恋形見 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 68
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198638979

作品紹介・あらすじ

あたしは巴屋を江戸一番の大店にしてみせる! 度胸と才覚を武器に、ちっぽけな太物問屋から有数の大店に成り上がった女、おけい。江戸中の人々を驚かせ、女たちの注目を集め、新しい反物を流行らせた”人でなしのおけい”は仮の姿。遣り手、強面のかげには、一途な純愛があった。号泣必至の一代記!「食堂のおばちゃん」として話題となった松本清張賞作家が贈る、書下し時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 時代や設定が、「あきない正傳」に似ていてる(あちらも大ファン、どっちが先かは不明)が、好きだなあ、こんな感じで江戸時代の女性が活躍する話。

  • 誰しも辛い時、帰路に立った時は何かにすがり付きたくなる。物であれ人であれ。安易にすがり付いたら騙されたりもする。何かと世の中は世知辛い。それでも、そのすがり付く対象と自分との間にある繋がり、繋がりの質量によっては、それが大きな力となる。その力の大きさは自分自身の覚悟の質量に比例するのかも。

  • 「あたしは巴屋を江戸一番の大店にしてみせる!」
    江戸中の人々を驚かせ、女たちの注目を集め、
    新しい反物を流行らせた"人でなしのおけい"は
    仮の姿。遣り手、強面のかげには秘めた恋が…。
    一途な女の一代記。

  • 江戸を舞台にした女一代社長奮戦記…、とはいえ良くある立身出世モノとはちょっと違って、女の生き様多種を描いているところがポイント。

    多様な人物が出てきて、その工夫を凝らしたキャラの個性造型を楽しめる。特に主人公、その母、その妹という3人の女性(物語を回していく中心となる)が話の中で際立ってくる。
    それ以外にも魅力的…というか気になるキャラクターが大勢出てくるのだが、特に男勢はこの3人を際立たせる脇役(脇というにはひでぇヤツもおるが)にすぎない。ともかく、この小説は3人の女性を読むのが醍醐味。

    親のDV、実の子を愛せない親…現代病とも思えるこうした問題、実は江戸の昔からあった(あってもおかしくない)、人間の根底に根差す問題なのかもしれない。

  • 「おばちゃん街道」で自伝的エッセイを、「あしたの朝子」では母親をモデルにした小説を書いて、現在乗りに乗ってる感じの山口恵以子さん。「恋形見」、本格的な時代小説といってもいいでしょうか・・・。2015.1発行です。呉服の巴屋の長女として生まれたおけいの波乱万丈の生涯。11歳から42歳まで、お店を継ぎ、「人でなしのおけい」と言われながらも、11歳からずっと抱き続けてきた純情一途な恋心を描いた力作だと思います。「真心」がテーマでしょうか・・・。

  • 面白かったけど、主人公以外の人物の書き込みがが薄っぺらいのが一寸気になった......(´・ω・`)

  • やっぱり作家は凄い。話しの落とし所が決まってる。
    ラジオで、この本の内容がインスピレーションでポンと落ちて来たと聞き、興味を抱いた。或る一場面が画像として現れ、それを意味あるものとするように、ストーリーが産まれてくると作者は話していた。
    読後なるほど得心した。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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