性を見出してくれる政治家を、有権者が選ぶのだから。

  • 文句なく面白かったです。

    「臣茂」

    この言葉の持つ意味は深く、重く、明らかに歴史に残る人物の素晴らしい軌跡を垣間見ました。
    戦後の日本を作ったのは多くの先人。
    そして、その方向を見出したのが、間違いなく吉田茂であったという証明だと思います。

    ひとつひとつのエピソードが短くまとまっているので、読みやすいです。が、読んだ後、考えさせられます。
    自分はこんな風に、国を思ったことはあるのかな? と。

    豪胆な吉田宰相、そしてそれを受け継いだ麻生総理。
    ああ、なるほど。
    これは器が違うよな。
    そんな気がしました。

  • 大好きな麻生さんのおじい様・吉田茂のエピソードがつづられた本です。
    読みやすく、吉田さんが好きになるかも。私は好きになりました。


    自民党総裁のニコ生で議員さんが尊敬するのが「吉田茂」って言ってたっけ・・。
    なんか自分も好きだから、そういう発言聞けるだけでうれしかったです(^^


    教科書でしか見たことのない吉田茂を、
    もう少しツッコんで見てみませんか?

    おすすめです。

  • 2009/4/6 ¥648

    〜2009/8/7  あー読書ノートつけずに読んでしまって、いつ読み始めたかわからない…


    「2009/3/10麻生太郎首相の本購入イベント」での購入本

    ↑で書いたとおり、この本は「2009/3/10麻生太郎首相の本購入イベント」
    のイベントで購入した本。
    「とてつもない日本」は購入済、読書済だったので…。

    この本の後半部分は「とてにち」とかぶる内容も含まれている。

    前半はお父上である吉田茂氏について語っています。

    正直、麻生さんは良く知ってますが、吉田茂が何した人なのか知りませんでした。
    孫である麻生さんの目線でのお話しなので歴史で語られるような吉田茂では
    ないのかもしれません。
    でも、このお祖父さんの孫であることはよくわかるwww

    ほんとに祖父のことが大好きなんですね、麻生さん。


    この本で一番興味深いのは、最後の項の「私見 靖国に弥栄あれ」です。

    はい、靖国問題ですよww
    この問題とりあげるとムキになる方も多いけど、この項を読めば靖国神社が
    どんな所であるのかよくわかります。
    しかもほんの12ページほどなので、知らない人は読むといいのに…

    まず、靖国にはなにも無いのです…(遺灰、遺骨など)
    あるのは御霊というスピリチュアルな抽象的なもの(記憶)。

    靖国神社は神社本庁に属したことがない
    (伊勢神宮以下、全国に約8万を束ねるのが神社本庁)

    靖国神社は「古事記」や「日本書紀」に出てくる神々を祀る神社ではない。

    個人や法人から奉賛金を主な財源にしている。
    代々継いで続く支持母体を持たないため、遺族、戦友、その近親者、知人
    だけなので、平和な時代が続けば細っていく運命にある。
    だからってなくしてはダメだと思います!!

    自分にとって靖国神社の問題は難しいです…が、日本のために死んでいった人に
    感謝し安らかに眠ってほしいです。
    わける必要性がどこにあるのか?!


    政教分離ですよ!!政治も宗教も分けてくれよ〜
    もっと言えば他国にこのことで干渉されるのもおかしい。

  • 祖父、吉田茂の流儀を現在の総理であり彼の孫である麻生首相が書いています。
    面白エピソードに笑い、日本のために尽くした故・吉田茂氏に頭が下がります。

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