- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198650759
作品紹介・あらすじ
無罪乱発
判事が下した判決が
裁判官、検察官、弁護士、被害者、加害者
それぞれの正義を狂わせていく…
厳格な法の運用ゆえに「無罪病判事」と呼ばれた嘉瀬清一は、結審直後に法廷で倒れてしまう。
宣告されていたために有効とされた判決は、逆転無罪。
無罪判決は死も同然である検察界。
担当検事の大神護は打ちひしがれる。
有罪率99.7%の日本でなぜ今!
その後、この事件で無罪放免となった看護師が殺されたと知り、大神は嘉瀬のもとを訪れるが、嘉瀬は老人ホームにおり、会話もままならない状態となっていて……。
あの判決に何があったのか。
“法”は救いか縛りか。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
話に裏の裏があって、最後の方はえ?どっち?いい人なん?悪い人なん?と悩まされるが、それぞれの正義を貫こうとしてる姿はかっこいい。
-
一審の有罪判決を高裁で何度もひっくり返している"無罪病判事"がいた。
三度の逆転無罪を出されている検察官の大神が次に無罪病判事の法廷に立ったのは、入院中の暴力団組長を看護師の水島が殺害したとされる事件だった。
裁判の結果、逆転無罪の判決を受けた水島看護師は、その後組員に銃で撃たれて死亡した。
法とは、真実とは、正義とは…を深く掘り下げる内容ではないが、この他に成年後見人制度も大きなテーマの一つとなっており、色々な知識を元にうまくまとまっているな、という感じ。
主人公に感情移入しにくかったが、どうなるのか先が気になり一気に読めました。 -
気をつけよう成年後見人制度
-
異様なほどの無罪判決を宣告する「無罪病判事」。しかし彼が無罪判決を下した被告人が、釈放後に殺害されてしまう。彼が本当に無実だったのか、そして無実であったとすれば、彼が殺された責任は誰にあるのか。その一方で病に倒れた判事の後見人制度を巡って苦悩する家族。どちらのパートも先が見通せず、はらはらさせられるミステリです。
法が万能ではないというのは、そうだろうなと思えます。正義だって絶対に正しいものはないし。ただ、だとすれば法は人を守るためのものなのか、それとも縛るためのものなのか。法の存在意義に悩まされることになりました。もちろん正しく使えばいいのだろうけれど。どこにでも悪用する輩はいるし、そうでなくとも使いこなせないこともあるだろうし。とても難しい問題。
その中で自分の職務に真摯に取り組もうとする人たちの姿が非常に頼もしく感じられました。特に、最初は悪印象しか湧かなかったあの人。実にかっこいいぞ。 -
どーいう展開になるんやろと思いながら読んだ。弁護士さんがいい味だな
-
フォローしている、あくらさんの感想を見て
読みたくなってしまいましたー。
いっきに読める本だったよー!!
検察官とか弁護士、裁判官とか、詳しいことは
よくわからない私ですが、おもしろく読めましたー。
さまざまな事件で有罪、無罪などが判定されるけど、
「もはや犯罪報道は娯楽と化してしまった」
と書かれていたように、
納得できることが多々あったよー。
事実は事実として、司法の制度がどのように判断するのか、
検察官や弁護士とか考えて裁判してるんだなぁー
なんて考えてしまったー。
(実際はどうかわからないけどさぁー)
成年後見人の藤本弁護士は、最初嫌いだったけど、
事実が分かってから、なんていい人なのー!!と
感動しちゃった。
藤本弁護士が後見人でよかったと思ったよー。-
いつもいいね!をありがとうございます。下村さんの作品好きなので、読んでいただけて嬉しいです^^いつもいいね!をありがとうございます。下村さんの作品好きなので、読んでいただけて嬉しいです^^2021/09/10
-
いえいえー。
あくらさんの感想を読んでると、自分まで読みたくなる作品がたくさんなんです。
下村さんも、今までの自分なら読んでなかった作品です...いえいえー。
あくらさんの感想を読んでると、自分まで読みたくなる作品がたくさんなんです。
下村さんも、今までの自分なら読んでなかった作品ですけど、はまっちゃいましたー!!2021/09/10
-
-
法定後見人の闇を題材にした社会派ドラマかと思ったが、やくざの内紛絡みの犯罪ミステリだった。
「正義とは」と文字にすると青臭くなるが、テーマとしてそつなくまとめられている。 -
めちゃくちゃ面白くて中盤以降はページをめくる手が止まらなかった。
それぞれの立場での正義、葛藤、思惑。
一冊読み終える間に登場人物たちの印象ががらりと変わっていく。
物語のメインは無罪放免となった看護師が殺される事件。
それと同時に発覚した“とある問題”。
この組み合わせは面白い。