- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198640750
作品紹介・あらすじ
中国の軍拡が止まらない。南シナ海では人工島を建設して領有権を主張し、艦隊派遣を明言しているアメリカとの間で一触即発の危機を引き起こしつつある。日本では平和安全法制がようやく成立した段階だが、現実はすでに遥か日本の先を行っているのである。日本は領土的野心を露にして軍事大国化する中国に対抗できるのか。中国軍の最新兵器の能力を写真入りで具体的に紹介し、その運用面での問題点も指摘しつつ、日本のあるべき安保体制を構想する。
感想・レビュー・書評
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人民解放軍は、シナの国軍ではなく、共産党の私兵だ。
主に米国との対立や国内掌握の点で軍を語る。
確かに本当に戦争になったら今の人民解放軍が米国に勝てることはないんだろうが、それゆえに平時が難しい。じりじりと目標に向かって手を進めて行くのが彼の国だ。
シナが変えたいのは国際ルールで、覇権を目指しているのではないと説くが、そもそも変えようとするルール自体が、派遣ではないのかという気はする。
正当な手段で手に入らないのだから、ルール違反をするのは当然の権利だという盗人の理屈はすごいもんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今注目の現代中国研究者、小原凡司氏の著作。
中国(共産党)が、米国との間で、本気で『新型の大国関係』を求めている節があり、米国とは衝突しないが、米国と衝突すること以外はとくに懸念していない。そこに、中国国内の権力闘争が絡んで、中国の南シナ海への暴走や、尖閣に常に公船を徘徊させ、たびたび領海侵犯を行わせている原動力だとするならば、米国を巻き込むこと以外に、中国の暴走を止めるすべは無い。そして、たびたび問われる習近平が人民解放軍を掌握しているのか問題についても、公表されている人事情報から、習近平が人民解放軍を高いレベルで掌握しているのは間違いないとの結論。これは納得できる。
そして、中国の軍拡にも、予算の壁があり、時間の壁がある点を指摘。
中国が空母に拘るのは、中国が多大な予算と貴重な時間を浪費してくれる面もあるので、個人的にはその方向に頑張って欲しいところである。(経済が減速し、人口ボーナス期間が終われば、どのみち強大な海軍力の整備が終わる前に維持できなくなるだろうさ)