2012年 大恐慌に沈む世界 甦る日本

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198632779

作品紹介・あらすじ

米国発の恐慌、ユーロ壊滅、統制経済に戻る中国…破綻の連鎖で世界経済は大激変する。日本再生のチャンス到来。

感想・レビュー・書評

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  • 1

  • 8月7日読了。

  •  本書は今をときめく著者による昨年発行の本であるが、現在読んでも充分面白い。いつもこの著者の本は「経済書」なのか「プロパガンダ書」なのかと思うのだが、ようは「大衆路線による経済啓蒙書」なのだろう。
     本書の内容は、著者が多くの著作で主張しているものと同じで、様々な角度から同じ内容を強調しているが、その切り口がわかりやすく説得力があるために、現実とオーバーラップして、納得する思いを持てる。
     「日・米などの先進国の自国通貨建て国際のデフォルトは考えられない」、「財政破綻論」と「公共投資」の関係等々、あまり普段馴染みのない経済用語と概念が読んでいるうち理解できる思いがした。
     国際関係における「米国の失業率」や「ユーロにおけるドイツ」の関係等にしても、現在から見ても、本書の見解は充分通用すると思える。
     しかし、最終章の「2012年に起こる経済大動乱」は、当たり外れが半々かもしれない。
     本書は、日本と世界の経済を見る一つの視点を身に付けるための良書と思えるが、どうも「全てその通り」とのめり込むことはちょっと躊躇してしまう。あまりにも本書は攻撃的なのだ。経済とは、もう少し冷静な視点が必要なのではないだろうか。

  • 三橋氏の本はこの数年間にかなり読んできたので主張ポイントはわかるようになりました。欧米や中国等は経済発展は難しく、米国は少し発展、日本にはバラ色というのが結論のようです。

    但し類書を読んでみると日本は他の国よりは「まし」という程度で、この数百年間にわたって先進国の人たちが良いと思っていたシステムを根本的に見直すべき時期にさしかかっているような気がします。その時にはその環境に最適化して国が最も脆弱なのではと心配してしまいます。

    あと数年で恐慌が来ると言われて20年程度経ったような気がしますが、そのような情報に振り回されることなく毎日を悔いの無いように過ごしていくべきだと感じました。

    以下は気になったポイントです。

    ・政府の負債残高を比較する場合は、国民経済の規模との比較「政府負債対GDP比率」を見る必要がある、政府の負債残高は速くないが比率は急激に悪くなっている(p21)

    ・97年の消費税アップ時には、消費税自体は増えたが、所得税と法人税が激減して3大税の合計は4兆円も減った(p31)

    ・財政赤字を拡大すべき時期と、財政黒字を拡大すべき時期は、国内経済がデフレ期かインフレ期で変わる(p38)

    ・バブル経済とは、民間負債の急膨張である、資産価格の急騰ではなく「民間が借入を増やして資産購入の結果、価格が急騰すること」である(p43)

    ・ルーズベルト大統領は公約通り財政赤字半減を宣言した結果、実質GDPマイナス10%となった、戦後に負債対GDP比率は20%@1933から119%になったが失業率は2%の完全雇用(p70)

    ・アメリカは巨額貿易赤字だが、現時点でさえ中国、ドイツと並ぶ世界3大輸出国(日本の倍)である(p99)

    ・世界の7割以上の国は経済収支は赤字である(p101)

    ・アメリカ国内のニューヨークメロン銀行等は、大口顧客に0.13%の預金手数料(マイナス金利)を課すことを表明している(p106)

    ・オバマ大統領の一般教書演説において、公共事業拡大や輸出倍増計画、貿易協定については日本のマスコミは正しく報じていない(p107)

    ・アイスランドは破綻した結果、通貨クローネが暴落(半分)になって輸出力が回復して現在は経常収支黒字となったが、アイルランドはユーロ加盟国のため緊縮財政のみでまだ苦しんでいる(p129)

    ・ムーディーズは09/7/1まで、アイルランド格付けをAAA(最高)にしていた(p155)

    ・中国の当局発表の失業率は4.1%、対象は都市戸籍保有かつ、戸籍簿と身分証明書を労働保険機関に提出している者で980万人、これから逆算すると労働人口は2.2億人となる(p197)

    ・中国のインフレを抑制するには、国際金融のトリレンマに従うと、資本移動の自由化をやめるか、人民元を変動相場制にするしかない(p199)

    ・外貨準備高の大小は「金持ち度」を示していない、増え続けることは、輸出競争力が脆弱である(為替介入の必要性あり)ことを示す(p206)

    ・中国の対外資産にしめる外貨準備高の割合が7割程度(日本は15%)で大きすぎる(p207)

    ・輸出とは、「他国の雇用と需要を奪い、自国の失業率を下げ、所得を拡大すること」を意味する、輸入はその逆(p250)

    ・サムスン電子は日米欧という主力市場で、特許侵害によりアップルから訴訟を起こされていて、欧州の一部では販売差し止めの仮処分を受けている(p272)

    ・ギリシアは歴史的に、ローマ帝国、オスマン帝国、イギリス、アメリカと依存することで存続してきた国、現在はユーロである、2012年は一部の国がユーロを離脱することになるだろう(p283)

    ・イギリス保守党のキャメロン新首相は本当に超緊縮財政を始めてしまい、学生による大規模デモ(授業料が3倍へ)となった(p304)

    2012年4月15日作成

  • 10u2,5

  • 面白かった。

    特に格付け会社のくだりは、疑問に思っていたのでスッキリ。

    今年は、いずれにしても変化の年になるのだろう。

  • 題名はちょっとアレだけど・・・
    内容はありえる内容で面白かった。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:333.6//Mi63

  • ざっと読んだが面白い。続いてフォトリーディング。高速リーディング。やはり経済の事なので、実際に読むと興味が続かなかった。面白かった事は面白かった。日本は資本財の輸出が総輸出量の半分を占めてるそう。日本は蘇るかもと思わされる例がたくさんあった。

  • 「次の経済覇権国は日本」しかないといっても間違った政策をしていたらアカンよね。

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著者プロフィール

東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業、NEC、日本IBMなどを経て2008年に中小企業診断士として独立、09年に株式会社三橋貴明事務所を設立した。
2007年、インターネット上の公表データから韓国経済の実態を分析し、内容をまとめた『本当はヤバい!韓国経済』(彩図社)がベストセラーとなる。その後も意欲的に新著を発表している。単行本執筆と同時に、雑誌への連載・寄稿、テレビ・ラジオ番組への出演、全国各地での講演などに活躍している。また、 当人のブログ「新世紀のビッグブラザーへ」の1日のアクセスユーザー数は7万人、推定ユーザー数は21万人に達している。2012年1月現在、人気ブログランキングの「政治部門」1位、総合ランキング2位(参加ブログ総数は約90万件)である。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
主な著書に『国民の教養』(扶桑社)、『疑惑の報道』(飛鳥新社)、『2012年大恐慌に沈む世界 蘇る日本』(徳間書店)、『増税のウソ』(青春出版社)、
『三橋貴明の「日本経済」の真実がよく分かる本』(PHP研究所)などがある。

「2012年 『ユーロ崩壊!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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