- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198635008
感想・レビュー・書評
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「南の悪魔」と呼ばれ冷酷な王として名を知られるスペイン王フェリペ二世。
不本意ながらビセンテに捕まり、スペイン暮らしを強いられていた海斗のスペインでの生活が描かれています。
不満で一杯の筈が自分を過保護なくらい構い倒し、守ると誓って傍に居てくれる美貌の騎士ビセンテとその従者で美少年レオとの暮らしも悪くなさそうです。
イングランド宮廷で道化師としてエリザベス一世に使えていた海斗がスペイン王にその経歴に興味を持たれ、やがて寝る前の話を所望されるまでになる。
聞いた話や自身の体験した宮廷内での話(ジェフリーも登場します)にスペイン王も興味津々でした。
特に義妹であるエリザベスの所業が気になったようです。
千夜一夜物語の様に毎夜聞かされる海斗の巧みな話しに癒されたのか、頑だった王の心が僅かに開かれた感じです。
海斗への不信感も払拭されて、最後には二人きりで庭を散歩するまでになったのですが。
エリザベスの宮廷で「王は孤独だ」と学んだ海斗でしたが、ふと漏らされたフェリペ二世の話に王者の孤独を肌で感じ取った海斗。
冷酷と称されなければ統治出来なかった王の孤独と妻への深い愛を秘めたスペイン国王に今までとは違う感情が湧きました。
海斗ではありませんがこれから衰退していくであろうスペインを思えばやるせなく切ないです。
話の中で剣技学校へ中途編入したレオの為に踊りを海斗が教え込むのですが、流れで踊り等踊った事の無いビセンテまでが習う羽目になり、それを聞きつけた王が海斗にビセンテとヴォルタを踊れと命じました。
絶対踊らないと誓ったビセンテですが主君の名であれば如何せんそうも言っていられませんし、何より絶対という事はないのです。
スペイン王フェリペ二世の一面を垣間見られた素敵な作品でした♡
女装した海斗(出来たら♡)とビセンテのヴォルタ、見たいですね〜♫詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても穏やかで優しい気持ちになれるお話 カイトを奪ったスペインだとしても、カイトにとって心に残る思い出ができた場でもあって憎めない
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夏の日のスペインでの日常が蘇るかと、一番最後にとっておきました。装丁も豪華だったしね。うんと楽しみにしていた一冊です。読者も知らない夏のスペインの秘密があるかと思いきや、千夜一夜物語のような箱の中の箱のような物語設定で、イギリス組のお話をフェリペ2世と共に耳を傾けることになるなんて。ナイスガイズ満載の外伝でした。宮廷パーティシーンでのヴォルタのシーンも欲しかったと欲張りな気持ちも残しつつ。
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読友さんの「本編の○巻あたりでこの外伝を」とのアドバイスにも関わらずフライング。しかも“~海賊たち”より先に。だってビセンテが居るんだもん。こういう平和な物語読んでしまうと、海斗はスペインにいても其れなりに馴染めるんじゃない?と思ったり。フェリペ2世も良い王だし。ところでヴォルタはどうなったの~?嬉々として踊るビセンテが見たかったよ~。
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すっごく面白かった。楽しそうだし、ナイジェルたちとのやりとりも微笑ましい。国同士で諍いがあっても、誰が悪いのではない。それぞれの信念があるし、それぞれいいところも(勿論わるいところも)あるんだなと改めて思う。全体的に切ないほのぼのという感じだが、面白いと感じながらも心が痛むのは、このあと離れてしまうからだろうな……
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面白かった。
スペインでのお話と聞いていたが、イギリス組もきちんと登場していて二度美味しい。
スペイン組もいいキャラが揃っていて甲乙つけ難い。
アロンソにキュンとした。いい男である。
それにしても話の展開がお見事すぎる。松岡先生かっこいいっす。
でも1番最後のフェリペ二世のカボチャパンツに全部持ってかれたけど!(笑) -
スペイン王・フェリペ二世に泣かされました。
そして、決して彼らを憎めぬカイトにも共感し、切なくなりました。
いよいよアルマダ戦か、、、楽しみ。そして切ない。 -
フレブラ外伝!
今回も彩さんの美しい表紙絵を堪能しました~♪
ソフトカバーは高いですが、これだけで買う価値アリです。
海斗が決して戻る事のできない日々。
例えイギリス贔屓だとしても、こうやってスペイン編を読んでいると、
1対1で向き合うと、皆魅力的な人物ばかりだよなぁと感じますね。
ビセンテやレオの不器用な優しさ。
でも海斗に対する愛情は、傍から見るとあまりに分かりやすくて。
もうこんな関係に戻る事はできないのかなと思うと、切なくなります。
かといってジェフリーの隣にいない海斗は、想像できなくて。
海斗が二人(いや、ナイジェルと和哉のためにもう二人?)いればいいのに。
本編はいよいよ佳境に入ってきています。楽しみに待ってます!